【新春特別セミナー】ハーバード卒業生が語るグローバル・リーダーシップ最前線

パネリストプロフィール:



砂川 大(すながわ・まさる)氏
株式会社ロケーションバリュー 代表取締役社長
慶應義塾大学法学部を1995年に卒業後、三菱商事に入社し海外の鉄道プロジェクトに従事。2001年にハーバード・ビジネス・スクールに留学。同校を2003年に卒業後、米国の独立系ベンチャーキャピタルであるGlobespan Capital Partnersに入社、ディレクターとしてデューデリや投資先の事業開発を行う。2004年に同社日本事務所の開設を行い日本代表に就任。2005年3月にロケーションバリューを創業。現在に至る。



朝比奈 一郎(あさひな・いちろう)氏
青山社中株式会社 筆頭代表CEO
1973年東京都生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大行政大学院修了(修士)。経済産業省でエネルギー政策、インフラ輸出政策などを担当。アジア等の新興国へのインフラ・システム輸出では省内で中心的役割を果たす。小泉内閣では内閣官房に出向。特殊法人・独立行政法人改革に携わる。「プロジェクトK(新しい霞ヶ関を創る若手の会)」初代代表。中央大学(公共政策研究科)客員教授 / 総務省 地域力創造アドバイザー

ファシリテーター:
アゴス・ジャパン代表取締役 横山 匡
以下イベント抜粋です。

朝比奈 みなさんおはようございます。今は青山社中株式会社という聞き慣れない会社で働いているんですが、日本を立て直すのを仕事にする訳の分からない会社を始めて(笑)3年ちょっと経ったところです。14年前には経済産業省に務めておりまして、入って5年目と6年目に2年弱留学させてもらいました

砂川 おはようございます。目がキラキラしていますね。わたくしはばりばり帰国子女なので英語が辛いって人は参考になりません。2~6歳までフィリピンに、9~11歳までメキシコに、9~11歳までアメリカにいたので英語だけはばりばり出来ました。朝比奈さんと全く逆なのは勉強はからっきしだめでした。中学受験はしたものの、スポーツ推薦で412人中409番の成績でした。

なぜ留学を考える様になったか?
朝比奈 経済産業省では国内マターをやるはずだったんですが、配属された部署が国際的で貿易とか経済教育とかを扱う部署でした。そういう中で仕事していくと、カウンターパート達がアジアの途上国の役所とかみんなマスターが当たり前で、ほとんどPhDを持っているんですね。特に海外援助の仕事とかしていますと、日本の方からODF補助をしてあげる立場なのに、みんな学歴が低いんです。東大卒が多くても国際的にはBachelorですからね。補助する相手側がPhDを持っているこの状況はなんだと思うようになって。考えてみれば本格的に政策を考えるならば、しっかりした専門性やバックグラウンドが必要だと思って留学してみようかなって思いました
一番引き金をひいてくれたのは同期の存在でした。夜中までの仕事が多かったんですが、夜タクシーで一緒に帰るときに、仲良かった同期に留学するんだと打ち明けられたんです。今までの政策を見直す上で留学したいと夜中の3時にタクシーの車内で熱っぽく語られて、それを聞いて確かにそうかなと。

MBAを目指したきっかけは?
砂川 映画で衝撃を受けたんです。世の中学歴じゃないって言っても結局学歴じゃん。親にも学歴だよって。MBAが何さえも分からなかったのにMBA行くんだって言っていましたね。大学は入る。スタンフォードを受けたんですが全く受からなくて。MBAホルダーがたくさん要る会社に就職しようと思い、三菱商事に入って奨学金生の試験を社内で受けました。鉄道をシンガポール、南アフリカ、オーストラリアに売っていました。英語が出来たので即戦力となり、220日くらいは海外にいました。サテライトオフィスでしたね。上司が非常に厳しくて、社内選考シーズンになり、出願書類を出すと破られるんです。3年目から出願できたんですが、かれこれ6年経ってしまったんですね。今回出願できなかったらやめますと言ってしぶしぶ合格させてもらいました。その年は三菱商事のMBA派遣制が終わるシーズンで、今まで受けたかった人が全部受けたので、300人受けて枠が5人という競争率でした。部長も受からないと言っていたんですが、たまたま受かったんです。

MBAに期待していたこと
砂川 行く前の段階で勉強してなかったことを残念に思いました。いろんなビジネスシーンに行くと専門性がある人やMBAホルダーがたくさんいるので。なんでこいいうdecision makingになるのかわからないということが多々ありましたね。それを恐れて勉強してどうにかしてやろうと期待していました。向こうではやることが多すぎでした。
勉強なんですがハーバードはハードルが高くてやらせる量が多いんです。僕は英語に対してのdisadvantageは少なかったかもしれませんが、それでも最初の1stタームは毎日3、4時間睡眠でした。毎日必死なのにも関わらず、パーティーやるんです。どう考えても1日27時間ないと無理でした。2nd termはだんだん慣れてきて楽になってきてそれは期待以上でした。ハーバードの授業の多様性が他よりも少ないんじゃないかと言われますが、今はそんなことなくて、1つ1つの授業が濃くて学ぶ事がいっぱいあります。期待以下のことはあんまりないですが、強いて言えばめちゃくちゃ寒くて生活レベルは日本より良くないです。1学年900人もいるので顔も知らない人がいたのが残念でした。
想定外だったのは初日に9.11が起こりまして人生が変わりましたね。ハーバードは競争社会と言われているがそうでもないです。みんな協力的で助けてくれます。発言しないと成績半分なくなるので発言するんですが、今のはまずかったなっていう発言を友達がカバーしてくれたりするんです。助け合うのはみなさんのイメージと違うと思います。

朝比奈 留学前に期待していたことの1つめが英語力、2つめが経済と専門性で3つめが人脈ネットワークでした。英語力は正直大してつかなかったです。ケネディーは割と大人な人が来るので性格的にピュアでした。専門性の部分は日本でも結構翻訳されてますし、どうしてもアメリカじゃないとだめだって訳ではなかった気がします。日本人で期待していたような人脈はそこまで出来ませんでした。国際色豊かなネットワークは出来ると思います。
ケネディーのクラスで印象的だったことはチャレンジスピリットがすごい。倫理のクラスでは答えがないことに対して徹底議論するんです。アメリカは日本に原爆を落としてよかったのか?とか。ケネディースクールと言えばリーダーシップですが、最初から大統領だった人はいない様に、ポジションがなくてもアクションの仕方によってはリーダーになれるんです。想定外だったことは初日がテロだったので、、、留学すると何かしら想定外のことが起きるので、アメリカのカルチャーを感じられた。あとは弁舌文化。弁舌で世の中変わるという文化が学べたことは予想してなかったですね。

Q 今振り返ってみて志望者に対してこんな風になったらいいという点
A 朝比奈 留学の軸で考えると日本の情勢をよく知っておく事ですね。授業料払っているのにおかしいかもですが、授業の中でいかにみんなに貢献するかが求められる。自分のバックグラウンド、自分は何者なのか、日本のしくみをしっかりおさえておいて欲しいです。

Q どうやって自分を売りこんだか、ハーバードがなぜ他ではなく自分をとったのかとそのメリット

A 砂川 海外のMBAは日本の学生を教材として受け入れているんですね。アメリカ人のMBA生が社会に出た時にどうしても相手にしないといけない日本人、中国人とコミュニケーションのトレーニングをする為に招かれているんだと割り切った方が良いです。だからそのベースでエッセイを書きましたし、全然違うことをやってきたぞっていうアピールを盛り込みました。
例えば僕は商社だったんですが、商社のすごくきれいなところにいるんではなく、電車をエジプトの港に下ろさないといけない現地の仕事をしていました。その時にロックアップされてしまい回船料は船に乗っている間も料金が発生するので、早く下ろさないと採算悪くなるんですね。
結局軍港明けてもらうしかなく、3日間ヘドロをかき出して大変な思いをしまして、それをエッセイに書いたらアドミッションオフィサーが覚えていてくれたんです。お前のエッセイめちゃくちゃ面白かったよって言われました。それくらいエッジのたったことをどうやってアピールするかですね。おれは現場を知っているんだというアピールをしました。

朝比奈 売り込んだことは3つあって1つは英語力。自分がいかに将来性があるか。経済産業省でエリートなんだぞって日本だと嫌みに聞こえますが、欧米は恥ずかしい事を売り込んでいいんですね。2つめはアメリカ人にとって日本を学ぶことがいかに意味があるか。日本の方が課題を先取りしている部分があるし、自分が働く分野でけっこう提供できることあるよという見込みの軸を伝えました。3つめは自分の表現。いかに自分で考え抜いて自分の言葉で表現できるかです。必死に考え抜いた表現をエッセイに出しました。

最後に将来へ思っていること、応援メッセージを

朝比奈 先程砂川さんからストラテジーの話がありましたが、戦略って絵があってそれをどうしますかではなくてかなり現実味に引きずられるんです。みなさんの人生戦略はその通りいくわけではなくて逆にかっちり決めない方が良いです。自分の問題意識に照らして必要だと思う事をやる。絵に縛られるのもばかばかしいしそれは日本人が弱いところでもあります。走りながらでも力強く切り開ける日本人の強さは留学していた先輩から感じるスピリットでした。是非アニマルスピリットを大事にして下さい。本日はどうもありがとうございました。

砂川 受験についてアドバイスはsimple-すごくシンプルにやる、Efficient-効率的にやる、Tactical-戦術的にやる、の3つです。ばーっとやってもいくらあっても時間足りないです。僕が4か月で出来た事ですからみなさんにもできると思いますのでぜひシンプルに。MBA出た後のアドバイスは、ここに来た時点で問題意識があるわけなので選ばれた人なんです。ただ最後の一押しは自分達でやってクリエイティブに何かをしてほしいです。それは世の中を作っていくのは自分達であるということを認識して物事を前に進めていくっていうことで、もうこれでいいやって思った瞬間人間終わりです。作っていきましょう。

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