映画で英語のイディオムを学ぼう!(その1) — by 加藤

前回、洋楽鑑賞が私の趣味だと申し上げました。私のもう一つの趣味に、映画(特に洋画)鑑賞があります。それも昨今の状況から、映画館で映画を観る機会はめっきり減ってしまい、自宅のテレビで地上波の「〇〇ロードショー」を観ることが多いです。

洋画を観る際は、自分の英語を錆びらせないという目的もあって、音声切り替えで英語だけの音声にします。そして、同時に日本語字幕を出して見ることにしています。そうすると、「この英語表現をこんな意外な日本語に訳しているのか!」という新たな発見が多々あります。

当然ですが、アメリカ映画には、登場人物のセリフに生きたイディオムがふんだんに出てきます。ここでは、私が観てきた映画の中に出てきたイディオムとその日本語字幕での訳、その場面と、解説をまずは1セット挙げてみます。

(1)

You won’t get away with it!

「ただじゃ済まないぞ!」

【場面】

たしかマコーレ・カルキン主演のHome Aloneのシリーズの一つです。ある場面で男性が何かを盗もうとしているところです。それを見ていたその友人が言ったセリフです。

【解説】

get away with …は「(何か悪いことをしても)…を罰せられずにすむ、(軽い罰で)済む」という意味です。直訳すると、「それをして、罰せられずに済むなんてことはないぞ!(だから、やめとけ)」です。しかし、字幕には字数制限があるので、上記の引き締まった訳になっていて、ちょっと感動した覚えがあります。

(「その2」に続く。1週間後にアップ予定です。)

エリック・クラプトンと英文法 – by 加藤

私の趣味の一つに、洋楽鑑賞があります。

皆さんはエリック・クラプトンをご存じでしょうか。イングランド出身の「(ロック・)ギターの神様」と呼ばれるアーティストです。

事故で幼くして亡くした最愛の息子のことを歌った「Tears in Heaven」(1992年の大ヒット曲)には、次のような歌詞があります:

Would you know my name if I saw you in heaven?

「もしも天国で会ったなら、君は僕の名前を憶えているだろうか」

Would it be the same if I saw you in heaven?

「もしも天国で会ったなら、以前と同じだろうか」

これらの構文は、文法的にはまさに【仮定法過去】ですね。「現在または未来の事実と逆のことを述べたり、可能性が乏しいことの仮想表現」です。

(※ ちなみに、TOEFL iBT®であってもIELTSであっても、Writingの時に【仮定法】を用いて文を書くと、スコアが上がる傾向にあります。アゴスでは、たとえば、「TOEFL iBT® Writing Foundation」クラスのDay 2で、仮定法についての学習をしっかり行います。)

しかし、歌詞が進むと、次のように【直接法】に変わります。

I must be strong and carry on

「僕は気持ちを強く持って、生き続けなければならない」

‘cause I know I don’t belong here in heaven

「だって、ここ天国は僕がいるべきところじゃないと分かっているからさ」

この部分では、現実での事実を歌っているので、【直接法】になっています。

TOEFL iBT®やIELTSにおいても大事な文法項目である【仮定法】は、洋楽の中でもたくさん使われています。好きな歌を通じて学習すると、面倒な英文法も身につきやすいですね。

また逆に、英語の歌や映画で実際に使われている【仮定法】を見つけてみれば、それらの歌や映画はさらに味わい深いものにもなるでしょう。

是非、皆さんも試してみてください!

たかが英語の発音、されど発音(その2) – by 加藤

(以下は、私の前のブログ記事「たかが英語の発音、されど発音(その1)」の続き(完結編)です。)

さらに、当時喫煙者だった私は、スーパーのレジで、「Can I have a pack of Marlboro Light, please?」と言うのですが、「Marlboro Light, please」の部分では「L」と「R」が交互に出てきて、「L」の発音時に舌を歯茎に付け忘れて、何度か店員さんに聞き返されることがありました。たかがタバコを吸うだけなのに、一苦労です(汗)。

お酒も好きだった私は、時にはバーにも行きました。そこで、ウエイトレスさんに開口一番「A glass of Wild Turkey with water, please.(ワイルドターキーの水割りを一つ)」と言うのですが、おそらく「W」で唇のすぼめ方が足りなくて、一発で通じないことが何度もありました。「今回は一発で通じて良かった!」という時に出てきた水割りはとってもおいしかったのを憶えています。逆に、通じないので2,3回言ってようやく出てきたワイルドターキーの水割りは、どこかしら水っぽくておいしくないものに感じたものでした。。。

これらはすべて実話です。

皆さんも、「英語の発音を決してあなどってはいけません」、というお話でした。

講師からのアドバイスとしては、発音はなるべく早い段階から矯正し、正しいものを体得する練習を始めるべきです。頑張りましょう!

たかが英語の発音、されど発音(その1)– by 加藤

あけましておめでとうございます。

年頭において、心機一転! 皆さんは、もう新年の抱負を決めましたか?

皆さんの抱負は、

「留学実現! → TOEFL/IELTSのスコアメイク → そのためにはアゴスで勉強!」

というものに、勝手に決めさせて頂きたいと思います(笑)。

さて、話は変わって、今回は私自身の米国留学での苦労話です。

私は留学前は日本の大学でE.S.S.(英語研究部)に所属しており、他大学対抗英語弁論大会で準優勝を2度獲得したことがあります。(今回はそれを自慢したいわけではありません。)そのような実績もあり、周囲からは「発音が得意な人」と一目を置かれていた自分なのですが。。。

しかし、いざ21歳で交換留学生に選ばれ、米国で暮らし始めたら、自分の発音が周囲の米国人に通じないという経験を、嫌というほどさせられました。(以下はすべて実話です。)

まず、ファーストフード店でコーヒーを注文したのにコカ・コーラが出てきた、ということが3度ほどありました。「This is not what I ordered!」と言って出てきたコーラを店員さんに突き返した(!)いところでしたが、気が小さい私にはそんなことはできません。「Thank you.」と笑顔で言って席に着き、「なんで、通じなかったんだろう。。。」と一人ぼやいたり、「コーフィ、いや、カァフィと言うべきだったか…」と小声で発音練習を何度かしながらコーラを飲みほしたのでした。。。

また、ある時はアイスクリーム店でのお話。バニラ・アイスが好きな私は何度か「Vanilla ice cream, please.」と言ったものの、「What? Say it again.」などと店員さんに聞き返され、3回言っても通じなかったので、やけっぱちになって「Chocolate ice cream, please.」と言ったら一発で通じたので、それで妥協した経験があります(笑)。

発音が通じないと、自分が食べたり飲んだりできるものも限定されてしまいます。。。

(「その2」に続きます。1週間後にアップ予定です。)

たかが冠詞の「a」、されど「a」(その2) – by 加藤

(以下は、私の前回のブログ記事『たかが冠詞の「a」、されど「a」(その1)』の続き(完結編)です。)

さて、これ以降は私が英語講師になってからの後付けの知識です。

このアポロ11号の月面着陸という、人類が初めて月面に一歩をしるす瞬間は、全世界に生中継され、また、世界史に永遠に残る一大イベントでした。船長であるニール・アームストロング氏は、宇宙船から降りて月に一歩を踏み出す時のために、「ここぞ!」とばかりのキメ台詞を用意していました。これが次のものです:

That’s one small step for a man, one giant leap for mankind.

「これは一人の男にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。」

しかし、息をのむ注目を地球の全世界から一斉に浴びていたせいか、または、ご本人が他の理由で緊張していたせいか、なんと、for a manのaを落としてしまったというのです。(ネイティブでも英語を間違えるものですね!)

「a man」ときちんと不定冠詞を付ければ「一人の男」という意味になり、上記のように意味が通じるセリフになります。しかし無冠詞で「man」としてしまうと「人間、人類(= mankind)」という意味になります。よって、船長のセリフは、「これは人類にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。」という、訳の分からないものになってしまいました。

これを、当時、日本の優秀な同時通訳者である西山千氏が原文(間違った発話)に忠実に訳したそうです。後日談では西山氏ご本人が「あれは私の訳し間違いだ」と謙虚におっしゃっていたらしいのですが、実はアームストロング船長ご自身の間違いとのことです(アメリカ人の私の同僚たちはそのように小学校で習ったとのことです)。これには諸説がありますが、実際私がその録音音声を聞いてみても、明らかに「for man」と、不定冠詞なしで発話されていると思います。

「たかが冠詞の『a (an) 』と、あなどることなかれ」、というお話でした。我々、英語学習者にとっても、背筋が伸びる思いですね。

たかが冠詞の「a」、されど「a」(その1) – by 加藤

今回は不定冠詞の「a (an)」のお話です。

私は当年取って58歳ですが、今からなんと52年ほど(半世紀以上!)前のお話です。時は1969年、私がまだ6歳の頃です。

そんなに昔のことでも、曖昧ながらも確かな記憶があります。というのも、歴史に残る大きな出来事があったからです。

アポロ11号が月面着陸し船長が月の上を歩く映像が日本にも生中継されました。それを、ワクワクしながら自宅で父と白黒テレビ(!)にかじりついて見ていました。当時の衛星中継技術のレベルもあり、また、月という超遠距離からのライブ配信ということもあり、「ピーピー」とか「ガーガー」などの機械的な雑音が多く、船長のセリフなんぞ部分的にしか聞こえてこなかったのを憶えています。しかし、それを日本にいる同時通訳者が見事に(orなんとか?)日本語に訳して、日本のお茶の間にいる視聴者に伝えていました。

その時、父が、「同時通訳ってのは大したもんだなぁ。お前も将来、同時通訳者になったらどうだ?」という無責任な発言をしたのを、今でもはっきり憶えています。

(ちなみに、それから30年弱後に、それこそプロの同時通訳者にはならなかったものの、通訳学校の講師にはなることはできました。その時の父の発言が影響していたかどうかは定かではありませんが。。。)

(「その2」に続く。1週間後にアップ予定です。)

TOEFLリスニングの㊙こぼれ話(英語業界の裏話)(その2)– by 加藤

(以下は、前回の私の記事「TOEFLリスニングの㊙こぼれ話(英語業界の裏話)(その1)」の続き(完結版)です。)

話を伺ってみると、「東京ナチュラル」というのは、東京の英語書籍出版業界(音声ファイルあり)の業界用語らしく、その業界人、それも出版や録音に立ち会う人達だけに通じる用語のようでした。

これは、つまり、

「高校生またはそれ以下の英語学習の初級者・中級者でも聞き取りやすいように、意図的に若干ゆっくり、そして、はっきりと、だけど、あまり遅すぎず適度にナチュラルな話し方にするやり方」

のことを言うようです(この定義が若干正確さに欠けていたらすみません。その筋では新参者ですので、どうか業界人の方々、お許しください)。私自身、英語教育業界は現在28年目ですが、英語「出版」業界については当時新参者でした。

英語学習者初級・中級者向けに、ゆっくりはっきり目の英語を敢えて話して音声教材にする事実は以前から知っていました。私自身も、中学生から大学生の時には、NHKテレビやラジオの英語会話番組で学習していましたが、振り返れば、それらの大部分は遅くはっきり目に話された英語でした。それらはすべて聞き取れたのに、米国留学でアメリカの空港に一歩降り立った途端、空港のアナウンスが速すぎて聞き取れなかったのを今でも鮮明に覚えています! あの時は、「やはり、日本人学習者向けに遅く話された『お粥』か『流動食』状態の英語に慣れてしまってはいけないのだ!」ということを、嫌というほど思い知らされたものです。

(筆者注:ちなみに、TOEFL iBTのリスニング音声はまさしく、ネイティブのナチュラススピードであり、英語学習者を突き放した(=学習者に優しくない)英語です)

話は戻りますが、それにしても、なんと、そういう「易しい英語の話し方」のことを指す業界用語が東京にはある(!)とは、ちょっと驚きでした。この業界にいる者として、これを知らない人がいまだ多い分、一つの喜びでもあり大きな発見でした。

でも本当のことを言うと、「東京ナチュラル」という言葉を聞いて、当年取って58歳の私が一番最初に連想したのは「東京ララバイ♪」という、今から40年以上前に流行った歌謡曲(歌:中原理恵)のタイトルでした(笑)。。。

(実はこれが、このお話のオチでした。)

TOEFLリスニングの㊙こぼれ話(英語業界の裏話)(その1)– by 加藤

真面目で堅苦しいお話だけのブログとなってはいけません。
ここからは余談ですので、そのつもりで軽く受け流してください。(お忙しい方は読む必要がございません。)

皆さんは“東京ナチュラル”という言葉を聞いたことがありますか?
ありませんよね。
私もありませんでした。とある機会までは。。。

以前の私のブログ記事で、「リエゾンをせずには、決して英語を発音できないネイティブ」のお話をしたことがあります(決して見下してそう呼んでいる訳ではありません。誤解のなきよう。。。)。今回はそれとは多少矛盾(?)、または、相反するお話を、敢えていたします。こんなのもあるんだ、くらいに聞いて(読んで)頂けたら幸いです。

前回ご紹介した場合とはまた別に、アゴス教務部の講師たちの共著で、TOEFL iBT対策の参考書を執筆していたことがありました。2014年頃のお話です。この時は確か旺〇社さんの出版物です。
この時も、執筆原稿が出来上がり、校正作業も終え、いよいよ付属音声データ(リスニング用など)を録音するという段になりました。

場所は違いますが、この時も都内某所の録音スタジオでした。
あらかじめ旺〇社さんの方で用意してくださった3名のネイティブのプロ(その実力たるや、プロ中のプロです!)のナレーターの方たちが雇われました。
私は録音作業の監修役の一人として、アゴスからただ一人そこに同席いたしました。
そこで、開口一番、その中でも特にベテランと思われる米国人男性ナレーター(たわわなあご髭がご立派!)から、日本人スタッフに次のような質問が出ました。以下、そのやり取りです:

米国人男性ナレーター:(流暢な日本語で)「今日は、”東京ナチュラル”で行った方がいい? それともふつうの話し方?」
旺文社さんの日本人スタッフ:(日本語で淡々と)「ふつうの話し方でお願いします。」
加藤:(目が点。。。。)「(心の中で)???」

さて、この「東京ナチュラル」とは、一体何のことでしょう?

(「その2」に続く。1週間後にアップ予定です。)

TOEFLリスニングの壁:語句の用法に慣れているか?(その2) – by 加藤

以下は、前回の私のブログ記事「TOEFLリスニングの壁:語句の用法に慣れているか?(その1)」の続き(完結版)です。

私はアメリカの大学と大学院で合計6年弱の間、留学をしていました。その間、様々なレポートや論文を自分でも書き、また読みました(「読まされました」がより正確です)。それらの論文の冒頭あたりでは、よく、次のような表現を目にしますし、自分でも書いてきました:

  •  The scope of this paper is …. 「この論文で扱う(テーマの)範囲は…。」
  •  … is beyond the scope of this paper. 「…はこの論文が扱う(テーマの)範囲外である。」

これらの例でお分かりのように、scope自体の意味は、「(研究などのテーマの)範囲」という意味です。そして、「〇〇の範囲内で論ずる」とか、「〇〇は範囲外だから触れない」などというように使用します。まだ留学を経験していない方や英語で論文を読みなれていらっしゃらない方には、馴染みのない言葉とその用法かもしれませんね。

では、前回ご紹介したListen Again Qの内容に戻ります。

話の流れは、まず、学生が「“dialect” (英語の方言)について、レポートを書きたい」と言っています。

それに対して教授は、「yes ~, but …」の論理で返しています。「~の部分は良いけれど、…の部分はダメ」と言いたいのだと分かりますね。

that’s certainly an interesting topic, but you may not realize, I mean, the scope. . .

「それは確かに興味深いトピックだ。しかし、分かっていないのかもしれないが、その範囲が…。」

つまり、「『方言』というトピック自体は悪くないけれど、レポートに書くトピックの範囲としては、『方言』は大きすぎる」ということを言わんとしています。本を1冊書けるくらいのトピックだと、言わんとしているのかもしれませんね。

受験者として、ここでピンとこなければ、Listen Again Q自体では再生されませんが、会話の後半では次のようなやり取りがあります。

この同じ学生が、「“dialect accommodation” (方言適応)について、興味がある」ことが分かります。それを受けて教授が次のように語ります。

教授: OK, all right——”dialect accommodation” is a more manageable sort of topic . ..

よって、”dialect accommodation”はmanageable topicだけれど、”dialect”自体はmanageable topicではない(=レポートに書くには大きすぎるテーマである)ことが分かります。

よって、正解の選択肢は(B)です。

英単語は1つ1つの意味が分かるだけではなく、その用法にも馴染みがないと、なかなか確信を持って理解や正解ができないものです。このようなことは、アゴスの授業中に講師が体験談を交えて解説することがよくあります。

TOEFLリスニングの壁:語句の用法に慣れているか?(その1) – by 加藤

私が担当しているクラスの一つに、「TOEFL iBT® Listening Practice Advancedクラス」というものがあります。そこで扱う教材(ETSの過去問の中の会話問題)に次のようなListen Again Q(会話の一部が再生され、その内容を問う設問)があります。
(出典:『Official TOEFL iBT® Tests Volume 1, 4th ed., pp. 140, 319-321』)

【場面設定】 レポートのトピックを決める際の、学生と教授とのやり取りです:

ナレーター: Listen again to part of the conversation. Then answer the question.
学生: The section on dialects? ‘Cause, like, that’s the kind of thing that’s always sort of intrigued me, you know?
教授: Well, that’s certainly an interesting topic, but you may not realize, I mean, the scope. . .
ナレーター: What can be inferred about the professor when he says this:
教授: Well, that’s certainly an interesting topic, but you may not realize, I mean, the scope. . .

上記の部分を音声で聞いて、次の設問に答えます。皆さんはどれが正解だと思いますか?


Q. What can be inferred about the professor when he says this:
(A) He thinks the topic goes beyond his expertise.
(B) He thinks the topic is too broad for the student to manage.
(C) He thinks the topic is not relevant for a linguistics class.
(D) He thinks other students may have chosen the same topic.

これまでの受講生の反応から、この問題は結構難しいと感じる方が多いようです。

その大きな原因は、語られた内容が少ないことに加えて、教授のセリフの最後にあるthe scopeの意味と用法に馴染みがないことではないでしょうか。

この問題の解説と解答は、次回発表予定の記事にて行います。
それまで、皆さん、じっくり考えてみてくださいね。