【高校生・大学生対象】アメリカ・カナダトップスクール合格者パネルディスカッション

去る2009年6月3日(水)に、見事2009年のアメリカ・カナダの名門大学の合格を勝ち取ったアゴス・ジャパン受講生をお招きし、海外の大学を目指したきっかけ、出願準備プロセスで苦労したこと、合格の秘訣、日本の大学との並願のポイント、将来の目標などを語って頂くイベントを開催しました。また、誰もが気になる奨学金について、グルー・バンクロフト基金生として見事に大学から授業料免除スカラシップを勝ち取った受講生に、そのプロセスもお話いただきました。ここでは、そのイベントのサマリーをお届けいたします。



「アメリカ・カナダトップスクール合格者パネルディスカッション」

パネリスト:
◇加納 智之さん
渋谷教育学園幕張高校卒 アゴス・ジャパン特待生
合格校:エモリー大学(アメリカ)、バージニア大学(アメリカ)、ボストンカレッジ(アメリカ)、シアトル大学(アメリカ)、マギル大学(カナダ)、慶應義塾大学

◇徐 可人さん
豊島岡女子高校卒
合格校:ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校(アメリカ)、ワシントン大学(アメリカ)、東京理科大学、早稲田大学

◇小原 佑心さん
麻布高校卒 グルー・バンクロフト基金生
合格校:レイク・フォレストカレッジ(アメリカリベラールアーツカレッジ)、慶應義塾大学、国際基督教大学

◇モデレーター:横山匡(アゴス・ジャパン会長)

(以下、敬称略)
(横山)これから留学を目指す方々には、日本が海外からどのように見られているのか、日本の立ち位置は国際社会でどのような状況なのかを日本の外から見てほしいと考えています。もはや世界を無視して生きられる時代ではありません。私は日本にいても国際人、海外に出たら日本代表たれ、という気持ちで留学指導に携わっています。

先日、ちょうど1990年当時のメモを見つけたのですが、その当時、あと2年で日本の18歳人口がピークを迎えるという記録が残っていました。 その当時の大学数は国内で550でした。現在はどうかと言うと、一学年が約120万人で、全入時代と言われていますが、人口が4割減ったにも関わらず、大学の数は750と逆に4割アップしています。当然、日本の大学では生徒集めが過当競争になってきます。そうなると、何が起こるかというと、全入時代ということもあり、一部の上位校を目指す人以外は、あまりモチベーションが高くない傾向になってきているようです。 今、日本の大学進学率は6割近くと言われ、これはアメリカも同じくらいの数字です。ただ、アメリカの高校卒業率は7割代、日本は9割以上とほとんどの人が高校を卒業する中で、アメリカと同程度の大学進学率を誇るわけですから、アメリカの学会などでは日本はすごいという話になるわけです。でも、実情を言えば、一部上位校以外は、ものすごく高い合格率になっているわけですね。その状況が就職にも引き継がれ、あまりモチベーションの高くない人が、そのまま就職という形になってしまう。企業としても、人口が少ないので、どんな学生であろうと費用をかけてでも採用努力をするので、結果として鍛えられていない、モチベーションの高くない人が就職することになる。その新卒者たちは、厳しさに慣れていない中、いきなり社会に出て厳しい現実に直面するため、上場企業に就職した新卒者の3分の1が3年以内に退職していくという結果を引き起こしています。そうなると、企業側も終身雇用時のように、入社してから鍛えてあげようということはしなくなります。転職市場でも力のある人でなければやっていけませんので、その「教育」がどこにあるのかがポイントなんですね。

私は言語学を学んだ観点から言えば、「教育」という言葉は、日本語では教え育てるというどちらかと言えば教える側からの視点で捉えている、学生にとっては受身の意味です。英語の「Education」はラテン語で(己を)導き出す、という意味で、考えて動くという前提ですから、そもそも日本語と英語では似て非なるものであると考えています。海外に留学するということは、特に大学の学部レベルに18歳から20代前半の人生のステージで、その場に身を置くということは、私自身もそうでしたが、知識を学びに行くというよりは、生き方そのものを学びに行くことになると思います。

これから、皆さんは出願のプロセスを進めていかれることになると思いますが、このプロセスはいわば、まわりの環境も含めて、自分のやってきたことを相手に、正しく、魅力有る伝え方でアピールしていくという試験です。TOEFL(R)TESTやSAT(R)も試験ですが、自分を知って相手に伝えるというこのプロセス自体が「試験」ですから、伝えたいことを相手に伝わる形で表現する、ということのほうがより重要になってきます。本日は、その点を踏まえ、体験者のお話を聞いていただければと思います。

では最初に、自己紹介を兼ねて、留学を目指したきっかけ、いつごろ考え始めたかをお話いただけますか?

(徐)私は中国人なのですが、私が4歳のときに両親が名古屋の大学院に留学した関係で日本に来ました。 途中、中国にも戻ったりしましたが、中学・高校は一環のところに入って日本で過ごしました。海外留学という選択肢は小さいころからありました。本格的に考えたのは去年の1月からだったと思います。アゴスのセミナーに参加して、そこから本格的に準備を始めました。両親も海外の大学進学を勧めてくれました。国籍は中国のままなので、日本にいるとそれが将来どう影響するかわからない。それなら人種の坩堝であるアメリカのほうが、もっと可能性があるのではないか、ということで留学を目指すことにしました。

(加納)私は慶応義塾の学生です。今年の9月からバージニア大学に進学予定です。帰国子女なので海外は意識していました。実際に参加した海外サマーキャンプなどで刺激を受けたことが大きなきっかけだったと思います。

(小原)私は麻布高出身で、レイク・フォレスト大学というリベラルアーツカレッジに進学することになっています。本格的に留学を考え出したのは、高三の夏からです。高二の夏から高三の夏まで一年間留学したことに大きな影響を受けたと思います。その留学で、リベラルアーツ大学の存在を知りました。生徒と先生の比率が13対1と、生徒と先生の距離が極めて近い立場にあるという点に魅力を感じました。

(横山)両親に反対された方はいらっしゃいますか?

(加納)最初、両親は賛成してくれたのですが、バージニアとかエモリーとか馴染みない大学名だと知ったとたん反対されました。ハーバードとかイェールなど有名な大学でもないのになんで留学する必要があるんだと言われました。自分は自分のやりたいことで選んだわけですが、そこから両親を説得するのに6ヶ月くらいかかりました。

(徐)留学に関しては、母が全部、大学のリストを出してくれたりなど、非常に協力的でした。国内進学に関しては、国立だったらまだしも私立大学への進学というのは厳しい感じでした。

(小原)両親は大賛成でした。グルー・バンクロフト基金の奨学金の件も母が探してくれました。海外のキャンプとかはちょっと反対もあったのですが・・・

(横山)学校選択の基準・経緯について教えていただけますか?

(小原)リベラルアーツ大学は費用が結構高く、費用が年間450万円くらいかかります。グルー・バンクロフト基金からレイク・フォレスト大学は奨学金獲得の可能性が高いと言われたので、その大学を受験することにしました。

(加納)私の場合、ビジネスを勉強したいという目的がはっきりしていたので、ビジネスウイークなどのランキングを見て大学を選んでいきました。

(徐)金銭面から選びました。私立は最初から選択肢になく、公立の大学の中で、アメリカで発行されている「アメリカの大学ベスト100」のようなランキング本からいい感じの大学をチェックしました。また、自分の専攻が生物なので、その部分も選択の際のポイントでした。

(横山)州立大学のことが出たので、ちょっと触れておきたいと思います。州立大学は、州内に住んでいる学生がまず優先となります。となれば、有名州立大学だと州内からかなりの出願者がいることになるので、留学生には高いハードルになります。つまり、何かきらっと光る部分がないと、留学生にとっては厳しい関門であるといわざるを得ません。また授業料に関しても、州内生は安い授業料で通えますが、留学生は州外生料金プラスの費用も負担しなければなりません。

合格にあたって、もしかしたらここが認められたのかな、と思う部分はありますか?

(加納)準備開始が高校2年のころで、そのころの成績は壊滅的でした(苦笑)。それを取り戻そうとTOEFL(R)TESTやSAT(R)をがんばったのですが、それで取り戻したとしてもイーブン以下だったと思います。エッセイについては、意外とすんなり書けたので、やはり身近なものについて書けたのがよかったのかな、と思っています。

(横山)成績の話が出たので、高校時代の成績やSAT(R)の関連についてちょっと触れておきたいと思います。入学審査官にとっては、SAT(R)と成績の見方は異なります。SAT(R)は全員に同じ課題を与えて比較するものですが、一方、成績というのは安定した取り組み姿勢を見るものです。

アメリカの大学の卒業率は56%と言われています。そして、その落第する学生は、圧倒的に一年目に集中しているのが実情です。なので、1年目をやりきるための学力を予測するためにSAT(R)が使われているわけです。一方、成績のほうは、安定して積み上げてきた実力があるかどうかで、4年間やりきれる可能性を測る目安として使われることになります。

(小原)私の場合、エッセイとグルー基金や高校の先生からいただいた推薦状が決め手だったと思います。エッセイでは、自分のパーソナリティをうまくアピールできたと思います。

(徐)学校の成績が評価されたのではないかと思います。母親が勉強に厳しかったので、学校の成績は良いほうだったと思います。エッセイの中身は、決して華のある内容ではなかったと思っていますが、それなりに伝わったとは思います。

(横山)ここで、グルー・バンクロフト基金の方が、本日いらっしゃっていますので、ぜひ基金のご紹介と、小原さんの何が良くて奨学金獲得に結びついたのかをちょっと教えていただけたらと思います。

(グルー・バンクロフト 松本氏)グルー・バンクロフト基金というのは、アメリカのリベラルアーツカレッジへ4年間留学する方に対して奨学金をお出しする制度です。毎年選抜試験を行っていますが、小原さんのとき(去年)は8名が基金に合格しました。今回は、その8名全員が何らかの奨学金を得てこの夏、リベラルアーツに留学することになっています。 これから留学を目指される皆さんは、授業が高額だからという理由で留学をあきらめないでください。全額支給の奨学金に届かなかったとしても、費用面では必ずメリットがあります。実際のところ、国内には、一年程度の海外留学制度を持っている大学もありますが、その費用もばかになりません。海外進学留学の奨学金を狙えば、国内進学をするよりもむしろ安く収まる可能性もあるわけです。

また、小原さんが基金に合格した理由ですが、彼はポテンシャルが高く、将来、本当の意味での指導者になってくれるような人材であったという印象を受けました。まさにグルー・バンクロフトが求める人材そのものでした。何事にもチャレンジしていくという小原さんの将来を大いに期待しています。

日本ではあまり知られていなくとも、アメリカの教育制度に通じている人であればご存知のすばらしい大学が実はたくさんあります。例えば、新島襄や内村鑑三が留学したアムハースト大学など、これから留学する方々には、ぜひそのような、まだ知られてなくて素晴らしい大学に行ってほしいと思っています。

(横山)奨学金の大きさは、お金をもらえるメリットもさることながら、奨学金にチャレンジしたという精神と、奨学金というハードルの高い審査を通過し、第三者が認めてくれたという事実が非常に大きい。これは入学審査の際に、安心感を与え、必ずプラスに働きます。

では次に、高校時代のクラブ活動や勉強以外の活動の話を聞いてみましょう。

質問者>学校探しってどうやればいいのですか?なぜその学校に決めたかを教えて下さい。

(徐)高校では英語劇部に所属していました。中学2年から高校2年まで4年間やっていました。英語劇部では、何かを演じていたわけではなく、照明、ポスター作りや台本作りなどという裏方の仕事でしたが・・・。それ以外は、ピアノ、絵画教室とかにも通っていました。

(加納)クラブ活動はやっていませんでした。英語のディスカッションの授業で、発言するのが好きでしたので、私は、模擬国連というイベントに参加したことがあります。高校だとそこまでの盛り上がりはありませんが、大学だと模擬国連のサークルがあったりするくらい盛り上がっているようです。それぞれの参加者が各国の代表の役を実際に演じます。自分は日本代表ではなく、ベルギー代表の役だったのですが・・・(笑)。

(小原)文化祭、運動会で1年間のサイクルを費やして実行委員をやりました。会場の統制、問題解決方法などを実体験で学び、それをエッセイでアピールしました。クラブ活動はアメリカ一年間留学時代にトラックをやっていました。

(横山)最次に、TOEFL(R)TEST、SAT(R)の準備について教えていただけますか?

(徐)私は去年の1月にアゴスで初めてTOEFL(R)TESTの無料模擬試験を受けました。その当時は、80点行ったか行かないくらいでしたが、その後アゴスのTOEFL(R)TESTコースをみっちり受けて8月で最終的に100点を越えることができました。 3月と9月にアゴスでSATのクラスをとりました。数学は英語力がなくてもなんとかなり750点くらい。Critical ReadingとWritingはちょっとぎりぎりでしたが、最終的に520-530点くらいでした。 Subject Testは、生物という理系に進むつもりでしたが、高校では生物はとってなかったので、数学、化学、物理の3つを受けて、それぞれ、740、660、690点くらいでした。

(加納)TOEFL(R)TESTを最初に受けたのは、アゴスの無料模擬試験でした。そのときは92点くらいだった。帰国生で、ちゃんと学力ありとアピールしたいのに90点台では物足りないと思い。アゴスでSpeakingとWritingのクラスをとりました。それで最終的に本試験を受けたときには118点でした。 SAT(R)は高校2年の頃から始めていて、高2の12月に一度受けて、Critical ReadingとMathがそれぞれ700点くらい。Writingが壊滅的で500点台だったと思います。これを何とかして上げなければならないと思い、結局3回くらい受け、Critical ReadingとMathがそれぞれ780点、Writingは700点台をとることができました。

Subjectは、なかなか勉強する時間がとれなかったのですが、高校の授業体系が特殊で、文系でアピールできる部分がなく、世界史は満点とれたが、数学が720点くらいだったのでちょっとアピールできなかったのではないかと思います。

(小原)TOEFL(R)TESTは、高3の夏に受けて、最初はそんなによくなかったです。しかも半年しか準備期間がなかったので本当に大変でした。30点くらいは点数があがったのですが、100点までは届かず、iBTは90点台で止まってしまいました。でも、スコア要求は、大学によって審査基準が異なるので、ぜひみんな挑戦してみたほうがいいと思います。

(横山)要求する英語力についての補足ですが、現地の大学のサポート体制の充実によっても異なってきます。英語コース等サポートが充実しているところは点数が低くても入れる可能性が高いでしょうし、逆に要求点数を高く設定しているからといってレベルの高い大学というようには考えないでください。

次に一番苦しんだと思われるエッセイについて、どんな点で苦労したとか、逆に面白かったとかコメントをお願いします。

(小原)何を書けばいいのかを悩み、テーマを選ぶのに時間がかかりました。グルー・バンクロフト基金のアドバイザーに繰り返し指導を受けましたが、結局10回くらい書き直したと思います。わかりやすくて相手が読みやすく、自分の個性が引き立つようにとアドバイスされ、それを意識して書きました。

(加納)エッセイはすごく困りました。模擬国連に行ったこととか、公式で参加したような課外活動を書かないといけないと思い込んでしまい、そういう経験の少ない僕は非常に困っていました。結局、キャンプに行って、誰かと会って、そのときにその人と自分の文化の違いについて考えたという、その当時、自分の頭に浮かんだことを思い出しながらすらすら書いていたら、ある程度さまになったかなという気がします。先週、自分の書いたエッセイを読み直してみたのですが、今読み返してみると、表現も文章もなっていないんじゃないかという後悔がありましたが、自分で評価できなかったとしても、他の人が認めてくれるというのは手ごたえがあるのかなと感じています。

(徐)さっきもお話したとおり、部活では華のあることはやってなかったので、テーマ探しから始まりました。最終的には部活の英語劇か、日本と中国という自分に大きく関わるテーマで悩んだのですが。後者は政治的なものになりそうだったので、結果的には、部活の仕事を通して、自分にどういう影響があったのかを書こうと決めました。書き方がよくわからなかったので、アゴスのアドバイザーにアドバイスを受け、何回も書き直しました。最初はネガティブな書き方をしていたが、アプローチを変えればいい書き方ができることを教えてもらい、だんだん良くなっていった気がする。

(横山)皆さん、国内の大学との併願準備はいかがでしたか? 何が大変でしたか?

(加納)元々、日本の大学を受けるつもりだったので、そこまで大変ではありませんでした。アメリカの大学で、出願締め切りの早いところは秋くらいなので、その後、日本の受験勉強にフォーカスする形にしました。

(小原)半年で両方の準備をしなければなりませんでした。なので、英語の比重が大きい日本の大学受験を選びました。自分が合格したのは、ICU国際基督教大学、慶応義塾大学総合政策学部ですが、どちらも英語の比重が大きかったので、TOEFL(R)TESTの勉強が直接役に立ちました。

(徐)高2までは日本の大学に行くつもりで考えていました・・・。高三は留学準備の比重が大きかったですが、同時進行でがんばりました。私は理系専攻で、早稲田、東京理科大学を受験しましたが、日本の受験勉強で学んだことがSAT(R)にも役立ったのでよかったと思います。

(以下、参加者からの質問)

(Q1)エッセイは、どのくらいの量を書くものなのでしょうか?

(横山)500ワード、1000ワードといった感じでしょうか。500前後くらいが多いので、1000ワードとなると長いほうだと思います。ただ、短いもので人と差別化をはかるほうが難しいので、むしろ長いほうがいいなという声もよく聞きます。A4サイズの紙で2~3枚くらいのイメージでしょうか?

(Q2)小原さんに質問です。SAT(R)は受けられなかったのでしょうか? また、他の大学は受けられなかったのでしょうか?

(小原)TOEFL(R)TESTとSAT(R)を両方受けましたが、最初は両方あまりよくありませんでした。TOEFL(R)TESTのほうはminimum requirementがあって、それがないと話にならないと思い、TOEFL(R)TESTのほうに集中しました。SAT(R)のスコアは、そこまで集中していないということだったので、TOEFL(R)TESTのほうに力を注いだ感じです。 また受験校についてですが、私はリベラルアーツが希望で、奨学金が出るのが最優先だったので、レイク・フォレスト大学しか出願していません。もしダメだったら日本の大学に行くつもりでした。

(Q3)小原さんに質問です。ICUとの併願については推薦入学だったのですか?

(小原)ICUは一般で受けました。私は英語に比重という意味で役に立ちましたが、余裕があればその他の大学でも併願は可能だと思います。

(Q4)エッセイをいくつかの大学に出す場合は、ちょっと書き換えて出しましたか?それともゼロから書き直しましたか?

(徐)同じ(Common Application)や同じテーマのものは調整して加工して利用しました。

(横山)学校ごとにまったく変える必要はありませんが、細かく内容を見る必要はあります。エッセイは確実に自分で100%コントロールできるので、そこの詰めが甘いと取り組みが甘いと思われるので、その部分は意識してください。

(Q5)留学して、将来の日本の社会(就職)への適応とかの心配はありますか? 大学院進学等も視野に入れられていますか?ご両親もそれについてのことは言いませんでしたか?

(徐)両親も、海外に出ていろいろな人に会ってたくましくなることで、日本に戻ってなじめないことはない、むしろプラスになることが大きいのではないかと言っています。大学院はまだよくわかりませんが、研究をすることになったら行くかもしれません。就職については日本を第一希望で考えています。

(加納)うちの母親は、高校卒業してアメリカの大学に入ると、日本の大学に入れなかったから留学したと言われる可能性があるんじゃないかと心配していました。そういう誤解が生じないために、あえて日本の大学も受けました。 就職は、正直な話、海外に住み着いてもいいかな、と思っていますが、それはまだわかりません。日本で就職できない心配はしていません。

(小原)親は、日本の大学に入れなかったから留学したんじゃないかという心配はしていませんでしたが、逆に自分自身が、将来日本に適応できないのではないかという不安がありました。だからこそ、納得のいく進学先を選びたかったので、奨学金の獲得と合わせ、レイク・フォレスト大学一本に絞り、合格を得たので今はそのような心配はしていません。 大学院進学は考えています。将来は外交官を目指していて、大学はリベラルアーツなので、専門は大学院に行ってから学ぶことになると思っています。将来は日本に戻ってくることを考えていますが、現時点ではまだどうなるかわかりません。

(横山)就職についてですが、自分自身1983年に帰国したときには、留学帰国生の就職状況は大変厳しいものでした。しかし、自分の2年後の留学卒業生を見ると引く手あまたという変わりようでしたので、皆さんが留学するこれから数年後は、実際には就職戦線がどのような状況になっているのかはわかりません。今、日本の企業だと思っているところが外資になっているかもしれませんし、上司が外国人かもしれません。ですが、海外留学生を対象にボストンやロサンゼルス、ロンドンなどで行われるキャリアイベントなどを見ると、ものすごい数の日本企業が出展し、人材を求めています。面白いと思うのは、それらの企業は日本ではおそらく、ある一定の大学からしか新卒を採用をしないと思われますが、海外に出ると幅広く採用をしているようです。そこで期待されるのは、さきほどから話が出ているように、学歴よりも、留学生ならではの、バイタリティーや、とにかく動くという習性であったりするようです。ということで、留学をするというのは、数年後の就職状況を有利にしたいという視点ではなく、まだまだ長い人生ですから、10代後半20代前半くらいに海外で学ぶことによって得るもののメリットを長期的視野で考えてみてもらえればと思います。事実、私自身はその経験によって、満足度の高い人生を送れたと確信しています。

留学の成功は、まわりからどうこう言われるものではなく、自分自身が行ってよかったなと思えば成功であると思います。行きたいという気持ちがあればぜひチャレンジしてみてほしいと思います。行くリスクもありますが、逆に行かないリスク、つまり10年後にあのとき行けば良かったなあと後悔する可能性もありますので!

最後に参加者の皆さんへメッセージをお願いします。

(小原)実際、思っているよりも楽ではないです!情報量が少ないだけでなく、高校に同じ目標を目指す友人も少ないですし・・・。でも、こうして合格できたのは、とにかくいい思い出になっていると思います。とにかく動けば助けてくれる人がいます。自分にとってはアゴスやグルー・バンクロフト基金がそうでした。なので、今迷っている人もぜひ決断してみていただければと思います!

(加納)やってみなきゃわからない、という精神が大事だと思います。学校の先生に最初に留学を目指すといったときには先生からひどいことを言われたりしました。でも自分のポテンシャルを信じ続けて、アゴスの人や、学校で包容力のある先生とかにサポートしてもらってがんばってきました。結果として合格できたので、やはり自分を信じることが大事だと思います!

(徐)去年、合格者のパネルディスカッションに参加したときに、ハーバードとかスワースモアなどすごい大学に行った人たちばかりだったので、自分にもできるのかなととても不安だった覚えがあります。評価基準が成績だけじゃないよとも言われましたが、自分ではアピールできる部分が足りない気がして、とても不安でした。 でもやっていくうちに、点数も出てきたし、最終的に合格通知ももらい、私も認められたんだなと、とても自信がつきました。皆さん、やってみる価値はあります!

(横山)最後までやりきれば、成果は出るものです!途中であきらめてしまうのが一番の失敗だと思います。最後までやりきって全滅する人はほとんどいません。 ぜひ最後までやりきっていただき、そして今度は皆さんがパネリストの席に座ってお話いただける日を楽しみにしています!

皆さん、ありがとうございました。

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