浦ひかるのDePauw University留学レポート

◇ 2015年9月　今学期の授業紹介！
こんにちは！9月号です( ^ω^ )
とはいっても既に10月に入ってしまい笑、インディアナは一気に寒くなってきました。もう最低気温は10度を割っているのに、まだ半袖半ズボンのアメリカ人もいるので驚きます笑。さて、授業が始まって2ヶ月がたったということで、今月号は履修している授業を中心にレポートします！




◯DePauwの履修システム
アメリカの大学にはセメスター制（2学期制）とトライメスター制(3学期制）がありますが、DePauwはセメスター制を採用しています。そのため春学期と秋学期がそれぞれ4ヶ月程度で、多くの学生は1学期に4〜5つ授業を履修します。日本の大学とは異なり、1つの授業が週2回〜4回程度あるので、合計週11コマくらいといったところでしょうか。
こうした春学期・秋学期にある授業のほとんどは1単位（体育系が0.5、音楽系が0.25など例外はあります）で、4年間で31単位以上履修すれば卒業することができます。また、リベラルアーツカレッジの多くの大学がそうであるように、Arts and Humanities（人文科学）、Social Science（社会科学）、Science and Math（数理科学）の3分野それぞれにおいて2単位以上取得することが卒業要件となっています。
また、DePauwの特色として、1月にはWinter Term、5月にはMay Termという期間があり、学生はDePauwに残って1ヶ月のIntensiveなクラスを履修したり、Off-Campus Study（海外に行く人も多数）をしたり、実家に帰ったりと、フレキシブルな選択をすることができます。

◯今学期の科目紹介！
（1）FYS: Reading and Writing the Holocaust（ホロコースト）

これは1年生必修の”First Year Seminar”と呼ばれる授業です。First Year Seminarとは、大学におけるReadingやWritingの基礎スキルを学ぶための授業で、少人数（1クラス13人程度）のコースが全部で約40種類あり、学生の希望によって配属クラスが決まります。例えば、”The seriousness of comedy”や”Coffee; Islam, Democracy, Globalization”など、ユニークなテーマの授業もラインナップされています。
私のクラスは、ホロコーストについて加害者・被害者・第三者など、様々な視点から検証するというものです。歴史に関する授業は、どれもReadingの量が尋常でないこともあってなかなかハードですが、同時に今学期の授業の中で1番面白い授業でもあります。私はもともと高校のときから歴史の勉強が好きだったのですが、1つの歴史的事象について、タイプの異なる複数の文献をリーディングし、テーマごとに与えられる課題を通して自ら考え、4カ月かけて全体像をつかんでいく、という学びのスタイルがすごく新鮮で楽しいのです。
例えば、課題のひとつに”Creative Letter”というものがありました。自分が「水晶の夜」というホロコーストが始まるきっかけとなった事件の直前に生きるユダヤ人であると仮定して、親戚に手紙を書いてみるというわけです。私は、40歳のユダヤ人の女性が、先にスイスへ移住していた叔父宛てに書いた手紙、という想定で書きました。課題には、彼女の困難やわずかに残る希望、ドイツ社会に持っている展望などを織り交ぜて書くという条件があり、授業で習った内容や史実を自分の想定の中に具体的に盛り込んでいく、という今までに経験したことのない思考プロセスが求められました。
他にもResearch PaperやAnalysis Paperなど、様々な種類の課題があり、成績の評価は、授業の貢献度(30%) ,Paper4つ(合計60%) ,期末テスト（10%)で決まります。

（2）PSY101: Introductory Psychology（心理学入門）

Psychologyは専攻の候補の1つでもあるので、最初の学期から取ることにしました。日本では「文系」という大きな括りの中にいれられることの多い心理学ですが、驚いたことにDePauwではScience and Math（数理科学）として分類されています。アメリカの高校では心理学という科目が普通にあるので、予備知識がある学生もいるようなのですが、このイントロの授業では心理学のSubfield（細かな分野）の大まかな知識をひと通り学習することが目的です。それぞれの分野で掘り下げる内容は決して深いものではないのだと思いますが、Social PsychologyやBiological Psychologyなど、幅広い分野を学習するので、大まかに全体像を俯瞰して、その中で特に自分の興味のある分野がどの辺りにあるのかを考えることができます。
この授業は8回の小テスト(30%), Paper(20%), 中間テスト(20%),期末テスト(30%)で成績が決まるので、毎週テスト対策に追われています。膨大な知識を具体例とともに理解しなければいけないのは大変ではあるのですが、教授がわかりやすいPower Pointを作ってくださったり、実演or実験も多い授業なので、わりとついていきやすい授業です。（中間テストはだいぶ大変だったけど。）

（3）SPAN131: Elementary Spanish（スペイン語入門）

私は東京外語大で既に3ヶ月ほどスペイン語を勉強していたのですが、シラバスに『入門コースは高校で2年以上習っていない学生向け』と書いてあったので、入門から取ることにしました。授業を2ヶ月ほど受けて、日本人がアメリカでスペイン語の授業を受けるということはすごく効率のよいことだと気がつきました。その理由は以下の通りです。

�@発音 〜日本語とスペイン語の共通性〜
スペイン語を勉強されている方であればご存知だと思うのですが、スペイン語はローマ字通りに読めば良いため、日本人にとっては発音が容易な言語だと言えます。（Ex. Gato→ガト）アメリカ人や中国人のクラスメートなどは大抵この発音に非常に苦労する（日本のローマ字のような読み方をする習慣がない）ため、日本語が母国語であることは少なくとも発音上はアドバンテージです。発音に苦労しないということは外国語を勉強する際のストレスを大きく減らすことができます。

�A単語と文構造　---英語とスペイン語の共通性---
下の例を見ていただければわかるように、英語とスペイン語は単語や文構造に共通点が多いです。特に単語に関しては日本語→スペイン語よりも英語→スペイン語の辞書の方が圧倒的に便利です。
Ex.
日本語：太郎は今学期、言語を勉強しています
英語　：Taro is studying languages this semester.
スペ語：Taro estudia lenguas este semeste.

つまり、発音においてはローマ字が、語彙や文法においては既習の英語が、スペイン語のアプローチを助けてくれています。

�Bアメリカ社会におけるスペイン語の浸透度
さらに、アメリカにはスペイン語を母語とする人が約5000万人以上もいるので（これはスペインの人口より多いです）、空港の看板や街の標識などにもスペイン語が併記されていたりします。また、スペイン語が第1言語ではなくても話せる人が多くいるため、スペイン語に非常に身近な環境で学ぶことが可能です。

�Cアメリカの言語教育
アメリカで言語教育を受けて感じるのは、外国語の習得は、勉強というより、ある意味肉体的なトレーニングと同じように捉えられていることです。とにかく、一定期間のうちに生活上使えるツールとして確実にモノにする、という強い意志が感じられます。数年で確実に外国語を「アウトプット」するスキルを身につけている彼らの姿を見ていると、日本の語学教育がそこに見習うべきことは多いのではないかと思います。（私の英語のスピーキング能力は未だにスズメの涙…）

（4）AFST101:Introduction to Africana Studies（アフリカ学入門）

このクラスは、African Americanがアメリカ社会に果たしてきた役割を、経済的、政治的、文化的側面から歴史を遡って学ぶ授業です。実はこの授業、私にとって最も悩みのタネとなっています。テーマは確かに興味深いのですが、教授の発音に独特の訛りがあり、私にとってはかなり聴き取り辛いので、話の核心が掴みにくいです。ディスカッションベースの授業のため、板書もあまりないのですが、わずかにある板書さえ失礼ながら読むのに適さない文字であるため笑、ノートテイクも難しいのです。さらに、授業の中で教科書を使わないため復習も難しい、という3重苦を抱えています。テーマにはとても興味がありますが、今の自分の力量では扱いがとても難しい授業でもあります。




↑寮の前でバブルサッカー。週末には様々なイベントやコンサートが企画されています。ほとんど行けてないのですが…

◯アメリカ生活、2ヶ月目。
授業が始まって約1ヶ月。振り返ってみれば、平日祝日に関わらず、アメリカ人がパーリナイしている時も、毎日深夜までSchool of Musicの建物にこもって勉強していました。アメリカの不健康な食生活によって太ったお腹をなんとかするために運動する時間さえなかったほどです（笑えない）。そんな感じでずっと勉強に追われていたのですが、僅かにでも「やっていける」と思えた自分がいることも事実です。たしかに、1日50ページ以上もあるReadingを読みきれなかったり、クラスメートの発言が聞き取れなかったり、言いたいことを発言できないことは多々あります。ですが、勉強量を圧倒的に増やした上で、自分ができる限りのことをやっていけば案外認めてもらえるものですし、大量のレポートに関してはオフィスアワーやWriting Centerという機関のサポートをフル活用すれば何とかなります（と信じたい）。

大学院進学や就職の際にGPAが重視されるアメリカにおいては、ほとんどの学生はより高いGPAを取ろうと必死で勉強します。その中で、課せられたAssignment全てでよい成績を残さなければいけないのは大きな重圧でもありますが、同時に充実している証。タイムマネジメント能力を身につけて勉強以外の活動もできるようになるまで、まだまだ辛抱です！


↑Moon Festival（歌って踊るのが中心ですが、一応お月見です笑。）

では9月号はこのへんで。10月号はできる限り早く更新できるように頑張ります…。
長々と読んでいただき、ありがとうございました！

◇ 2015年8月　Get out of your Comfort Zone!　〜アメリカへ〜
こんにちは！8月号です！もう1度言っておきます。8月号です笑。
8/2に18年間過ごした日本をついに出国し、インディアナにやってまいりました！

中高6年間ずっと高層ビルが立ち並ぶ池袋に通学していた身からすると、Middle of nowhereと呼ばれるGreencastleの田舎っぷりには驚かざるを得ません笑。ですが、約1万人の住民の多くが大学関係者であるこの小さな街はすごく落ち着いていて、治安のよい場所です！
では、留学生活最初の1ヶ月目を振り返ります！

1.Summer English Immersion Institute 〜超過密スケジュール〜
他の大学にはあまり見られないことですが、DePauwでは通常のオリエンテーションが始まる前に、留学生の希望者向けにEnglish Immersion Instituteという2週間のサマープログラムが用意されています。私はてっきり、このプログラムは留学生を手取り足取りガイドしてくださる親切なリハビリテーションみたいなものだと思い込んで、気軽な気持ちで参加することを決めました。のちに、そんな自分の考えの甘さをつくづく思い知らされることになろうとは考えてもいなかったのです……。
まずは下のスケジュール表をご覧ください。（読めないかもしれませんが）



1日目。日本から約24時間の移動時間を経て、夜の8時ごろにやっとDePauwにつきました。そんな私を待っていたのは、「明日は朝7時に食堂集合！」という、時差ボケを全く考慮に入れない無慈悲宣告。これが2週間ずっと続く過密スケジュールの幕開けでした。始まるや否や、たたみかけるように用意されている授業、課題、アクティビティー……私は、朝から晩まで過活動なこの国の特性を思い知らされました。

◯マイノリティーとして　
このプログラムに参加した留学生が、中国人25人、ベトナム人2人、ミャンマー人1人、日本人1人という国籍の内訳だったことにも意表を突かれました。（※留学生全体だと60人のうち中国30人、ベトナム5人、パキスタン3人、日本人3人、その他いろいろです）8割強が中国人というプログラムの間、私はあふれるほどに中国語で繰り広げられる雑談のシャワーを浴びることになりました。「ひかるがいるんだからここでは中国語は止めようよ。英語で話そう！」という温かい呼びかけもありましたが、圧倒的なマジョリティーの勢いは止まりませんでした。
彼らに悪気はないことは百も承知です。ですが、マイノリティーの立場に思いを巡らす、ということはかなり意識的なセルフコントロールが必要であり、それが無意識にできるようになるなら、それは人としてかなり高度な達成ではないかと思います。悪意のない中国語のシャワーをひたすら孤独のうちに聴き続けた辛さが、マイノリティーに思いを巡らすことの難しさと大切さを教えてくれました。

孤独な環境の中で深夜に寝て早朝に起きて課題をこなし、自分のReadingやSpeakingの出来なさに打ちひしがれて、様々なアクティビティーに忙殺されたこの2週間は、私にとって最初の試練となりました。10月になってしまった今でも笑、この2週間が最もキツかった気がしています。



2.International Student Orientation
English Instituteが終わると、新たに30人ほどの留学生が加わり、相変わらず休日も与えられないままに留学生のオリエンテーションに移ります。このオリエンテーションでは、ビザや保険についての事務的な説明の他に、留学生同士が仲良くなるためのアクティビティーが（これまた過剰に）用意されています。

◯International Studentsへの強力なサポート
DePauwに来てから約2ヶ月が経つ今、DePauwの1番の魅力と感じるのは留学生への手厚いサポートと、それを支える温かいコミュニティーの存在です。
・上級生からのサポート
DePauwでは、�@English Institute TA、�AInternational Student Ambassador、�BGlobal Partner、�CMentorという立場の異なる複数の上級生が細かい心配りで留学生支えてくれます。私を担当してくださっている先輩たちは例外なく親切で優しくて素晴らしい方たちばかり。キャンパスに着いた瞬間から、こうした上級生からのサポートを受けられるということは幸せなことだと思います。

・ホストファミリー
大学がGreencastle内にホストファミリーを手配してくれるというサービスです。もちろん学生はキャンパス内の寮に住むのですが、その他の場面で困ったことがあった際には助けてくれるというわけです。よい関係を築くことができれば、寮が閉まっている時に泊めてもらえたり、空港の送り迎えなどをしてくれたりするそうです。猫がいる家、子供がいる家…など、こちらの希望を聞いてもらうことも可能です。私は猫付きを希望しました。その猫がいるホストファミリーのご家庭に招かれた夜は、ご家族の温かい人柄と手作りの美味しいお料理に涙が出そうになりました。何しろ、しばらく美味しいものを食べていなかったので笑。

これ以外にも多くのサポートや留学生のコミュニティーがあり、自分からヘルプを求めることさえできばあらゆる場面であらゆる人が助けてくれるような制度が整っています。International Student Officeの方も素晴らしい方々ばかりなので、留学生を取り巻く環境には満足度100%です。

3. Freshman Orientation
International Studentのオリエンテーションが終わったら、今度はFreshman（1年生）全体のオリエンテーションがあります。次から次へとなんとも忙しかったです笑。8/22に新入生が寮に引っ越してくるMove-In Dayというものがあり、それまでは閑散としていたキャンパスが一気に賑やかになりました。


↑入学式。バグパイプの演奏の中、在校生に盛大に大げさに祝福されながらキャンパスを歩いて一周し、セレモニーが始まります。

4.授業開始　〜いよいよ〜
8/26からついに正式な授業が始まりました。というか、もうだいぶ始まっています笑。
自分の壊滅的な英語力、ディスカッションベースの授業、大量のリーディング…。不安についてなら5時間ぐらいは語れます。百科事典のように分厚い教科書を何冊も目の前にして、すでに震えが止まりません笑。
ですが、履修希望がほとんど通ったこともあり、ワクワクしている自分も確かに存在しているのです。クラスの中に日本人として存在する意義、自分が何を吸収するべきかを常に考えながら取り組みたいと思います。授業科目や内容については9月号で更新する予定です！


↑DePauwには猫が多いので、猫好きとしては本当に嬉しい限りです。

こうして振り返ってみると、降りかかってくるもの全てが刺激的でもあり、タフでもあり、おもしろくもあり…間違いなくこれまでの人生で最も感情が忙しかった1ヶ月でした。そんな濃い1ヶ月を無理やり一言に集約するなら、「マイノリティーである自分と向き合った1ヶ月」と言えると思います。特に最初の2週間は精神的にキツかったのですが、下旬になって少しずつ身の回りの変化を受け止められるようになってきました。大事なことは、自分を閉ざそうとせずに、焦らずに、Get Out of your Comfort Zoneしていくことです。
読んでくださった方々、ありがとうございました！
それではまた！

◇ 2015年7月　自己紹介とDePauw Universityについて
はじめまして！
今月からこちらで留学レポートを書かせて頂くことになりました、浦ひかると申します！ 今年の3月に6年間通った東京の豊島岡女子学園を卒業し、8月からアメリカ・インディアナ州にあるDePauw Universityに進学が決定しました。日本から10000km以上も離れた、周りにトウモロコシ畑しかないようなド田舎にあるこの大学で、私が何を感じ、何を考え、何をしているのかを発信していきたいと思います！

１.自己紹介

まずは初回ということで、簡単に自己紹介を。
私は広島県で生まれて、人生のほとんどを埼玉で過ごしました。中１の時に初めてアルファベットを習って、bookをdook、dogをbogって書いたりして散々な点数を取っていたほどには「純ジャパ」です。

そんな私が海外進学を決めたのは高２の夏。周りの友人がどんどん塾に通いだして、大学受験モードが漂い始めた頃でした。当時の私には、塾や予備校に通って、ただ点数のみを要求してくる大学受験を通過し、バイトやサークルに時間を費やし、大学3年生くらいになったら一気に黒いスーツを着て就活を始めることが、すでに敷かれたレールに従って歩んでいくだけのように思えていました。今考えてみれば、どの環境においても自分の努力次第で意味のある道を作ることは可能ですし、それぞれのプロセスにもかけがえのない学びや出会いがあることが想像できるのですが。

ともかく16歳の私は、ルーティーンのような毎日や既にイメージがついてしまう大学生活を送りたくなくて、その後の自分の人生観を変えてしまうくらいの想像もつかない4年間を過ごしたいという気持ちから、海外進学を模索し始めたのだと思います。純ジャパの私が、この突飛な模索を始めて合格にいたるまでの道のりについては、すでにAGOSで合格体験記を書かせていただいたので、興味がある方はご覧ください。/reason/success_voice/2015_ug_h_u.html）

専攻はまだ決めていませんが、心理学か社会学か経済学にするつもりです。自分が4年間海外生活をするということが未だに信じられない気持ちですが、楽しい出来事も、苦しい経験も全部含めて、自分の人生の軸を作る時間を過ごしていきたいと思います！

２.DePauw University

それでは、私が進学するDePauwを紹介します！
DePauw Universityは、インディアナ州Greencastleに位置する小規模のリベラルアーツカレッジです。1837年創立なので、今年は179年目になります。学生数は2200人程度、教授と学生数の比は1:10で、他のリベラルアーツカレッジ同様、研究よりも幅広い分野の教育に力を注いでいます。とはいっても、研究活動もとても充実していて、Honor Scholar ProgramやFellows Program（MediaやManagement, Environment, Science Researchにフォーカスしたプログラム）などに入ることができれば、教授と共同で研究をすることも可能です！

他のリベラルアーツカレッジと比べた特徴としては、�@School of Music（音楽学校）が併設されていること、�Aグリークライフ（Sorority/Fraternity）の加入率が高い（約70%）ことなどが挙げられます。特にグリークライフは大きな特徴だと思うので、どこかのタイミングでそれについての記事を書くつもりです。

そしてここからは個人的なお話。
進学を決めてから常に聞かれるのは、なぜDePauwを選んだのか？ということです。私がDePauwを最終的な進学先として選んだのは、何を隠そう、経済的な事情です笑。正直なところ、リベラルアーツカレッジの平均的な学費＋寮費＋生活費は600万円?800万円/年なので、経済的な事情で進学先を絞らなければいけないのは当然のことだと思います。私は出願した11校中7校から奨学金付きで合格を頂くことができたのですが、DePauwからは特に多額の奨学金を頂くことができました。よって、キャンパスビジットもしないままに進学先を決めてしまいました笑。
ですが、もちろん経済的事情だけで決めたわけではありません。そもそも私がDePauwに出願したことには様々な理由がありました。その一部はこのような感じ。
・International Studentの割合の高さ（約11%）
・Admissionにメールを送ったらすぐ返信が来ること（個人的にはこのスピードは大事だと思っています）
・教授と生徒数の比率が低いこと（約1：10）
・留学の相談に乗っていただいていた先輩がいる、かつそのお話がすごく魅力的だったこと
・写真でみるキャンパスが素敵だったこと
などなど。あとはもう自分はこの大学に合っているんだろうという直観です。


↑School of Music。定期的にコンサートが開催されていて、学生は無料で鑑賞することができます！


３.ギャップターム 〜出会いと別れ〜

◯東京外国語大学での日々
私は十分な奨学金がなければ仮に合格できても海外進学が不可能だったこともあり、米国の大学と日本の大学（東京外国語大学スペイン語科）を併願しました。少しでも日本の大学を経験することも自分の財産になると思っていたので、米国大学の合否に関わらず外語大には進学しようと思っていました。スペイン語科を選んだのは、母語話者が4億人以上と多く、米国内でも重要性の高い言語だからです。それを学ぶことで、コミュニケーション可能な人数が一気に跳ね上がることは大きな魅力だと思いました。

・外語大の教育 〜外語大は「外語」大である〜
＜授業数と開講科目＞
外語大では専攻として27言語、教養として約50言語くらい学ぶことができます。（古ジャワ語とかコリマ・ユカギール語とかいうミステリーチックな授業も開講されていました。）他大と比較しても言語科目に関しては極めて充実しているので、言語そのものに興味がある人にとっては魅力の多い大学であることには間違いありません。ですが、１・２年生の間は全授業の半分程度が語学です。また、数学や理科系の授業は僅かにしか開講されていないので、外語大で学べる分野はすごく限定されてしまうと感じました。（2年次以降は東京農工大、東工大、一橋大学etc.と単位互換制度があるので、履修が不可能なわけではありません。）

＜学生数とクラス人数＞
外語大の学生数は1学年600人程度。大学院も付属していますが人数は多くないので、小規模の大学と言えます。ギャップタームの間に何度か潜入した早稲田大学と比較すると、少人数の大学だからこそある落ち着きや学生同士の距離の近さ、コミュニティーの暖かさがあると感じました。また、専攻言語の会話クラスの人数は10人?17人程度なので、効率のよい環境の下で勉強することが可能です。
ですが、社会系の授業（特に基礎のつく必修科目）はホール・または大講堂で行われることが多く、時には椅子が足りずに立ったまま講義を聴いている学生もいるほどに大人数の授業でした。ホールで教授がマイクを持ってひたすら教科書に書かれている知識を喋っているのでは、学生は受動的にならざるを得ないのではないかというのが個人的な感想です。これは外語大に限らず、国内の他大に関しても当てはまることだと思います。

たった4ヶ月しか通っていない私が感じたことではありますが、外語大は想像以上に語学のみに力を入れている印象を受けました。少なくとも1、２年生の間は専攻言語の習得がメインとされているので、語学よりも国際関係学、社会学のほうを中心に学びたかった私としては、少なからず期待とのズレも感じました。
とはいえ、渡米前に日本の大学教育を実際に経験できたことで海外大学と比較する軸を得られたと思いますし、外語大に行かなければ知り合えなかった人と出会うこともできたので、ギャップタームの間に外語大に行くという選択をしたことは良かったと思っています。スペイン語も4ヶ月で基礎は習得することができました！

↑外語大のキャンパス。田舎にあるので、広々としていて居心地がいいです！

◯渡米準備
・ビザ取得
これが本当に大変でした。2015年の夏は、アメリカ大使館のサーバートラブルによって、ビザの面接予約がなかなか取れず、予定通りに出国できるか最後までわからなかったのです。実際に航空券をキャンセルしたという人も聞きました。受験においても言えることですが、なんでも早く済ますことに越したことはないですね。…って何回自分に言い聞かせればいいのでしょうか笑。

・大学の手続き（Health Record送付, 学費の支払い、First Year Seminar登録など）
Ex. 寮のリクエスト
ほとんどのリベラルアーツカレッジでは学生の95%以上が寮に入ります。DePauwでは、�@Room Type（Single, Double, Triple）、�AFloor Type（Single, Co-ed）、�BBuilding Type（大きさなど）や、ルームメイトの希望（部屋は散らかしたままでもいいよ、とか、朝はゆっくり起きるタイプだよ、など）など、様々な面で部屋の希望を出すことができます。
私は3人部屋になりました。基本的には1人でいることが好きなのですが、あまりにも低いSpeaking能力を上げるためにも、アメリカ人に1番近い距離で関わるためにも、１年目に２人のルームメイトと過ごせることはいい経験になると思っています。

◯留学仲間との出会い
ギャップターム中には、Class of 2019（2019年に海外大学卒業予定）の留学仲間と出会う機会がたくさんありました。留学するとだけあって、さすがに海外進学勢には個性的な面々が多いです。例えば、お弁当箱をスリッパ代わりに履いてみたら脱げなくなって泣きながら階段を降りたSさん、Campus Visitの際に電車を乗り間違えて第１志望群の大学に行けなかったMくん、ギャップタームに突然エチオピアに飛んでいったSくん…笑。そしてそんな彼らは個性的であると同時に、とても高いスペックの持ち主でもあり、刺激を与えてくる存在でもあります。出会って4ヶ月ほどしか経っていませんが、今では１日中チャットの通知が止まず、スマホの充電が減らされるぐらいの関係にはなりました笑。きっと、これから留学先で苦しいことがあった時には、彼らにどっぷりと寄りかかることになるのだと思います。渡米前に留学する仲間との関係を広げ、深められたことはギャップタームの一番の財産と言えるかもしれません。
私はこのギャップタームを通じて、自分から積極的にコミュニティーを広げていくことの大切さに今更ながら気づきました。そして高校時代に海外受験をする仲間を作ろうとしなかったことを後悔しました。海外進学を目指している中学生・高校生の方は、積極的にサマーキャンプなどに参加して様々な考えを持つ仲間を増やしていくことをお勧めします！


↑Class of 2019の親睦会。何人か方角が違いますね。楽しかった…！

では今月号はこのへんで！（7月号なのに9月になって書いていることは気にしない笑）
8月号ではDePauwでのサマープログラムやオリエンテーションについて更新します！