GMAT Official Guide 2018 vs 2019 ~4つの大きな違い~ by 中山道生

アゴス・ジャパンGMAT講師の中山です。

GMAT Official Guide (OG) 2019が、日本では6/26に発売されました。


ペーパーバックの紙の本か電子書籍(e-book)かのいずれかを選択でき、価格は同じです。

期間限定のディスカウント実施中で、カートの支払い時に、Discount Code の欄に “GMAT15” と入力すると15%の割引を受けることができます。

(※ アゴスの Verbal / Math / IR クラスを受講予定の方は、クラス内で配布しますので購入する必要はありません。)

OG 2019 と OG 2018との大きな相違は以下の3点です。

1.約15%の問題が差し替え

OG 2015以来の伝統で、毎年バージョンが変わるごとにOfficial Guide, Verbal Guide, Quantitative Guide3冊とも、それぞれ約15%の問題が新しい問題と交換されています。

追加された問題が特に新しい傾向の問題というわけではなく、過去問の中からほぼ同じパターンの焼き直し問題が無作為に選ばれているという印象です。OG 2018 をお持ちの方は、約85%の問題が重複しているのでご注意ください。

2.e-bookはKindleではなく、VitalSourceで閲覧

OG 2018 まではe-book(電子書籍)がAmazon Kindleでしたが、2019からはVitalSourceに変更されました。

Windows / Mac / iOS / Android / Kindle Fire それぞれ専用のアプリをダウンロードするか、各端末のブラウザから e-book にオンラインでアクセスできます。

Windowsでしたら以下のようなウィンドウになります。

文章の読み上げ機能があり、英語版では驚くほど自然な発音で、なかなか性能がよいです。(ただし、OSの音声読み上げ言語設定が日本語だと、見事なほど完璧な『日本語英語』の読み方になります。GMATを堂々と「グマット」と読んでいます。)

OG 2018以前の Kindle 版と比較すると、以下の点で VitalSourceの方がはるかに優れています。

  • ページ送りが章ごとのスクロールになり、問題の途中でページが変わることがない。
  • Reading 文章の行数表示が本と同様で、レイアウトが崩れない。
  • 視野やフォントサイズの調整がKindleよりも格段にスムーズかつ自由度が高い。
  • 章の最初から最後まで問題を見ながら数秒でスクロール移動することが可能。

私自身は Kindle Paperwhite の愛用者であり Amazonファンの1人ですが、、、少なくともGMAT OG学習の便宜という点では、VitalSourceの圧勝と言えると思います。

3.問題のレベル別カテゴリー分類表が付属

OG 2018 以前にも Easy, Medium, Hard の難易度レベルはありましたが、OG 2019には問題のカテゴリーごとの分類表も追加されました。

従来通り、アゴスをはじめとした一般的な試験対策校による問題分類よりもパターン数は少ないですが、独学で大まかな弱点を集中的に訓練したい人にとっては有難いコンテンツと言えるのではないでしょうか。

4.Sentence Correctionの文法・語法ルールについて、より具体的な解説が追加

今回の改訂では、Official Guide の歴史上初めて、Sentence Correction の高度な語法や文法について具体的に踏み込んだ一般的見解を示してくれました。

OG 2018までは、SC の全般的な解説ページは基礎的な文法・語法の概要にとどまる内容でした。

OG 2019 では、イギリス英語とアメリカ英語で用法が微妙に異なる集合名詞や、複雑な単数・複数名詞や数量表現、分離不定詞や人称代名詞等、賛否両論のある文法や語法に関して、今まで以上に詳細に公式見解を示しています。

ただ、従来通りの基本的な文法事項の解説に多く紙面が割かれている一方、今回追加された高度な文法・語法解説部分については、ほんの少しだけ例を挙げて端的に解説されているだけです。そのため、もしかすると、GMAT初級者・中級者の方が読むといくつか重要な区別が理解不十分になったり、文法規則を誤解して生兵法に陥ってしまう部分も多いかもしれないと感じました。

中途半端な理解の「聞きかじり」をするくらいでしたら、全く知識がない方が SC の正解率が高くなるということはよくあります。

今回 Sentence Correction に関して公表された新たな見解を踏まえて、SC 文法ルールの新しい枠組みをセミナーまたは授業で詳しく解説していく意義はあるように思いました。

6/20(水)大阪 GMAT クラス開講します! – by 中山道生

アゴス・ジャパンGMAT講師の中山です。

今年も大阪校で GMAT Verbal Strategy クラスを以下の通り開講します!

(画像をクリックすると PDF ファイルを表示します)

GMAT Verbal Strategy講座  @大阪

6月20日〜8月8日(毎週水曜日)19:00-22:00

西日本在住の方で、これから本格的に GMAT Verbal を学習しようと考えている方は、ぜひアゴス大阪校までご相談ください。

アゴス大阪校のご案内

「GMAT®単語帳」無料お試し版をリリース – by 中山道生

アゴス・ジャパンの中山です。

GMAT®単語帳」アプリの無料お試し版をリリースしました。

収録語数400語の語数限定版ですが、使用方法は「GMAT®単語帳」(収録語数4,800語以上)と全く同じで、機能制限はありません。

フラッシュカードや単語リストから、タップまたはダブルタップすることにより単語の意味や用例を辞書で瞬時に調べることができます。

「辞書を引いた回数と語彙力は比例する」とまで言われるほど、特に大人になってからの語彙力強化において「辞書と単語カード」は王道の学習法と言えると思います。

そんなレトロな勉強法を iPhone/iPad という最先端のツールで忠実に再現、かつ、より効率的に実現したアプリの便利さを、多くの人に感じていただけるのではないかと思います。

勉強すればするほど GMAT Verbal スコアが下がるという現象 – by 中山道生

アゴス・ジャパンの中山です。

GMAT Verbal 学習に多くの時間を費やしている方が、「勉強すればするほど試験のスコアが下がっていく」という状態に陥ることは実は非常によくあることです。

そのような方に具体的な解法プロセスをうかがった際、最もありがちなのは、経験則に依存した解き方や、「学習した知識やスキルを使うことを優先した解き方」を無意識にしてしまっている、というパターンです。

高いレベルの読解力やGMAT知識を持っていても、たとえばSCで「過去問でこのような表現が不正解というのを見た記憶があるので、まず(B)(C)を切りました」「不定詞と動名詞では不定詞の方が正解が多い気がするので、(D)(E)を落としました」「これは正解になりにくいとどこかに書いてあった気がするので(A)をまず外しました」といった中途半端な経験則を優先させてしまうのは、せっかくの英語力を殺してしまう解き方と言えます。

CR でも、「過去問で似たようなロジックを見たことがあったので、今回もそのパターンだと思って(C)を選んだら間違っていました」というような知識頼りの解法では、6割程度は正解できるようになるかもしれませんが、そこから先のひねった難問になると悉く引っかかってしまうということが起こります。

そもそもGMAT試験で、多くの受験者がすぐに思いつくようなロジックだけで全ての問題が正解できてしまうようでは、一通りGMAT対策をした受験者たちの間に差をつけることができません。通常は思いつかないような視点で正解を選ぶ難問があるからこそ、GMATが全世界の優秀な受験者に差をつける試験であり続けることができるわけです。

Verbal で安定して高得点を取れる方は、たとえばSCで「通常ならここでは in を使うのが普通だが、on を使っても必ずしも誤りではない」というようなケースでは、迷わずいったん判断を保留して、選択肢どうしの別の部分の違いを探しにいくものです。SC 難問では、あえて「通常は使わない表現」を正解にすることで受験者に差をつけようとするものだからです。通常の表現を正解にする易しい問題なのか、通常ではない表現を正解にする難問なのかは、選択肢どうしを総合的に比較しないかぎり判断できないものです。

アゴスの StrategyやPracticeコースを短期間で受講した後、そこから出願までの期間に独学でどんどん問題を解いて訓練しているような場合に、下図「伸び悩む場合のイメージ」になる方が多いです。

授業で紹介している知識やスキル、問題傾向や特徴については、正確に理解して試験問題を解く際に応用していくべきです。

一方、自分で過去問を解いて感じた生兵法の経験則や、中途半端に聞きかじった知識やうろ覚えの試験スキルをそのまま実戦に応用することは弊害の方がはるかに大きいです。

本当に重要な試験だからこそ、「憶えた知識を使おう」という意識をむしろいったん捨て去って、目の前の問題に合わせて臨機応変に取り組む姿勢も大切です。

Verbal セクションに対して純粋な英語試験として取り組む初心者的な虚心坦懐な視点と、活かすべき時に試験スキルを活かす上級者的な視点とをバランスよく融合させて問題に取り組むことで、「理想的な上達イメージ」を実現させることができるものなのだと思います。

GMAT Official Starter Kit がリリースされました – by 中山道生

GMAT 公式試験準備ソフトウェア GMATPrep の新バージョンとなる Official Starter Kit + Practice Exam 1 & 2 が 4/30 にリリースされました。

GMAT Official Starter Kit

改訂の要点は、以下の通りです:

  • 収録問題は GMATPrep と全て重複。模擬試験の時間が短縮し、問題数が減少。
  • GMATPrep:ダウンロードしてインストール → Starter Kit: オンラインでアクセス
  • iPhone/iPad や Android、Windows タブレットからもアクセス可能。(5/1現在、モバイル・ディバイスからは練習問題のみアクセス可能で、模擬試験は受験できないという不具合があるようです。)
  • 2018年1月16日〜4月15日に購入した有料 Question Pack / Exam Packs は、2018年5月11日までにメールすれば新バージョンに無料で交換できる。
  • 模擬試験のデザインやフォーマットは変更なし。
  • ネット接続が不安定な環境の方のために、GMATPrep(問題数は 4/15 以前のまま)は従来通りダウンロード可能。

今回の改訂により、GMAT 対策のための学習法に大きな変更をする必要はありません。

有料教材の新バージョンとの無償交換期間が5月11日までと短いですので、ご注意ください。交換方法については、以下のページに説明があります。

https://www.mba.com/global/frequently-asked-questions/gmat-official-practice.aspx#question7

 

GMAT公式試験準備タイムライン 無料ダウンロード – by 中山道生

アゴス・ジャパンGMAT講師の中山です。

mba.com が、GMAT 試験準備のための流れを表にまとめた The GMAT Prep Timeline を公開しました。

PDFはこちらから

アゴスGMATコース受講予定または受講中の方も、だいたいこの見本スケジュールにしたがって STEP 1 → STEP 2 のあたりでVerbalまたはMathクラス受講を開始されれば問題ないと思います。

このタイムラインの中で唯一、気になる部分は STEP 2 “Register for the GMAT exam” のタイミングが早すぎるかもしれないという点ですが、、、、受験日を早めに定めておき、その日までに目標スコアを出せるように自分を追い込むという意味では、よいのかもしれません。

一般的には、出願の締め切りが切迫しているという場合でないかぎり、公式の模擬試験などを使って目標スコアを取れる自信がついてから本試験を受験するのが理想です。

GMAT Official Starter Kit は4月27日に公開予定【追記:4/30に延期】 – by 中山道生

アゴス・ジャパンGMAT講師の中山です。

GMATPrep後継版の公式GMAT試験準備ソフトウェア GMAT Starter Kit は、2018年4月27日にリリースされるとのことです。【追記:公開予定日が4/30に延期されました】

4/16 以降、すでに時間が短く問題数が少なくなった本試験が実施されていますが、その準備のための公式模擬試験は10日遅れで公開されることになります。

おそらく収録されている問題は現行の GMATPrep とほぼ同じものになると推測されますが、できるだけ多くの問題を入手したい方は、4/27 前に GMATPrep をダウンロードしておいて損はないかと思います。

【4/27 追記】

本日確認したところ、リリース予定日が 4/30 に変更されていました。

 

GMAT Official Guide 2019 は6月発売予定です – by 中山道生

アゴス・ジャパンの中山です。

GMAT Official Guide 2019 が日本では6月26日に発売される予定です。

従来の改訂同様、約15%の問題が入れ替えになるとのことです。

アゴスでは、緑と紫の Official Guide for Verbal Review および Official Guide for Quantitative Review をVerbal/Math の授業内で使用します。

また、青色のOfficial Guide 2019の方は、アゴス IR Strategy クラスで配布しますので、IR クラスを受講予定の方は購入不要です。

したがって、将来アゴスのクラスを受講予定の方は、この3冊の購入は不要です。

アゴスのクラス教材に関してご不明な点等がありましたら、講師またはスタッフまでお気軽にお問い合わせください。

GMAT試験時間が30分短くなります! – by 中山道生

2018年4月16日より、GMATの試験時間が30分短くなるとの発表がありました。

https://www.mba.com/global/frequently-asked-questions/shorter-gmat-exam

MathとVerbalは、それぞれ62分、65分へと短縮され、試験全般のTutorialセクションも短くなるようです。(AWAとIRは従来通りです。)

この変更によりスコアや解答時間には影響がないとのことなので、採点に影響がない実験問題が今までよりも減ることになると思われます。

特にVarbalセクションでは、RCパッセージや問題数がどう変わるかによって、人によっては試験戦略も大きく変える必要が出てくるかもしれません。

4月後半には、GMATPrep模擬試験がGMAT® Official Starter Kit + Practice Exams 1 & 2と名前を変えてオンライン提供に変更されるとのことです。

新バージョンの模擬試験が入手できましたら、お薦めの試験戦略等についてクラスやセミナーで紹介していきたいと思います。

 

OG 2017 以前のGMATオンライン・サイトは廃止 – by 中山道生

アゴス・ジャパンの中山です。

2018年3月28日以降、GMAT Official Guide の2017年版以前のサイトは廃止されてOG 、オンライン問題は2018版のみに統一されました。

それに伴い、OG 2017 以前のバージョンを持っている人も、OG 2018版サイトにアクセスできることになりました。(旧バージョンでオンライン登録済みの方には、新サイトへのアクセス方法を記載したメールが届いているはずです)

2017以前バージョン → 2018 バージョンの変更点は以下の通りです。

<OG 2018 Online の新機能>

・各問題に「ノート」や「ハイライト」を追加することが可能。

・過去の全学習履歴・成績をグラフや表で一覧可能。(2017以前では、セッションごとに正解・不正解数を確認できるだけ)

・既習・未習の問題を保存するセッション数が無制限。(2017以前では、セッション数に制限があり、古いセッションを削除してから新しいセッションを追加する必要があった)

・科目ごと・レベルごとに、全問題または以前スキップしたり不正解だったりした問題のみを選択して復習することが可能。(2017以前では、セッションに保存した問題のみ、正解・不正解にかかわらず復習するという形式)

・セッションごとの問題番号と本の問題番号が併記(2017から追加された機能。2016以前は本の問題番号の併記なし)

<OG 2018 Online で廃止された機能>

・本の順序どおりに出題する機能

以前の記事にも書きましたが、なぜこの機能を廃止して、学習を不便にしてしまったのか謎です。。。

ちなみに、Verbal の Reading Comprehension の文章や、IR の Multi-Source Reasoning の文章が 2017 以前と比較して視野が狭くなり読みにくい点は依然として改善されていません。

ただ、この問題については、画面の解像度やディスプレイの文字の大きさを変更することである程度は調節できます。

たとえば、12インチのノートパソコンで以下のようにWindows推奨の設定にしてみると・・・

↓このような表示になります。本試験の画面と比較して、視野が非常に狭いです。

そこで、文字の大きさを小さくしてみます。

表示される行数が大幅に増えます!

文字の大きさを取るか、視野の広さを取るかの選択ですが、、、OG 2017 以前のバージョンのサイトの視野でしたら、文字が大きいままでも違和感はなかったです。

おそらく、OG 出版社 Wiley 社のエンジニアたちが OG 2018 バージョンではデスクトップのコンピュータ画面を基準にして本試験問題と表示を合致させるように開発したため、ノートパソコンで見ると違和感が出てしまうようです。