MBA留学「社費派遣」は有利って本当? ~2016年度合格者分析より~
こんにちは留学アドバイザーの銭場です。MBA留学を目指す方や興味を持たれた皆さんの中には「社費派遣生が有利」という話を聞いたことがあるかもしれません。実際に当校Webサイトに掲載している「主要校出願結果参考データ 無料のオンライン登録が必要です)」に掲載されている出願データも派遣生のデータのほうが数多く存在します。では、本当に派遣生が有利なのでしょうか?今回は私が昨年担当させていただいたセミナー「2016年トップMBA合格者分析から見える合格までの道のり」から第1弾として派遣生・私費留学生の実情についてご紹介します。
■2016年度出願者 私費/社費の割合
下記の図をご覧ください。2016年度のアゴスの受講生の報告によると2016年度にMBAに出願した方の比率は、「私費が1に対して、社費が2」となりました。
近年の傾向として、2013年度は「私費6:社費4」の割合であったMBA出願者が2014年度には「5:5」に、そして2015年度に初めて社費と私費の割合が逆転し、「私費4:社費6」になりました。そしてとうとう2016年度には、社費の出願者は私費の出願者の2倍になりました。この傾向は大きく分けて2つの理由があります。
1.私費出願者の減少
2.社費留学生の増加
まずは、私費留学生の現象です。日本から欧米を中心とした海外MBAへの出願者は2004年をピークに年々減少しており、その出願者は2004年に比べ、実に1/3程度にまで減少しました。その間にはリーマンショックや、2011年の東日本大震災など私費に関わらず、社費派遣制度にも影響を及ぼした史実もありました。若手労働人口の減少や近年では転職市場の好況もあり、以前よりは緩やかになったものの、依然として私費の留学生は減少傾向になります。
一方で、2012年頃から日本企業の業績回復、加速するグローバル展開の中で「MBAへの派遣」が徐々に再注目され、緩やかではありますが派遣生の人数は増えています。このような背景から「まずは派遣生のほうが出願者が多い」という点を知っておいてください。
■派遣生と私費留学者の出願状況
次に以下の図をご覧ください。私費・社費の方の出願状況となります。
(Aグループは当校が独自に定めたTop10、BはTop20、CはTop30、Tが合計になります)
受講生の報告に基づいた数字になりますので、実際の一人当たりの出願校数はもう少し多いというのが我々の認識ですが、一般的に社費の方は1年限りの勝負のため、出願校が多く、私費の方は自分が「狙った学校のみ」の出願となるため、派遣生のほうが出願校も多く、その結果合格の件数も増えます。このような背景から上述の「出願結果参考データ」などを見ると「派遣生ばかりが合格している」ように見えるのです。
■「社費派遣有利」は本当か?
入学審査官と話をする時に我々もこのような質問をするのですが、確かに「ある条件下の中から選抜された人」という派遣生はある意味「企業のお墨付き」があるので、一定の評価をしているという返答をいただきます。その点においては、確かに派遣生は有利と言えるかもしれません。一方で現在日本から出願する方の2/3は派遣生であり、派遣生だからといって侮っていると大変な苦労をします。チャンスが1度きりしかない派遣生にとって、丁度出願のピークシーズンとなるこの時期は最もプレッシャーのかかる時期です。もしこれから派遣を目指そうと思っていらっしゃる方は選抜されてから行動を起こすのではなく、出願締切から逆算した「合格できる準備スケジュール」を策定しておいてください。アゴスでは皆さんが目指す留学年度や現状の英語力を踏まえ、出願時期から逆算したスケジュールを一緒に策定しています。ぜひ一度 無料の個別相談 を ご利用ください。
これから私費で留学を目指そうと思っている皆さん、出願者数が少なく、各スクールが日本に再注目している今は、チャンスともいえます。上述した通り、日本からの出願がピークだった2004年頃と比較して出願者1/3となりましたが、欧米の主要校に在籍している日本人在校生の数は2/3程度までしか減っていませんし、合格の件数だけで見れば3/4に留まっています。入学審査の基準が下がるわけではありませんが、「合格させたい」と審査官に思わせたら、絶対に合格できるのが今の日本の出願状況です。準備を始めようか迷っている皆さんも、具体的に準備を始めようとお考えの皆さんも、まずは「無料の個別相談」で当校の留学アドバイザーとぜひご相談ください。
2016年度の合格者分析、第2弾では合格者のスコアについて紹介したいと思います。