2009年大学院留学を目指す方のための奨学金獲得セミナー

去る5月15日、当校アゴス・ジャパンの特待生として、見事トップスクールに合格されたお二人をお招きし、出願のプロセスと留学体験談を語っていただきました。海外の大学進学を目指したきっかけ、長い出願準備プロセスをどう乗り切ったか、日本の大学との併願プロセスについてなど、体験者だからこそ語れる内容に参加された方は勇気づけられるセミナーとなりました。

まずは、トップスクールの入学審査の実状として、審査プロセス、出願者の傾向についてなどを説明した後に、このイベントの意義について当校会長 横山のコメントから体験談がスタートしました。

天:(天野さん) 佐:(佐久間さん) 横(当校会長:横山)

横:本日のイベントでは、決して東大よりハーバードなどの海外トップスクールが良いという意味ではなく、進路のオプションを日本の大学に限定せずに海外に挑戦する人のきっかけになってほしいこと、「海外大学という進路オプションがあることや、その先にある可能性を知って頂きたい」と思っています。今回のパネリストの意見は、あくまでも一意見として、皆さんなりの判断をしていただければと思います。

下記パネルディスカッションの一部。

Q1. 海外の大学を目指したきっかけ
「海外の大学という選択肢を知って、行動開始」

天:高校2年生の夏休みに、シンガポールで開催された「アジア青少年リーダーズサミット」に応募し、学校代表として参加しました。アジア6カ国の高校生と、2週間、様々な問題について議論をするというものでしたが、そこで出会った各国の学生との議論の魅力、学生の多様性に引かれ、将来の進路の選択枝として、海外の大学を考えるようになりました。そして、その後、「東大よりハーバードに行こう!」という書籍を読み、日本の高校生も海外のトップ大学を目指せる方法があることを知り、いろいろとリサーチをし、興味を持ったのがきっかけです。

佐:私は、高校1年の夏休みにアメリカのサマースクールに行きました。その際、アメリカの本屋で、留学生でもトップスクールに入学する方法というようなものを読んで、興味を持ち始めたのがきっかけです。私の場合は、絶対に海外の大学!というように決めてはいなかったので、調べていく中で、海外の大学進学の可能性があることを知り、興味を持ち、挑戦したくなりました。

Q2. 家族の方は、最初から 海外の大学進学に賛成でしたか?
「自分で調べることから説得開始」

天:最初はあまり賛成ではありませんでした。日本の大学ではなぜいけないのか?ということに最初はあまり上手く説明できなかったので、リサーチをして、データを使って何度も説明するということの繰り返しでした。

佐:私の場合、絶対海外の大学!ということではなかったので、最初に家族と話をするよりは、少しずつ自分で準備を進めてから相談しました。具体的には、少しずつ課外活動の数を増やし、学校の成績を上げるような工夫をしました。その後、まず母に話し、了解を得ました。父には、日本と海外の両方の大学に合格してから、正式に話をしました。最初は、天野さんと同じように、なぜ日本の大学ではいけないのか?という質問をされましたが、海外の大学を卒業後の就職について奨学金をいただいたグルー・バンクロフトの卒業生の方からのヒヤリング、海外の就職事情などをデータから調べた上で、海外で何を学びたいのかなどを話し、了解を得たという形です。

Q3.学校選択基準について
「トップスクールの教育の質の高さに魅かれて・・・」

天:まずは、両親に海外の大学に行くのであれば、トップスクールであるほうが説得しやすいという観点で、IVYリーグといわれる、トップスクールから調べました。調べていくうちに、トップスクールは、どの分野においても教育の質、特に質の高い教授が揃っていることを知り、やはり、トップスクールを受験することにしました。ハーバードに進学を決めたのは、トップスクールであることと同時に、奨学金の機会をいただけたこと。アメリカの教育は、様々な奨学金制度が充実しており、この機会を得られたことはとても幸せだと思っています。

佐:私は、グルー・バンクロフト奨学金をいただきましたので、対象となるリベラルアーツカレッジを中心に探しました。母の友人の勧めやグルー卒業生の方の意見を参考にし、トップスクールを中心にリサーチしました。また、総合大学も受験したかったので、ランキングを中心に総合大学もリサーチしました。 

Q4. 今振り返って、合格の要因は? 
「考えたら、行動する人が合格させたい人」

天:一言でいうと「考えたら、行動する」という姿勢が評価されたのではないかと思います。僕の場合には、プログラミングの本を出版したという経験がありますが、「パソコンが好き→もっと知りたい→これを広めたい→出版社にコンタクト」とアクションを起こしたことなどが評価されたのかと思います。出版以外にも、生徒会の副会長で、生徒会を友人と一緒に立て直したことを経験できたのは、この「考えたら、行動する」ということを実践できた貴重な機会でした。

佐:私の場合、日本の大学に進学したいという想いも同じぐらいありましたので、普段の中で、海外の大学も意識した活動を心がけ、バランスよく勉強と課外活動を行った点が評価の対象になったのではないかと思います。学校の成績を常に落とさないことを心がけていました。課外活動については、特に哲学オリンピックに出場したことは大きな評価につながったのではないかと思います。その他にも、いろいろなコンテスト、高校の課外活動には積極的に参加し、いつでもチャレンジするという精神を持って行動したことがよかったのかと思います。

横:トップスクールの場合、受験者の成績、テストスコアについては、多くの受験生は基準をクリアします。その中から、「合格させたい」層に入ることで、最終的なトップスクールの合格率9%の圏内に入ることができるのです。それは、数字以外の部分においての積極性が「行動面」にどのように表れているかというは大きなポイントです。

Q5. 出願準備について

◇テスト対策について
「傾向と対策を知って目標スコア達成」

天:TOEFL(R)TEST対策を行ったのは、シンガポールから帰国した頃です。アメリカの大学希望をテストスコアからも家族にアピールしたいと思っていましたので。1ヶ月程度学習をし、受験し、目標スコアを達成しました。

TOEFL(R)TESTは順調にスコア達成ができたのですが、SAT(R)に関しては、独学では限界を感じ、テストの攻略のコツを知りたくなり、アゴス・ジャパンのSAT(R)クラスを受講しました。結局、SAT(R)については7ヶ月程度学習期間をかけました。テスト攻略のコツを知ったこと、日々単語を覚える工夫をしたことがスコアアップにつながったと思います。

SAT(R)担当講師からのコメント: 天野君は、授業内&授業後も常に質問をしてくる生徒でした。SAT(R)は傾向と対策を知れば攻略可能な試験です。天野君の積極的な姿勢、努力の姿勢から、当時から彼であればトップスクールに合格できる才能を持っていると感じていました。皆さんも傾向と対策を知り、しっかり取り組んでほしいと思います。

佐:TOEFL(R)TEST対策については、私の場合は、高1のサマースクール出願用にTOEFL(R)TESTのスコアを取得していましたが、出願ではもっと高いスコアが求められることを知り、高3の夏休みにTOEFL iBT(R)対策を行いました。TOEFL iBT(R)は勉強してみると、100点を超えることは難しいこと、スコアアップにはコツがあることも分かりました。特にWriting とSpeakingにはその傾向が高いことを感じましたので、8-9月にアゴス・ジャパンのクラスを受講し、集中的に勉強しました。

SAT(R)については、高3の春から学習を開始しました。6月に一度受験をしてみて、もっとスコアをあげたいと思いましたので、夏休みにアゴス・ジャパンのSAT(R)のクラスを活用し、集中的に学習しました。私の場合は、同時に、日本の大学受験の勉強もしていましたので、とにかく、忙しかったというのが印象です。

◇エッセイ対策(出願書類)について
「最もハードな準備項目だけど、最も印象的でした」

エッセイをはじめとした書類作成は、最も日本の大学入試制度と違う点であり、多くの人にとって非常に難しい部分です。2人はどのように取り組んだのでしょうか?

佐:8月から開始し、結局、締切直前の12月30日までずっと行っていました。恐らく10回以上書き直したのではないかと思います。限られた字数とトピックで、他の人にはないユニークな点を書くというのは本当に難しかったです。私の場合は、そんなユニークな点はない!と最初思っていましたから。そして、出来上がっても、“これが伝えたい自分らしさであるかどうか”を考え、何度も書き直すという日々でした。 また、エッセイだけでなく、他の願書や学校独自のエッセイ課題と共通エッセイ課題のどこにどのようなストーリーを入れるのかのバランスにも時間をかけて取り組みました。

天:エッセイが最もハードでした。最も自分らしく、ユニークな点を魅せることは難しかったです。同じ経験をしたストーリーであっても、そこから得られた発見、気付きの提示ができることが必要で、“自分はこの経験から何を得たのか?”を常に頭の中で考える日々でした。これは、日本の受験にはないことですから、新鮮でもあり、大変なプロセスでもありました。

担当コンサルタントからのコメント: エッセイ作成の際の2つのポイント
・自分のことを客観的に書く:これはとても難しいことですが、重要なことです。自分を振り返り、客観性を入れて自分のことを伝えることがポイントです。
・具体的に書く:エッセイでは限られた字数で、入学審査官に印象付けることが必要です。抽象的なストーリーでは、自分らしさが伝わりません。具体的に自分の経験を踏まえて書いてください。また、どんなエピソードを選ぶかも、自分らしさを伝える判断の1つとなります。

◇タイムマネージメントについて
「優先順位と最後は気合い!」

天:準備項目は本当にたくさんあります。自分はいくつものことを同時にこなすことは苦手なので、今やらなくてはいけないことの優先順位をつけるようにしました。そして、それらの項目には集中して取り組むということをし、乗り切りました。

佐:私は、日本の大学の勉強も同じウェイトで行っていましたので、とにかく忙しかったです。あまり考えすぎると、分からなくなるので、考えすぎないように、目の前のことに一生懸命に取り組む。「最終的には、やる気で乗り越えた!」という印象です。

◇日本の大学受験準備の平行について
「優先順位をつけて取り組むことが重要」

佐:お話してきたとおり、私は、日米どちらかの大学に進学するということを決めていませんでした。東大にも“ぜひ学んでみたい”という気持ちもあり、アメリカの大学にも同様な気持ちがありましたから。 私の見解としては、 国・数・英については、学校の勉強で十分に日本の大学とアメリカの大学の勉強はできると思います。東大の入試傾向として、“物事を多面的に深く捉える力を試す”傾向があり、結果として私は、日本、アメリカの両方の大学準備を進める中で、この姿勢が鍛えられたと思っています。そういった気概をもって取り組むことの重要性というか・・ 確かに、地理・歴史の時間をどう捻出するかなど大変な部分もありましたが・・・アメリカの大学だけと決めていたら、恐らく特定の科目しか勉強しなかったかもしれません。大変でしたが、自分にとっては、挑戦する価値のあるプロセスだったと思っています。

天:僕の場合は、アメリカの大学の優先が高かったので、まず、第一志望のアメリカの大学の勉強に集中しました。そして高3の11月で、アメリカの大学の準備が少し落ち着いてから京都大学の準備を行いました。今振り返ると、アメリカの大学に向けての準備が、日本の大学受験の基盤となったと思います。大切なのは、準備のプロセスだけみて、どちらかにするということではなく、自分の優先順位の判断に従って、日米両方を目指したいのであればトライすることだと思います。

Q.6 最終的にアメリカの大学進学に決めた理由は?
「私のほしいものを最も叶えてくれる場所を選びました」

佐:日米の両方の大学進学を考えた際に、私が大学で得たいものを考え、最終的にアメリカの大学を卒業したいと考えるようになりました。私の場合は、哲学オリンピックに出場した中で、もっと“読む力、書く力” を向上させたいと気づいたことです。多くの人の論文を読み、そこから新たな自分なりの意見を表現できる力は、将来どの方向に進むにあたっても基盤となる力であり、これがまずほしいと思いました。「これを鍛えるためには、教授と近い距離の環境の中で、私の書いた意見を徹底的に添削してもらえる環境がほしい。」そう思った際に、少人数制教育のリベラルアーツカレッジは私にとって最適な場所であり、アメリカの教育のよさではないかと感じたので、アメリカの大学に進学することに決めました。

Q.7 今後の抱負を聞かせてください。
「大学で学びたいことは?」

天:当初は、経済学とコンピュータサイエンスに興味をもっていましたが、学校のカタログを見ていると、どの授業も非常に面白いと感じています。今は、1つのことに限定せず、興味のあるものを幅広く学んでみたいという気持ちが強いです。恐らく、コンピュータに関わるものに進むのではないかと考えています。授業以外にもビジネス起業のクラブ活動なども面白そうだし、スポーツにも取り組みたいと考えています。

佐:私も、“これ”と限定しないで、幅広く学んでみたいと思います。大学で身につけたい力は、読む、書く力の養成ですから、何を学んでも力となるし、多くの人と触れ合う中で強化していきたいと思います。

Q.8 これから、海外の大学を目指す方へのメッセージ
「自分の意志でプロアクティブに行動」

天:この準備プロセスを振り返ると、実に多くの方に協力してもらったという想いがあります。推薦状を書いていただいた先生、家族・・・人間関係の重要性を改めて感じました。周りの協力なくしては、成功はなかったと思います。 留学したいのであれば、自分の意志で、プロアクティブに進めてほしいと思います。僕も実際に、わからないことなどは、大学に直接電話をして聞いていました。大学はとても親切に応えてくれましたし、“考えたら、動く”という姿勢は本当に重要です。

佐:私は、本当に忙しいプロセスをこなし、決して楽ではありませんでしたが、チャレンジすることが重要だと思います。そして、チャレンジすると決めたら、行動することです。

グルー・バンクロフト基金より「リベラルアーツカレッジの魅力について」

リベラルアーツカレッジは、少人数制教育、人間力形成基盤の教養力養成に重きをおいた教育方針の大学です。教授と学生の距離の近さ、教育熱心な姿勢は、大学卒業後のキャリアにむけても重要となる教養力、そこから得られる自信、行動力養成の貴重な機会となります。当協会では、このリベラルアーツカレッジでの教育機会の普及のため、「グルー・バンクロフト基金」を募集しています。ぜひ、ご応募ください。

最後に、これからトップスクールを目指される高校生や大学生に向けて熱心に体験談を語っていただいたお二人に心から感謝いたします。セミナーに同席したアゴス・ジャパン スタッフ・講師ともこのような素晴らしい受講生に出会い、共に達成感を分かち合える機会を持てたことに感謝と感動です。お二人のこれからのご活躍に心からエールを送りたいと思います。お忙しい中、多数ご参加いただきました方々に心よりお礼申し上げます。


天野 友道 氏
アゴス・ジャパン特待生
合格校:ハーバード大学、イエール大学、プリンストン大学、コロンビア大学、ダートマス大学、マサチューセッツ工科大学、京都大学経済学部
佐久間 真紀 氏
アゴス・ジャパン特待生
グルー・バンクロフト基金奨学金奨学生
合格校:スワースモアカレッジ(リベラルアーツカレッジ)、リードカレッジ(リベラルアーツカレッジ)、東京大学文科三類