先日、GMAT 760点を達成された方が Enhanced Score Report (ESR) の公開を快諾してくださいましたので、ご紹介します。
ここ数年、6月に改訂版が発売されていた Official Guide ですが、出版社の Wiley 情報によると今年は改訂版の発売はなく、次期バージョンである OG 2023 の発売は来年1月以降になるそうです。
これから Official Guide を入手予定の方は、とりあえず安心して現行の 2022 版をご購入ください。
今までは2020年6月に「2021」が発売され、2021年に「2021」が発売され、、、ということで紛らわしかったのですが、ようやく「OG 2023」が2023年に発売されることになり、バージョンの数字と発行年が一致して無用な混乱が避けられるのはよかったです。
ちなみに、今後 AGOS の Verbal 対策コースを受講予定の方で、まずは独学で Official Guide 問題を解きたいという方は、Verbal / Quantitative / IR の統合版を購入されるのがおすすめです。
Verbal 問題のみが収録されている Official Guide for Verbal Review は、クラス内で問題を解いて解説するために使いますので、講座受講予定の方は手をつけずにおかれてください。
GMAT 初回受験で 770 点を獲得された方から体験記をいただきましたので、紹介します。(公開のご承諾をいただいています)
幸運にも初回受験でTotal 770という望外のスコアを達成できたため、簡単ではありますが、体験談を共有させていただきます。
【スコア推移】
【スケジュール・使用教材】
2022年1月 | Verbal Strategy Advanced受講
マスアカ(年末年始で1周) 某塾文法コース受講 業務多忙につき、Verbalは宿題・復習が精一杯 |
2022年2月 | Verbal Strategy Advanced受講
Manhattan GMAT Advanced Quant GMAT重要単熟語(以降も継続) 1月同様、業務多忙につき、Verbalは宿題・復習が精一杯 |
2022年3月 | Verbal Practice(A)受講
Problem Sets (White Book) OG(本体・Verbal Review)の未着手部分 Prep初回 学習時間が確保できないため上司に相談したところ、3月下旬から1か月業務負荷を軽くしてもらえることに |
2022年4月 | Verbal Practice(B)受講
AWA Strategy Prep 初回受験 |
過去の体験記を見て、1st Roundで出願するためには、GW明けの試験で730が目標となると判断しました。そのため、GW明けに予約をした後、試験慣れのためそこから逆算して1回目の受験日を定めました。
【Verbal】
①全体
Qと異なり、満点を狙うセクションではありません。いかに3分野合計で8割を達成するかという戦略が重要な試験だと思います。8割を達成すればV40が期待でき、Q50とあわせれば730は達成可能です。その中で、試験当日も、勉強時間も、SC/CR/RCにそれぞれどれだけ時間をかけるかのバランスを考える必要があります。
本番では幸運にもV46という信じられないスコアが出てくれましたが、目標としては上記の通りV40+、Q50+で730を目指しておりました。
②SC
余計なものには手を出さず、中山先生のマニュアル・OG2冊・Problem Sets(White Book)・Practice2冊の内容をすべて理解することに努めました。SCの出題分野はロングテールで、個別の細かいトピックを追いすぎるといくら時間があっても足りないと思っており、中山先生の「2割は知らない問題が出てしまう、残りの8割を確実にとることが重要」というお言葉がまさに核心を突いていると思います。そういった意味では、SCに時間をかけすぎてしまうのはリスクだと感じます。
先人に倣い、エクセルで解いた問題を管理し、〇(根拠も含めて正解)、△(正解も根拠あいまい〜なんとなく正解)、×(間違い)で管理し、△以下の問題は3回以上解くようにしました。逆に〇はわかっている内容なので、大体2回以下しか解いておりません。ある程度記憶にも残ってしまうので、間違えたものを集中的に復習しました。
上記のスコア推移を見ていただくと、3月にVが大幅に改善していることがわかりますが、これはマニュアルをほぼ完璧に理解できたことが主因だと思っています。△や×が出るたびにマニュアルに立ち返って復習し、曖昧な点をなくすことで8割程度の正答率まで上げることができました。
③CR
こちらも使った教材はOG2冊・Problem Sets(White Book)・Practice2冊です。こちらはSCと異なり、正解を見つけるタイプの問題ですので、ひとつひとつ選択肢を落とすというよりは、5つの選択肢からぴったりの正解を見つけ出す感覚で解いておりました。わからないものは多少時間を使ってもわからないので、時間を使いすぎないことが肝要かもしれません。
④RC
使った教材はこちらも同じです。もともとTOEFLのRは30点を複数回取っていたので、RCについてはそれほど苦手意識はありませんでした。RCの特徴的な点としては、(1)頻出テーマと(2)選択肢を意図的にわかりにくくしている点かと思います。いずれも慣れが重要かと思いますので、毎日1パッセージはRCを解くように心がけていました。(1)については、各分野の単語も重要ですが、民族・動植物の名前それ自体を覚えることよりも、それぞれのテーマや論理展開に慣れることが重要だと感じました。(2)についても、ぱっと見選びづらい抽象的な選択肢がしばしば正解になるのでGMATの癖に慣れていけば正答率が上がってくると思います。
⑤試験戦略
SC 2:00、CR 2:00、RC 2:00(8分/パッセージ)を目標としました。ここは個人差のあるところだと思います。私はCRが相対的にスムーズに解けていたため、CRを削ってその分SCに時間を使い、悩ましい問題の正答率を上げる方針としました。実際にESRレポートを見ると、SC 1:49、CR 2:06、RC 2:03でしたので、おおむね目標通りだったかと思います。全問解くと間に合わないペースですので、RCについては中山先生が講義内でおっしゃっていたランダムクリックをしております。RCは全問正解でしたので、この手法は引き続き有効なようです(ただしこれから受験される皆様は必ず最新の情報を確認してください)。
【Math】
マスアカを1周し、問題形式を理解した後、ManhattanのAdvanced Quantに取り組みました。Advancedに取り組んだ意味がどこまであったかはわかりませんが、あまり(日本人には)馴染みのない解法も解説されているので、問題に対するアプローチの幅は広がったかと思います。
Prepが毎回51点だったので、本番も51点を期待しましたが50点でした。ESRを見る限り1ミスのようなので、やや不運だったかもしれません。
【IR】
AGOSのパッケージを契約していたので、講座受講は可能でしたが、結局受講しないまま終わりました。重要性が低いこと、Prepが毎回8点(正解数は9/12〜12/12)だったことから特段対策はしておりません。本番も1ミスでした。スコアが気になるようであれば、講座を受講して、最低限対策すれば十分かと思います。
【AWA】
AGOSの講座を4月に受講しました。この講座で解き方と型を理解すれば、4.0以上は難しくないと思います。皆さんのいう通り、CRが一定程度の水準に到達していれば、Argumentの問題点を見つけるのは容易だと思いますので、後回しにするのが賢明です。
【試験当日】
とにかく体調管理を優先して、多少勉強時間を削ってでもほぼ完璧なコンディションで会場入りすることを優先しました。前日は午後休をとり、9時間睡眠を確保したうえで臨みました。Prepでの経験上、集中力・体力次第で10秒/問以上差がでるように感じていたので、この戦略は正解だったと思います。
試験順はQ→V→IR/AWAとしました。Qが苦手でない限りはやはりこの順序が一番実力を発揮しやすいのではないかと思います。
Qについてはマスアカ、OG、Prepよりやや難しいと感じました。感覚的にはPrepからすべての問題が5レベルずつ程度上がっているような感じでした。幸い時間はぴったり終わりましたが、Prepでぎりぎりの方はもう少しペースアップが必要です。
Vについてはずっと辛い時間帯が続きました。1問目のSCから迷ってしまい、2:30かけるところからスタートしました。その後もずっと自信のない問題が続いていましたが、なんとか粘っていたところ、3rdクオーターあたりでBoldface問題がでてようやくある程度の正答率を取れていることが確信でき、一安心しました。
何がいいたいかと言いますと、体感とスコアは必ずしも一致しないので、最後まであきらめずに解き続けることこそスコアアップの一番の近道です。
【最後に】
まだ受験プロセス自体は半分も来ておりませんが、いったんGMATのスコアメイクに目途がついたのは、中山先生のご指導のおかげに他なりません。あえて成功の要因を挙げるとすれば、①中山先生のご指導に従って学習をつづけたことと、②運がよかったことの2点に尽きるかと思います。
今後もエッセイ等の準備を進め、良い結果をご報告したいと思います。本当にありがとうございました。
アゴス・ジャパンGMAT講師の中山です。
2021年10月20日以降、GMAT Online の「通算2回」という回数制限は廃止され、会場試験と完全に合算されることになりました。
すなわち、受験回数については自宅受験か会場試験かの区別がなくなり、GMATの合計受験回数が「12か月間に5回以内、一生に8回まで」になります。
https://www.mba.com/-/media/files/mba2/gmat-online/gmat_or_gmat_online.pdf
今回のルール変更により、会場試験と自宅受験との差異はほとんどなくなります。
10/20 以降、会場試験と GMAT Online との相違点は下記の通りです。
GMAT Test Prep Summit からの報告、2回目の記事として「GMAT 受験科目の順序による平均スコアの違い」について紹介したいと思います。
GMATでは受験前に科目の順序を以下の3通りから選択することができます。
1997年以来、20年間ずっと「順序1」の選択肢のみだったのですが、2017年からは上記の3通りから受験順序を選択できるようになりました。
科目の選択ができるようになったことで頭に浮かぶ疑問は、「どの順序で受験するのが有利なのだろうか?」あるいは「選択する順序によって不公平は生じないのか?」ということだと思います。
2017年に科目順序選択可になった時点では、「事前モニター試験の結果によると、科目順序の違いにより受験者のスコアに有意な差異は見られなかった」との理由で、順序選択が採用されました。
以来4年が経過して、実際の試験での受験者スコアと受験科目の順序との関係を調査したところ、以下のような統計が得られたとのことです。
(グラフは、GMAC公表の一次資料に基づいて新たに作成したものです)
AIQV: AWA→IR→Quantitative→Verbal(順序1)
VQIA: Verbal→Quantitative→IR→AWA(順序2)
QVIA: Quantitative→Verbal→IR→AWA(順序3)
「順序1」で受験した人と「順序2」「順序3」との平均スコアには、20点以上の差が出ています。
しかし、この結果を見て「順序1で受験するのは明らかに不利だ!」と短絡的に結論を導けるわけではありません。
おそらく、本格的な試験戦略を学習したことがないGMAT初級者が「順序1」を選択する傾向があるため、必然的に平均スコアも下がっているのではないでしょうか。
つまり、「順序1を選択→スコア低下」という因果関係ではなく、「試験戦略の知識が少ない受験者→順序1を選択→実力通りのスコアになる」という因果関係による影響が大きいものと思われます。
「順序3」のケースでは、下記のブログ記事などを読んでこの順序が人気だということを知っている上級者の方が選択することが多いので、必然的に平均スコアも高くなるという結果になるものと思われます。
ちなみに、2017年から2021年までの日本人受験者の科目順序の選択比率は下記の通りだそうです。
AIQV: AWA→IR→Quantitative→Verbal(順序1)
VQIA: Verbal→Quantitative→IR→AWA(順序2)
QVIA: Quantitative→Verbal→IR→AWA(順序3)
おそらく、受講生の方だけの選択順序の比率では「順序1:順序2:順序3=6:3:1」くらいになるのではないかと推測していましたが、全受験者のデータでは、やはり予想通り「順序1」の割合が高くなっています。
アゴスと G-Prep の授業では、GMAT / EA に関する最新の情報や出題傾向を踏まえて、最先端の試験戦略を紹介しています。
本日(2021年9月29日)、リモート開催された GMAT Test Prep Summit – East Asia に参加しました。
GMAT Online試験の最新(裏)情報、受験者のトレンド、CAT 開発責任者による質疑応答も含めた採点アルゴリズム解説など、いろいろ貴重な情報を得ることができましたので、データや情報に関する私自身の見解とともにブログ記事にしていきたいと思います。
今回は第1回目のレポート記事として、「GMAT Online vs 会場試験のスコアの差」について紹介します。
Test Prep Summit では、CAT開発責任者がいくつか試験や受験者に関するトレンドを紹介する中で、GMAT Online(自宅受験)と会場試験とのスコアの違いに関する統計を示してくれました。
結論から書きますと、現時点では日本人のGMAT平均スコアが会場試験の方が自宅受験よりも20点程度平均スコアが高いというデータになっています。
(グラフは、GMAC公表の一次資料に基づいて新たに作成したものです)
トータルスコアが会場試験の方が高くなっている原因は、Math スコアの差によるものです。Verbalでは両試験にほとんど差がありません。
2020年6月以前は、GMAT Onlineでは物理ホワイトボードが許されず、画面上のホワイトボードを使う必要がありましたが、上記のデータは2020年8月から2021年7月までの統計です。
担当者は、自宅受験と会場とでは同じ問題、同じアルゴリズムを使用しているため、問題の難易度は同等という点を何度も強調していました。(この点に関しては、さらに踏み込んだ裏情報とそれに関する私自身の考察について、後日また別の記事にしたいと思います)
現時点では、自宅受験の方が Math スコアが低くなる大きな原因として、下記が挙げられるかもしれません。
以上は、受講生の方々から頂いた体験談に基づくものですが、もし他に、Online受験で困ったことやトラブル等に関する情報がありましたら、ぜひお知らせください。
アゴスと G-Prep の授業では、GMAT / EA に関する最新の情報や出題傾向を踏まえて、最先端の試験戦略を紹介しています。
Executive Assessment Online(自宅受験)でも、GMAT Online 同様に、物理ホワイトボードを使うことができます。
https://www.gmac.com/executive-assessment/about/frequently-asked-questions/ea-online-faq
上のページの “What are the requirements for the physical whiteboard?” の項目の条件に合うものを100円ショップなどで購入して使うことができます。
ホワイトボード用のマーカーは、ペン先が太いと計算結果などが見にくくなりますので、できるだけ先が細いものを選ぶと良いと思います。
今年、CEIBS (China Europe International Business School)に合格された方から受験体験記を頂きましたので、ご紹介します。
(公開のご承諾をいただいています)
【進学先】
CEIBS (China Europe International Business School)
【スコア推移】
1回目(2020/2/9) 540(V 18/Q 48/IR 3/AWA N/A) スコアキャンセル
2回目(2020/8/5) 560(V 17/Q 50/IR 6/AWA N/A) スコアキャンセル
3回目(2020/9/14) 580(V 19/Q 50/IR 1/AWA N/A) スコアキャンセル
4回目(2020/11/30) 710(V 34/Q 51/IR 5/AWA 4.0) 出願スコア
【スケジュール】
2020年2月 | GMAT初受験 540点(V 18/Q 48)
当時TOEFLを独学してたのみで、完全なる試し受験。 |
2020年5月 | GMAT学習開始(TOEFL目標未達も、時間切れでGMATに切り替え)
AGOS GMAT(R) 対策総合パッケージ (V)受講開始 |
2020年6月 | Prep初トライ 620点(V 25/Q 50)
Verbalは速読力が圧倒的に足りていないと感じ、Economistの多読を始める。 |
2020年7月 | Prepのスコアは650点付近で推移。
SCは反復。CR,RCはAGOS教材とOGを一通り演習。 |
2020年8月 | GMAT2回目 560点(V 17/Q 50)
完全敗北。試験終了後に表示された点数を見てしばらく動けなくなる。 第1ラウンド出願が厳しくなり、焦りだす。 中山先生に相談し、GMAT特有の選択肢吟味を意識したCR,RC強化に取り組み始める。 教材としてManhattanにも手を付け始める。 |
2020年9月 | GMAT3回目 580点(V 19/Q 50)
ほとんど点数が伸びず、第1ラウンドでの出願を諦める。 |
2020年10月 | 藁にも縋る想いで中山先生の個別レッスンを受講。
意外にも私には読解力があると肯定され、少し自信を取り戻す。 読めないとの思い込みから、普段から理解度優先で時間をかけて問題を解くクセがついてしまっていたことに気づき、厳しく時間制限を設けて解く練習を始める。 |
2020年11月 | GMAT4回目 710点(V 34/Q 51)
Prepでは700超えをコンスタントに出せるようになっていたが、これまでの受験でPrepの点数は全くあてにならないと感じていたので、試験終了後に点数を見たときは何度も目を疑い、8月のときとは違う意味で動けなくなった。 |
【予備校】
・AGOS GMAT(R) 対策総合パッケージ (V)
ビデオ教材で、何度でも視聴可能なのが良かったです。期間も延長してもらえるので、受験終了まで中山先生の声を聴かない日はないくらい繰り返し学習に活用していました。
・G-Prep 中山先生の個別レッスン(2回受講)
オンラインでのマンツーマンによる指導。SC,CR,RCの実力の見極めと個人に合わせた学習の方向性を示してもらえます。点数が伸び悩んでいる方は是非一度受講してみることをお勧めします。
・DMM英会話
オフィシャルにはGMAT対策コースは無いのですが、先生によっては対応してくれます。私は毎朝のルーティーンとしてGMAT問題(CR,RC)を先生と解いていました。
【教材】
-Verbal
・OG
過去問なので演習問題としてはベストです。ただ解説がわかりづらい部分があるので、中山先生の解説と組み合わせると学習効果が高まると思います。
・AGOS教材
上述の通り。
・Manhattan/Manhattan Prep
ネットでの評価が高かったため活用してみましたが、私にはそこまで合いませんでした。Manhattan PrepはPC上で演習出来る数少ない良質な教材で重宝しました。ただこれは個人的見解ですが、OGとはロジックパターンがやや異なる感じがしたので、これをメインに学習するのはあまり得策ではない気がします。
・iKnow(GMAT単語対応)
単語はこれだけで十分です。詳細は後述します。
・GMAT重要単熟語
iKnowに単熟語を追加するために活用しました。
・Economist
良質な英語を多読する目的で活用しました。記事毎に時間を計測し、wpmを把握するようにしていました。読解力向上に一定の効果はあったと思います。
-Quantitative
・OG
一通り学習して、誤答した問題と解答時間が2分を超えた問題に絞って復習しました。
・Manhattan Prep
難易度が高く、非常に良い演習教材です。
・iKnow(GMAT単語対応)
GMAT Quantitativeの単語も網羅されています。
【勉強時間】
受験勉強開始時の英語力によると思いますが、私の場合は7年程前に受けたTOEIC で750点を取ってからまともに勉強していない状態から始めたので、非常に厳しい状況でした。短期間で一気にレベルを上げる必要があったため、英語の学習に毎週約50時間(平日5時間、休日12時間)を確保しました。睡眠時間も削りましたが、コロナ禍でリモートワーク中心になり、往復2時間の通勤時間が減った影響は大きかったと思います。ただ仕事もしながら、このペースで勉強すると息切れも起こすので、ときどき休憩がてら英語の映画やドラマを見たりしていました。
【単語力】
単語力が無ければ話にならないと思ったので、受験勉強開始と同時に単語力強化は始めました。今の世の中様々なツールがありますが、私はiKnowを使っていました。機械が忘却曲線を考慮して自動的(強制的)に復習をさせてくれるという秀逸なアプリです。(単語を覚えるペースが速すぎると、復習量が多くなりすぎて忙殺されるので注意が必要です。)AGOSと共同作成のTOEFL,GMATのコースがデフォルトで用意されており、その中に「GMAT重要単熟語」の多くの単熟語が収録されています。私はそれらのコースを学習後、追加で「GMAT重要単熟語」からデフォルトで入っていない単熟語も手動で追加して学習しましたが、基本的にはデフォルトのみでも十分戦えると思います。
【Verbal SC】
全選択肢のエラーパターンを説明出来るようになることを目標に演習しました。OG、AGOS教材を4-5周したあたりで、頻出エラーパターンに関しては、中山先生の解法をそのまま言えるくらいになりました。また試験対策の後半(10月以降)では1問1分20秒という制限時間内に解くリズムを体に刻み付けました。これを数百問も繰り返すと、制限時間内に解けないリズムになったときに気持ち悪くなります。本番ではそれを合図にその問題に見切りをつけるようにしました。なお、GMAT文法は一般的には問題無い文法がエラーになる極めて特殊な文法で、GMAT以外では役に立たないと言われていますが、これまで英文法を疎かにしてきた私にとっては、非常にロジカルで逆にとても良い学習機会になりました。
【Verbal CR】
当初CRは同じ問題を解いても意味が無いと考えて初見の問題ばかり解いており、演習量がSCに比べて圧倒的に少ない状況でした。さらに2周目を解くつもりがなかったため、時間をかけてでもしっかり理解してから解こうとしており、1問に5分以上かけることもありました。しかし、10月に受けた中山先生の個別レッスンで読解力を肯定されたことで、まず自分の理解度に疑いを持つことを止めることにしました。そして、SC同様CRも1問2分という制限時間内に解く訓練をしました。時間を制限すると全く理解出来ない問題も出てくるのですが、意外と解ける問題も多いことに気づき、自信に繋がりました。さらに同じ問題についても繰り返し解くことにしました。やり始めて気づきましたが、これがCRの読解力向上に寄与したと考えています。たしかにCRは一度解くと正解を覚えてしまう側面はありますが、2回目以降は制限時間内に問題文、選択肢をきちんと理解し、正解以外の選択肢がなぜ正解にならないのかを考えることで、1回目よりも問題のロジックへの理解が数段深まります。(結局SCと一緒なんです!)この訓練を2ヵ月続けた結果、11月に受けたPrepではCRの正答率が最も安定して高くなっており、最後に受けた本番でもその効果を実感しました。
【Verbal RC】
RCの難しいところは選択肢だと思います。理解度が少しでも低いと正解を選べないように作られています。理解度を高めるために、Manhattanを参考にBig pictureをメモ書きするようなことも試しましたが、一定の効果はあるものの、その代償として時間がかかり過ぎました。10月の中山先生の個別レッスン後からは、自分の読解力を信じて頭の中で整理しながら読み切ることを意識しました。ここで意外にも上述のCRの訓練が効きました。時間制限の訓練のおかげで、返り読みのクセが減り、さらにやや難解な文章の読解力が上がってきていました。理解度が高まったところで、最初に述べた選択肢についても取り組みました。選択肢はSCやCRと異なり、どういうものが正解/不正解かは今でも明確に答えられる自信がありません。私の場合は、多くのGMAT問題の選択肢の吟味を繰り返すことで徐々に会得した感じです。問題文に出てくる単語や表現を直接使用している選択肢に惑わされず、本質的な意味をきちんと捉え、問題文には直接書かれてはいないが間違ってはいないというような選択肢が正解になりやすいと思います。最後に、問題文のテーマによって難易度が大きく変化するということもあります。私の場合は、アメリカ史などが大の苦手でした。これは当日の運にもよるのですが、もしも苦手なテーマの問題が出て、少し読んでやはり難しそうならスッパリ諦めて、他の問題に時間をかけると決めていました。(RC1問目なら頑張って解くしかないですが。)
【Quantitative】
OG、Manhattan Prepを一通り解きました。特にManhattan PrepはQuantitativeのレベルが高く、良い練習になりました。また、誤答した問題と解答に2分以上要した問題については、どうやれば2分以内に解けるのかを研究し、2分以内に解けるようになるまで繰り返し復習しました。後半はOGの難問に絞ってルーティーンとして毎日10-20問ずつ解きました。
【4回目受験の振り返り】
突然ですが、体調管理は大切です。実は当日の体調は最悪でした。前日の夜に辛い料理を食べてしまい、夜全く寝付けず、2時間ほどの浅い睡眠だけで朝を迎えてしまったのです。しかもお腹の調子まで悪いという始末。試験は午後だったため、朝になってからも少しでも眠ろうとしましたが、ダメでした。10時くらいには開き直って、逆にギンギンに目を覚ます方向に切り替えました。試験直前、試験の休憩中にはレッドブルとブラックチョコレートを注入して、次の試験に臨むという格好です。幸い試験終了まで眠くなるようなことはありませんでしたが、あれで4回目も点数が出ていなければ目も当てられない状況でした。食事も含めて、体調管理には是非気を付けましょう。
肝心の試験戦略ですが、下記2点です。(Verbalのみ)
・RC2,4問目は捨て、それ以外は全部解く。(結局最後のCR2問、SC1問はランダムクリックしました。)
・訓練で刻み込んだリズムで解けないときは最も確からしい選択肢を選んでさっさと次へ行く。
振り返って言えることは、「正答率よりもEasyからMediumレベルの問題を確実に取ることの方が重要」だということです。下の8月(V最低点)と11月(V最高点)のESRを用いて解説します。
正答率を比較するとFIRSTクォーターにおいて11月の方が8月より1問正解が多くなっています。しかし、真に大事なポイントは下の折れ線グラフ(AVERAGE DIFFICULTY)のINCORRECT(紫線)です。8月は最初から紫線がMediumを下回っており、簡単な問題を落としていることがわかります。そのため、8月はFIRSTクォーターでいきなり問題レベルが低くなってしまって、最後まで低空飛行のままです。一方で、11月は紫線が非常に高いところから始まっており、SECOND,THIRDクォーターでも比較的高めを維持しています。終盤でランダムクリックが増えた影響でLASTクォーターの正答率が極めて低くなり、紫線も下がっていますが、逆に言えばそれでも30点を超えることは出来るということです。この比較から、どんな難易度の問題を間違えるかがとても重要だということがよくわかります。また11月の項目別正答率の横棒グラフを見ても、Verbal Strategyで目標とされるような正答率には届いていないことがわかります。従って、「正答率よりもEasyからMediumレベルの問題を確実に取ることの方が重要」だということです。
では、どうすればEasyからMediumレベルの問題を確実に取ることが出来るのかについては、様々なアプローチがあると思いますが、私の場合は、10月以降に取り組んだ時間制限付きで問題を繰り返し解く訓練が効いたと考えています。時間感覚が養われるという点は述べましたが、実は同時に難易度感覚も養っていたのだと思います。結局リズムに乗って解けない問題は難しいのです。自然とEasyからMediumレベルの問題はきちんと解いて、Hardな問題には時間をかけ過ぎないということが身についていたのだと思います。「練習は本番のように、本番は練習のように」と言いますが、正にその通りだと思います。
8月 11月
【最後に】
コロナ禍で残念ながら実際にお会い出来る機会はありませんでしたが、中山先生には何度も救われました。8月に受けた2回目のGMATの結果に打ちひしがれていたときに、真夜中にフィードバックのメールを送ってくださり、気持ちを切り替えるきっかけになりました。あのときは本当にその年一番の落ち込みで、すっと手を差し伸べてもらった感じがして感動しました。10月に初めてレッスンを受けたときにも、その直前に受けたGMATで全くスコアが改善しておらず、完全に自信を無くしていたのですが、中山先生に実力を肯定していただき、自分のやっていることが無駄にはなっていないと前向きになれました。あのレッスンがきっかけで毎日の自分の勉強を信じてやり抜くことが出来たと思っています。改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
最後に、受験生の皆さんにおかれましては、コロナ禍で先の見えない、ストレスの高い環境下で日々奮闘されていることと思います。何卒お身体には気を付けて、目標に向かって頑張ってください!