【春の特別セミナー】あなたもグローバル・リーダーに!~国際派プロフェッショナルのススメ~ イベントレポート



パネリストプロフィール:
石倉 洋子(いしくら・ようこ)氏
慶應義塾大学大学院、メディアデザイン研究科教授
7年間フリーターをした後、バージニア大学大学院経営学修士(MBA)、ハーバード大学大学院 経営学博士(DBA)修了。マッキンゼー社でマネジャー。青山学院大学国際政治経済学部教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。富士通、日清食品ホールディングス、ライフネット生命社外取締役、世界経済フォーラムのGlobal Agenda Council Education & SkillsのVice Chair。「グローバル・アジェンダ・ゼミナール」「ダボスの経験を東京で」など、世界の課題を英語で議論する「場」の実験を継続中。専門は、経営戦略、競争力、グローバル人材。
主な著書に、「戦略シフト」(東洋経済新報社)、「グローバルキャリア」(東洋経済新報社) 「世界級キャリアのつくり方」(共著、東洋経済新報社)等。

ブログ(日本語)http://www.yokoishikura.com
     (英語)http://www.yokoishikura.com/english
Twitter: @yokoishikura

ファシリテーター:
アゴス・ジャパン代表取締役 横山 匡

グローバルリーダーということを聞いて誰を思い浮かべるでしょうか?

参加者:
孫正義さん
スティーブジョブス
小泉純一郎さん
etc.

グローバルリーダー?
グローバルリーダーとは何かと考えるときに「グローバルリーダーとはこういう定義だ」というところから始めるより、「自分にとってグローバルリーダーとはこの人だ」というところから始める方が面白いと思います。

思いつく人物挙げて、そこからグローバルリーダーとはどういうことなのかということを議論し、その結論に対して自分がどうするのかということを考えるのがよいと思います。

世界のいま
いま世界はどこで何が起こるかわからない非常に不安定な状況にあります。 そして様々なリスクがあります。 新しい人材が増え、多国籍の人間が横一線で並びます。 どこの国の誰を雇うかというのにも色々な選択肢があります。 世界は非常につながっています。それと同時に断絶が起こっています。 デジタル機器を使える人間と使えない人間の格差が広がっています。 世代間の断絶も広がっています。バブルの頃を生きてきた世代と低迷していた時代を生きてきた世代では前提が違うということが理解しにくく、話が通じないことが多いです。

人と仕事のミスマッチも起きています。失業率が各国で高くなってきています。 その反面求めるスキルを持った人間が見つからず、いつまでも求人を行う企業もあります。 教育と雇用のギャップも広がっていて、今の教育はこれから社会が必要としていくスキルを学べるような制度になっていません。 国と企業が分裂してきています。国は場所を変えることができませんが、企業は活躍する場所を変えることができるからです。

これらにどういった意味があるのか?
競争が激しくなり、可能性が増えました。その中で何をするのか? 売上も地位もさがっているのに見て見ぬフリをする人もいます。問題、課題がわかっているのに、議論を続ける人もいます。覚悟を決めて飛び込む人もいます。

これからは、ユニークさで競い合う、プラス・サムゲームになります。誰かが勝てば誰かが負けるゼロ・サムの競争ではなく、自分のユニークさはコレであり、どこで戦えばいいかが分かっていれば誰でも勝てる時代になります。

ユニークさが鍵です。みんながやっていることをやれば、それに秀でた人に勝てない。企業の戦略も同じです。コストで勝負すれば、一番安いところに勝てない。だから付加価値で勝負していく、差別化を図っていく。そうすることでみんなが勝てるようになります。

ユニークさというのは学歴や、職業、資格などではありません。大きな枠での分類では重要ですが、人はそれだけではありません。ハーバードやサンダーバードを出た人間がすべて同じ人間でしょうか? そういったユニークさというのは一緒に働いたことがある、活動したことがある人にしかわかりません。だからそれを探していくことがとても大事です。 そのためにはいろんな人と働くのがいいとおもいます。人は同じ場所でずっと働いていると、あの人はこういう人だというレッテルが貼られていきます。それから抜けるのは非常に難しい。そういう時は場所を変えるのが手っ取り早いです。まったく別の場所へいけばまったく違う自分を作ることができます。留学はその面でいうととてもよいと思います。

ITの台頭で世の中はすっかり変わってしまった。今までの常識がすごいスピードで変化して通用しなくなってしまった。そのため日本では時代が変わってしまったことを理解していない人が年齢の高い人ほど多いです。

だから私の言っていることも信用しない方がいいです。自分で考えて試したことを信じてください。

ITの良いところは、国籍や性別などが関係ないところです。どんな人間であれ、すごいものはすごいと認められます。

自分で考え、選択する
自分で考えて自分だけで選択して心から決めたことが人生の中でいくつあるでしょうか?
本当に自分で考えて決めたのかということは一度考えてみる余地があると思います。
考えてみると自分の選択には様々なものが影響していることが見えてきます。
周りの人間がしているから、あの人がこう言ったからとか。

東日本大震災の際、組織のリーダーたちは議論をするばかりで決めることができませんでした。一方で一般の人々は自分たちで考えて実行していきました。その格差が世界に対して明らかになりました。 どうして意思決定ができないのか?それは小さいころから意思決定をしてこなかったことに原因があります。決めるという癖をつけていないから肝心な時に決めることができないのです。

どうすればよいのか?
得られる情報はほぼ無限にあります。そして誰もが発信できます。 国籍や経歴も関係なく発信された価値のあるものに対して世界中から評価をされます。 なのに、日本の今までのやり方はインプット偏重でアウトプットをしてきませんでした。英語なんてその最たるものですね。何も言うことができなければ世界からは認識されません。

どんどん捨てることも必要です。過去の成功、やり方、考え方など様々ですが、世界が変わってしまったので、過去のものはどんどん捨てていきましょう。

そしてすぐに行動すること。子供のように無邪気に行動しましょう。リスクに怯えたり注意を受けて萎縮したりで人はどんどん消極的になっていきます。まず実践する。そして試行錯誤して、それから軌道修正をしていけばいいのです。

そんな中リーダーは未来を造り、高い志を持ち、夢を実現していかなくてはいけません。そして世界の動きを知り、常にアンテナを張っておく必要があります。既存のメディアを見ているだけでは全然足りません。そして実際に起こっている場所へ行くことも重要です。行ってみると違ったなんてことはよくあることです。

今はみんながリーダーになる時代だと思います。カリスマ的リーダーでは通用しない時代になってきていると思います。世界が複雑になり、スピードがものすごく速いので一人では対応しきれなくなってきています。みんながリーダーシップを発揮していくのが大事です。

Q&A;

Q:日本人だからこそのグローバルリーダーの資質はありますか?
日本人は理解することと、バランス感覚が良い。自分が!自分が!という世界のなかで、はちょっと立ち止まることができます。多様性を受け入れられる。そんな資質がありますね。

Q基礎体力とバランス感覚について、どういったことをされていますか?
子供のころから外で遊ぶのが大好きで、今でも週六日位の筋トレとウエイトトレーニング、エアロビ系のこともしています。水泳などもしています。公園を走ったりもしてます。 あとは合気道もやってます。合気道は5年ほど、週1回やっています。運動は大事な活動の一つです。

Q:留学をした際のモチベーションと現在の活動のモチベーションについて教えてください
子供のころから留学したいと思っていました。これは結構動機が簡単で、ほかのところがどうなっているのかを見たかったんです。当時は家を離れるというのはかなり大変なことでした。でも私は絶対家を離れたいと思っていました。 日本国内では、離れて下宿するというのはお金もかかるし無理だと思っていたので、留学してしまえばこっちのものだと思っていました(笑) 行ったらば、自分で決めなきゃならないことがたくさんあったし、とんでもない目にもあったし、病気すると大変だというのもわかりました。世界が広がって。非常にいい経験でした。アメリカに行ったら当時の日本とは違って女性が当たり前のようにリーダーシップを発揮していて、「あぁこういう感じなの」と思いましたね。それもいい経験でした。 その後ビジネススクールの教授の通訳をやったことがきっかけで、MBAに行きたいと思いました。反対されることが目に見えてるので学費をためておきました。お金がないと誰かの言いなりになってしまうので、やりたいことがあるなら、常にお金はためておいた方がいいです。ビジネススクールは大変でしたが、やってみたら私はこういうものがやりたかったんだと感じました。やってみたいなと思ったことがやりたかったことだったことはとてもラッキーだったと思いますね。

最後に
みんなこういうセミナーを聞いたりするとその日はとてもやる気になるんですが2,3日経つとやらなくなってしまうんですね(笑) なので、せっかくその気になったのならすぐ行動するっていうのが大事だと思います。 手を出してしまえば、そこからまたいろんなものが始まるので実際にやるというのが大事だと思います。なんでもいいんです。「私はちょっとその気になったからこれを始めてみよう」ということが大事です。

著書紹介
世界級キャリアの作り方(共著、東洋経済新報社)
グローバルキャリア(東洋経済新報社)

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