◇ 2013年9月:グリネルカレッジの新学期~学ぶ姿勢を学ぶ~
はじめまして、遅ればせながらこちらでブログを書くことになりました大村崇寛(おおむらたかひろ)です。今年三月に海城高校を卒業し、八月から米アイオワ州Grinnell Collegeに進学しました。このブログでは、僕がグリネルで生活していて思ったこと・感じたことなどを「軽く」、拙い文章ではありますが、紹介していきますのでよろしくお願いします。
・・・さて、自己紹介は短めにし、早速、留学一ヶ月目について書いていこうと思います。
僕は今学期4つ授業を取っています:Intro to Political Science (政治学入門), Beginning Chinese 1 (中国語入門), Applied Statistics (統計学入門), Virtue in Animal and Machine (動物と機械における美徳)※
※これはTutorialと呼ばれる授業で、一年生の必修科目です。少人数制で、基本的な読み・書き・スピーチを訓練することが目的の授業です。
さて、今回は政治学について少し触れようと思います。この授業では、政治の基礎的な概念について勉強します(power, ideology, state, regime, etc.)。約25人クラスで、授業前に課せられる読み物をベースにディスカッションが行われる授業です。
・・・難しい。まず僕は政治が苦手なのに何を血迷ったのか、政治学を選択してしまいました(正直に言うと響きがカッコ良かったからです)。さらに、抽象的な内容の読み物をなんとか読み、理解したと思い込んで授業に臨み、実際はちんぷんかんぷん。
ですが、同じ授業の友達と授業前日に読み物の内容を確認し、また難しい文章をだらだら読まず、重要そうなところに重点を置いて効率良く読むような工夫をしているうちに、前よりは着実に内容の理解度が上がっているように感じられ、手応えをつかめそうな予感がしています。
また、教授のオフィスに顔を出し、ディスカッションに参加できないからどうしたらいいか、と助けを求めたところ、「たまに君に発言権を与えるからそのとき発言してもしなくてもいいけど、そこからきっかけをつかもう」と親切に対応してくれました。
はじめの頃は、会話の中で自分の言いたいことが言えなかったり、授業で何が起きているかいまいち理解できなかったりする度に、自分はなんて英語ができないのだろう、と落ち込んでいました。政治学でシリアの話題が挙がった日、シリア情勢についてほとんど無知の自分は、あとからNew York Timesの記事を漁り、今最もホットな話題について知らない自分を恥じました。
ですが今では、自分は学ぶために来たのだから、ないものをどうこう言うのではなく、これから色々と積み上げていけばいいのではないか、と思えるようになりました(アメリカ人のプラス志向が移ったのか)。
ここで大事なのは、留学すれば世界に目を向けるようになったり、英語ができるようになったりする、ということではありません(日本には僕より英語ができる同年代の人もたくさんいますし、世界情勢を当たり前に把握している人もたくさんいます)。アメリカに来て、少しは良い方向に「変わった」と思えることです。
これは人それぞれなのでなんとも言えませんが、少なくとも僕は、日本に留まっていれば堕落した生活を送っていただろうと思います。留学一ヶ月目で、リベラルアーツカレッジではcritical thinking skillが身に付いて、英語能力が上がって・・・などと(偉そうに)言うことはできませんが、四年間を見据えると、間違いなく正しい選択をしたとは言えます。
というわけで、今回は政治学の授業の話からかなり個人的な話に行ってしまいました。これからもここでは、好き放題書かせていただきますので、ご了承ください(笑)。
ではまた来月!
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