【コラム】「Admit Rate」と「Yield Rate」(前編)

皆さん、こんにちは。アゴス・ジャパンの佐々木です。

今回は欧米の大学の出願に関わる「Admit Rate」や「Yield Rate」といった数値について、前編・後編に分けてお話してみたいと思います。今回は前編として、「Admit Rate(合格率)」についてです。

例えば、出願者が20,000名で合格者が2,000名だった場合、Admit Rate(合格率)は10%ということになります。当然、有名校(人気校)の場合、このパーセンテージは低くなります。米国を例に見ると、U.S. News & World Reportが発表している「Lowest Acceptance Rate」、つまり合格率の最も低い大学の2015年度ランキング(※1)では、Stanford University(5%)、Columbia University(6%)、Harvard University(6%)と、やはりトップスクールが上位に名を連ねています。100名が出願してたった5名しか合格できないということですから、まさに「狭き門」という表現が適切でしょう。ちなみに、Stanfordで最新(2016年)のApplicant Profile(合格結果データ)(※2)を見ると43,997名の出願者に対して2,114名の合格者ですから、Admit Rateは4.8%。厳しさを増しているようです。

日本では、「競争率」(Competitive Rate)という言葉が一般的かと思います。ちなみに日本で「競争率」といった場合、正確には志願倍率(志望者数÷募集人数)と実質倍率(受験者数÷合格者数)がありますので、実質倍率を使って上記のアメリカの合格率と比較してみたいと思います。日本の場合は「入試」という制度がありますので、出願しても受験しない人がいるため志望者と受験者を区別する必要がありますが、アメリカの場合はそれがないため、一般的に「Applicants(出願者)」というひとくくりになっています。

例えば、東京大学の2016年度の総受験者数は8,737名、総合格者数は3,108名(※3)ということですので実質倍率で言えば2.8倍。合格率としてみると約36%という結果になります。早稲田大学の場合は実質倍率の高い学部で見ると、商学部(一般入試)が総受験者数は12,474名、総合格者数は1,280名(※4)ですので9.7倍、合格率が約10%となります。もちろん、競争率だけで大学の難易度が計れるわけではありません。

日本では「偏差値」という要素もありますので単純な比較はできませんが、米国であっても有名校では相当に能力の高い学生たちが出願してくるわけですから、やはり米国の上位大学でわずか5%というようなAdmit Rateから合格を勝ち取るのは本当に大変なことだと思います。ちなみにStanford学部生の2016年度の合格者の75%は、高校時代の成績(GPA)が4.0以上(※2)。すなわち合格者の4人のうち3人は、日本でいうオール5の成績だったということです・・・。

次回は、「Yield Rate」についてご紹介したいと思いますので、それまでしばしお待ちいただければ幸いです。

(※1)U.S. News & World Report「Lowest Acceptance Rate」より
http://colleges.usnews.rankingsandreviews.com/best-colleges/rankings/lowest-acceptance-rate
(※2)Stanford University Applicant Profileより
http://admission.stanford.edu/basics/selection/profile.html
(※3)東京大学ウエブサイト「入学者数・志願者数」より
http://www.u-tokyo.ac.jp/stu03/e08_01_j.html
(※4)早稲田大学ウエブサイト 2016年度一般・センター利用入試結果【速報版】より
http://www.waseda.jp/inst/admission/assets/uploads/2016/01/kekka_160310.png