第1回キャリアビジョンセミナー

去る2月8日(金)、「国際舞台で活躍する未来とは?」と題したイベントを開催いたしました。当日は、52名の国際舞台で活躍したい学生や社会人が集まり、山本氏の講演でスタートしました。

山本氏は、12歳でアフリカへ行ってから、本当の国際協力とは何なのか、を考え続けているそうです。講演は、2つの国の話を基盤に進められました。1つは「平均寿命34歳の国、シエラレオネ」、もう1つは「アフガニスタン」。


◆シエラレオネ:平均寿命34歳の国
西アフリカに位置し、お米を作っている国。黒人だけでなく17の人種が住み、雨の多い国。基本的には幸せな国。戦争さえなければ・・・
この国の子供は5歳までに3人に1人が栄養失調か肺炎、下痢などで死ぬ。

過去に悲惨な事件が2つあるので紹介。
1) 子供兵事件
子供に麻薬を打ち、正常な思考ができない状態で、戦わせる。子供のうち、半分は女の子。
2) 民間人の四肢切断事件
農民を殺すよりも、体の不自由な人を増やすことにより、周囲は介護に追われ、よりお米を作る人が減るため。

戦争の原因は何なのか・・・
それは、「ダイアモンド」。シエラレオネではダイアモンドが取れるため、内戦が起こり、リベリアとの戦争も起こった。間接的には、日本の女性がダイアモンドを買うことに原因がつながっていく。リベリアは、シエラレオネを攻撃し、ダイヤモンドを奪い、ヨーロッパへ売る。ヨーロッパは、お金をたくさん持っている日本へダイヤモンドを売る。日本の男性は日本の女性にダイヤモンドをプレゼントする。

◆アフガニスタン
医者としてではなく、コーディネーターとして行った。場所はイランとパキスタンに挟まれ、シルクロードの十字路で、昔は「世界の中心」だと言われており、「光の国」とも呼ばれていたのがアフガニスタン。

この国も、ある物質が豊かに取れることが戦争の原因だった。
それは、「天然ガス」。イギリス、ロシア、アメリカが奪い合いの戦争をした。地球温暖化により、水の分布にムラが出来ることから、アフガニスタン内の農耕民族と遊牧民族の間でも内戦が始まり、やがて、山賊になる。

350万人の難民を抱えるアフガニスタンの国際協力を行うため、出産時の妊婦の死亡率や、5歳までの死亡率、平均寿命46歳、自宅出産率92%など、統計調査をした。妊産婦死亡率のデータが世界でも最悪に近い状態だったので、それを改善するための「プロジェクトプロポーザル」を国連や日本政府の外務省に出した。そして予算を獲得し、数字目標を決め、期限を決め、計画を実行していった。

アフガニスタンでは、家の無い人が多いので、シェルター(仮設住宅)を建築した。アフガニスタン政府から紹介してもらった、その国のCounterpart(CP)と一緒に行動する。カウンターパートは、ほとんどの場合、その国の官僚。建設において、一番難しいのは、Logistics(物資の運搬)である。

しかしながら、病院をつくっても無駄だった。アフガニスタンはイスラム教の国で、女性は外出してはいけない。とても不思議なことに思えるが、80%以上の女性はそのことに誇りを持って生きている。それでも、何かしなければならないと思い、自宅で出産しても母親が死なないように、村の産婆さんたちに対して2週間の集中セミナーを開催したり、アフガニスタンでは男性の医者は男性の患者、女医は女性しか診れないので、女医を研修した。

◆国際協力という仕事
国際協力には、「国連系」「政府系」「民間系」の3種類があり、それぞれにメリット、デメリットがある。
国連系:国際法作れるが、拒否権を持つ国の存在。ソマリア、ルワンダの失態。
政府系(JICA):二国間援助ができるが、外交政策の一環でもある。
民間系(NGO):給与低い、権威も低いが、各国の思索に影響されずできる。

国際協力を行うには、上記のどんな組織でも、3つの役割の人たちが必要。 人員の割合としては、
やる人:10%
つなぐ人:90%
考える人:1~3%
つなぐ人が一番重要で、テレビで報道されているのは、ほとんどが「やる人」。この報道の仕方は、間違い。「絵になる」から取り上げられてるだけ。

国際協力において重要なファクターは、「政治」「経済」「教育」「医療」「環境」であると山本氏。

山本氏の推奨する「国際協力師」になるには、下記の3点が必要。
(1)英語
(2)大学院修士
(3)2年間以上の海外勤務経験

(3)2年間以上の海外勤務経験を取得するには、以下の五つの方法がある。
①青年海外協力隊
②国連ボランティア
③在外公館派遣員制度
④外務省の専門調査員
⑤NGOのインターン

学生時代にやるべきことは、下記4種。
①英会話
②Study Tour / Work Camp
③インドのマザーテレサの家、タイのナンプー寺でのボランティア一か月
④第二外国語(英・仏・西・露・中・アラビア)、特にフランス語、なぜなら、これから国際協力のターゲットなるアフリカの貧しい国のほとんどがフランスの植民地だったから。

山本氏のテンポの早い講演に参加者全員がぐっと聞き入り、「国際協力」について考えさせられました。山本氏の明快且つ心のこもった講演に、この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

第2部は、当校コンサルタントである佐取の進行の下、参加者の皆様からのQ&A;を行いました。
「人権問題」「平和構築」「大学院留学進学」「CSR」「Public Health」「JICAの中途採用」「カンボジア」「学校づくりにおける困難」など、様々な活発な質問が飛び交いました。

Q&A;を通して見えたことは、みなさんが国際協力において山本氏を尊敬していること。 参加者は大学生が多かったこともあり、就職か大学院留学かなどキャリア形成に関する迷いや質問が数多くありました。山本氏のお勧めは、「迷っている人は社会人をしてください。できれば、CSRのしっかりした企業に就職し、世間を勉強してください。それから大学院へ行けば、目的意識もはっきりし、より中身のある勉強が出来るでしょう」とのことでした。迷っていない方は、そのまま大学から大学院留学されることも問題ないとおっしゃっていました。

山本氏は、「本当に意味のある国際協力」を皆様に受け継ぎたいという気持ちで回答されていました。結論としては、世界には膨大な様々な問題があり、色々な考え方があるので、バランスのある考え方を持って、あなたの夢を見つけてほしいとおっしゃっていました。

以上、「国際舞台で活躍する未来とは?」のレポートでした。開催にご協力いただいた皆様、ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。


山本 敏晴氏
医師・医学博士・写真家・NPO法人「宇宙船地球号」事務局長。 70カ国以上を訪れ、40カ国以上でプロジェクトを実施。 「本当に意味のある国際協力」を求めて活動中。 最近は後輩の育成のために尽力し、「国際協力師」という新しい職業を提唱。 一方、「持続可能な社会・持続可能な世界」の実現のために、 日本でできる国際協力の形も提案しており、 企業のCSR(企業の社会的責任)や消費者による買い物方法の改善、などの啓発も行う。 NPO法人・宇宙船地球号 http://www.ets-org.jp/ ブログ http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto12