出願戦略コンサルタントからのアドバイス:MBAインタビューでのよくある間違い

こんにちは。出願戦略コンサルタントの岡田です。

多くの方にとって、その場で判断されてしまうインタビュープロセスに戸惑う人のほうが多いと思います。一方で、具体的な練習方法のイメージがわかずに、間違ったアプローチをしている方に出会うこともしばしばです。今回は、インタビュートレーニングであるよくある間違いの一例をみなさんと共有したいと思います。

過去の受講生の方で、インタビュー後に「相手(面接官)の立場に立って説明することが重要ですね」というコメントをいただいた方がいました。まさに、面接の鉄則を表す言葉です。

出願者の状況によって、適切なインタビュートレーニング方法は異なります。
早めに担当コンサルタントにコミュニケーションを取り、個々の状況にあわせた最適なプランを作ることから始めてください。

インタビュープロセスまで進めてきたからこその、最後のチャレンジです。最後まで走りきる、このプロセスをコンサルタント一同サポートいたします。

■インタビューでよくある間違い(ベーシック編)■

1.完璧な英語でのストーリーのためには、スクリプトの丸暗記が必要

インタビューは、一方的に話すプレゼンテーションではなく、面接官との双方向のコミュニケーションです。面接官が課す質問も人や状況によって変わります。その面接官の「問いに正しく答えること」が、コミュニケーションの基本です。

回答を丸暗記だけを行うことは、いろいろな質問の仕方をする面接官の問いに対して、出願者側が、回答の柔軟性を失ってしまい、問にこたえていないという状況を作るデメリットにつながることがあります。

ご自身の回答のストーリーを作るうえで、話を十分整理をすることはとても重要ですが、
それを丸暗記するだけでは練習としては不十分です。

大切はことは、想定質問に対しての想定回答は作るにしても、質問の変化球に対しても
対応できるまで練習を積むことが重要です。だから、インタビューでは練習が重要なのです。

全ての変化球の回答を事前に用意することはできませんから、ベーシックな質問へのアプローチが
できるようになったら、実践練習を積み柔軟に対応できるような対策をとる方が効率的です。

また、一人で練習しているだけだと、フォローアップの質問(質問の回答に対しての質問)に
対応しづらくなります。面接相手を用意することも重要です。受験仲間、協力してくれる卒業生、アドミッションコンサルタント、みなさんのサポーターを用意しましょう。

2.インタビューは、どれだけ正しいコンテンツを提供できるかが重要だ。(英語の正しさも含めて)

Yes/Noです。なぜなら、面接官の印象は、どれだけ詳細な情報を提供できたかという点だけでなく
出願者のnon verbal communicationから受ける印象に大きく影響されるからです。
non verbal communicationとは、話す際の、表情、トーン、間合い、などを含みます。

インタビューの目的は、面接官に、出願者の学校への志望度の高さ、ビジネスマンとしての自信、
コミュニケーション力の高さ、学校への貢献を印象高く伝えることです。

意味を間違って捉えられる表現/情報提供は避けるべきですが、こういった質問を受ける場合の
大半は、伝え方を意識していないことからくる場合も多いようです。

「どうコンテンツを提供するか?」伝え方に十分にこだわってください。
ここまで意識するためには、練習が必要です。

・ご自身の回答内容を録音して聞き直してみてください。
・他者からのフィードバックコメントを大切にしてください。
・鏡を見ながら話してみてください。(表情の確認)

相手に自信があるように聞こえるか、これを常にチェックすることが必要です。

3.回答時間が長すぎるといわれた。もっとスピードアップして話す練習が必要だ。

インタビューの難しさは、エッセイ以上にご自身の主張をクリアなストーリーを作ることです。
例えば、リーダーシップエピソードに、背景事情が長い説明は、相手に冗長感を与えるだけです。
(面接官は、早く出願者がリーダーとして活躍した点を知りたいため)
さらに、時間内に収めようと、早口でまくしたてるような話し方は、相手に「脅迫的」と
いう悪印象を与えるだけです。それよりも、主張したいメッセージを整理することが何より重要です。

インタビューはコミュニケーションです。一般的に、覚えた回答の丸暗記のみを実践すると、
①早口になる②non verbal communicationが発揮しづらく、機械的な印象を与えることにつながります。

4.回答内容が抽象的で、具体的にするように言われた。しかし、具体的にすると、長くなり
とてもではないが、コンパクトに回答できない

まず、問いの意図に正しくアプローチしているかを再確認ください。
その上で、具体的にしなくてはいけないポイントを再確認しましょう。
会社の業務のテクニカルタームやステークホルダーとの複雑な関係性は、始めてその話を聞く、
面接官には、話の理解の難解さにつながるだけです。

・本当に伝えないと相手に伝わらない状況説明箇所を再度整理しましょう。多くの場合、この再整理により、かなり伝えやすくなります。
・どうしてもそのテクニカルタームを詳細に説明しないとストーリーが成立しないというのであれば、
別のストーリーで同じメッセージを伝えられるネタはないかを探すことです。

例えば、リーダーシップ経験のストーリーといっても、質問に合わせて回答するためには、
複数種類のストーリーを用意することも重要です。
その他:

1.日本在住の卒業生インタビューのほうが、日本のビジネス環境の理解があるので有利に進められる

ケースバイケースです。みなさんの所属企業名についての理解はあるかもしれません。しかし、
面接官が、出願者のバックグラウンドをよく理解できるかどうかはまた別の話です。事前に面接官のバックグラウンドの詳細が出願者に公開されることはまずありません。

面接官の所属産業、業務内容はそれぞれに異なります。卒業生だからわかってくれるだろうという
思い込みは禁物です。自分のことを知ってもらうプロセスがインタビューですから、常に、面接官に自分をわかってもらうための努力が必要です。
2.入学審査官と在校生、卒業生インタビューは、どちらが有利か?

原則、どのような形式のインタビューでも評価は平等です。肝心なことは、どの面接官とインタビューを
行うことがあなたにとって、進めやすいかを判断することです。

卒業生インタビューを選ぶ場合、しばらく卒業生とコミュニケーションをとっていないということでしたら、
彼らに対してアピールできるような質問を準備するためには、卒業生との接点を持つことが欠かせません。再度コミュニケーションをとることを取り、あなたにとって優先度の高い志望理由の根拠の確認、プログラム、学生への貢献ポイントを再整理しましょう。

みなさんが自分の会社に興味を持つ大学生の面接を行うことを考えてみると、わかりやすいことです。
抽象的な学校の良さを述べられるよりも、信頼のおける同級生、後輩とコミュニケーションをとり、その情報を志望理由として活用する学生のメッセージには、より共感を覚えるでしょう。