2008年MBAトップスクール合格者によるパネルディスカッション

去る5月24日、「グローバルな視点で考えるMBAとキャリア」と題し、世界のトップMBAスクール合格者をお招きし、MBAを目指すまでの経緯やとキャリアの実現先としての学校の地域性、プログラム選択について、テスト対策・出願対策などの出願準備について、出願戦略成功の秘訣等、体験談をパネル形式で語っていただきました。

まずは、トップスクールの入学審査の実状として、審査プロセス、出願者の傾向についてなどを説明した後に、当校コンサルタント佐取の司会進行で体験談がスタートしました。

五:(五味氏) 大(大塚氏)

■MBA留学をめざしたきっかけ

五:私は、化粧品メーカーで一般職でのキャリアをスタートさせました。キャリアを経るたびに、英語ができることと仕事ができることは違うということに気付き、今後自分のキャリアを伸ばしていくためには・・といろいろ考え、MBA興味を持つようになりました。事情があり、化粧品メーカーを退職し、金融に進みましたが、もう一度化粧品業界に戻りたいという気持ちに気付き、この業界でのキャリアアップを考えた際に、MBAの必要性をはっきりと認識し、MBA留学を決意しました。

大:私は現在で職歴10年、うち8年は製造部門で生産管理・人材育成・現場管理を行い、2年前に事業企画部門に移りました。事業企画という今までとは違う部署でそれまで経験してこなかったビジネススキルの足りなさを感じていた矢先に、会社がイギリスの会社を買収し、社の方針がますますグローバルに向かっていくことを強く感じました。私は、留学/駐在経験はまったくなく、海外旅行と1回の出張経験のみという、かなりドメスティックな人間でしたから、必要とされるビジネススキル向上に加え、グローバル化に対応する国際的な視野やネットワークの獲得を考えた際にMBA留学に自然と興味を持ち始めました。社内の留学制度がありましたので、それに応募したところから準備が始まりました。

■MBA準備スケジュールを教えてください。

◇テスト対策について

五:2007年2月にGMAT(R)対策を開始しました。 TOEFL(R)TESTについては、帰国子女ということもあり、自信があったのですが、逆にGMAT(R)ではとても苦しみました。2月から学習を開始したにもかかわらず、7月の初受験でスコアはなんと400点台、その2ヶ月後のスコアは560、3ヶ月後は570という燦燦たる結果でした。さらに、私は、日本人にとっては比較的簡単だといわれる数学にも強い苦手意識もあり・・・思ったように上がらないスコアに落ち込むことも多く、MBA留学を諦めかけた時期もありました。ですが、「審査はホリスチックアプローチである」と言われたことを信じ続けました。結果、12月の試験で640までスコアを上げることができました。

大:私は、先ほどお伝えしたとおり、まったくのドメスティックなバックグラウンドです。準備開始時はTOEIC(R)TEST600点台でした。3月のTOEFL iBT(R)初受験でなんとスコア43。その後、月1回~2回程度の受験を繰り返し、最終的に11月に97のスコアとなりました。TOEFL(R)TESTに対して、GMAT(R)は、3回目の受験で660を取得、私の志望校のmid 80%のスコアレンジに入った時点で、以下のように考えました。 「私のバックグラウンドであれば、定性の部分に強みがあるのではないか→キャリア10年の経験のアピールに注力しよう!」 このように判断してからは、定性的な書類作成およびインタビュー特訓のみにフォーカスするという作戦にしました。

コンサルタントからのコメント: 準備パターンは人それぞれ。これといった正解はありません。大切なことは、自分の強み/弱みを客観的に理解し、自分にあった方法を継続することです。

◇出願書類について

五:お伝えしたとおり、私はGMAT(R)にとても苦しんでいましたので、他の項目で進められる部分は先に進めておこうと考えました。Resumeを9月に作成し、学校選択も明確ではないものの開始、10月からエッセイに取り掛かり始めました。今振り返ると、目の前のことを精一杯こなすという日々の連続でした。エッセイに関しては、最初のコンサルティングでは、字数を気にしすぎたせいか、十分に自分をアピールできていないことを指摘されましたので、まずは、字数を気にせず、自分の納得いくまで語ることを心がけました。1校目を完成させるまでに約1ヶ月かかりましたが、十分に納得いくものができたと思います。

大:今、振り返って印象的なこととしては、留学準備の初期からWhy MBA?を考えるということを繰り返していたことです。MBAでほしいもの、卒業後に成し遂げたいもの、それはなぜか?これは書類作成開始前の「ネタだし」ですが、これにとてもこだわった準備を行いました。もちろん、最終形となるエッセイ作成段階においてもこの姿勢は変わらず行い、エッセイ1本に対して40回ぐらい推敲を重ねました。私の場合は、ネタだしを5月末から開始し、エッセイは11月から作成しました。このネタだしに十分時間をかけられたことは、とてもよかったと思っています。


コンサルタントからのコメント:
キャリアゴールを設定することは簡単ではありません。キャリアゴール設定の際のポイントとしては、時間軸の設定。Short termとLong termの両方を設定し、それぞれの一貫性を持たせること。非常に現実味のあるshort termには、自分の所属する業界と役割を明確にすることがポイントです。Long termについては、インパクトがあり、読み手に共感させること。そして自分なりの考察を踏まえて、なぜこれにこだわるのかを説明することです。

◇学校選択について

大:地域としては、当初からヨーロッパ志向でした。中でもイギリスに行きたい、そして海外経験を十分に積みたいという希望から1年ではなく、2年制のプログラムにこだわりましたので、当初からLBSには強い関心がありました。そして、WEB等で情報収集後、MBA TourでLBSのOBと話す機会を持ちました。そこで、自分にとっての目標が間違っていないことは確信しましたが、同時に他の学校ではKelloggにもとてもよい印象があり、自分の中で絶対の確信を持つまでには至っていませんでした。 その後、LBSからインタビューオファーをもらった際に、インタビュー前の2月にクラスビジットをし、在校生とも話す機会を得ました。その際に受けた印象が、LBS OBと同じであり、学校のカラーとして自分との強いフィット感を感じ、第一志望であることを強く確信しました。その後のインタビューも、絶対ここに入りたいというモチベーションが一気に高まり、自分の言葉でなぜLBSであるかを説明できたことがよい結果につながったと思います。

五:私は、当初はランキングに踊らされてしまったという観があり、本当にたくさんの学校を見ていました。そして、自分の棚卸しとネタだしが進むにつれて、私が本当にやりたいことを考えていったところ、やっと学校選択の軸が見えたという感じです。私のやりたいことは“化粧品業界に戻ってキャリアを積むこと”そう考えた際に見えてきた選択肢は下記でした。

・コスメティックといえばフランス!自分の求めている産業と地域を考えました。
・都市部の学校であること。 最新コスメティックに触れているためには、私はアメリカの自然はフィットしないのではないか?実際にミシガンのOBの方とも話しましたが、学期中のインターンが限られるなどを聞き、自分にとっての優先順位とは違うと感じました。
・自分の性格的にあまりアグレッシブすぎる学校は合わないと感じたこと。HECの複数のOBの方と会う機会がありましたが、どの方にも私は非常に共感し、私もこの学校のOBになりたい!と感じたことが決め手になったと思います。

コンサルタントからのアドバイス; OBとのコンタクトはぜひ積極的に取ってください。どのOBも皆さんと同じプロセスを経て学校に入学しています。皆さんからのコンタクトを非常に好意的に受け取ります。

学校選択においては自分なりのこだわりを持って学校調査を進め、自分の言葉で、Why this school?を伝えることです。

◇エッセイ作成のコツについて

大:ネタに尽きる!といえます。その経験から、何を考えたのか?何を気付いたのか?私は、自分の名前の由来から子供時代に影響をえた出来事まで、大げさに言えば、今までの人生についてその全てを振り返りました。エッセイ作成において苦労したことは、日本語的な表現を英語で英語的な表現で伝えていくことです。また、日本において自分のことを最大限アピールするという文化は薄いので、最初は正直戸惑いましたが、考え方を変えて進めていくうちに、同じストーリーでも表現方法、使用する単語また文章構成をかえると全く伝わり方が異なることを体感しました。

五:私もネタに尽きると思います。私は早い段階から、Why MBA?については何度も考えていましたが、考えた割には、コンサルティングの宿題であるワークシートが埋められないという状況でした。私は一般職が長かったキャリアに対して、私に強みなんかあるのか?というマイナスイメージを持っていたため、これを払拭するのに時間がかかりました。ですが、コンサルタントからのコメントで、「何をしたということではなく、そこから何を学んだかが重要である」というアドバイスを聞き、まず、すべてを洗い出し、すべての経験からの気付き/学びのポイントを見つける努力を行いました。結果、自分についてよく知る機会となったと思います。当時のワークシートはあまりに自分にとっては大切なもので、いまだに持っています。

◇インタビューについて

大:インタビューは自分にとって得意な部分とは言えないことは分かっていました。十分な準備が必要だということを認識し時間をかけて準備を行いました。具体的には、想定質問を50問ぐらい用意し、その回答を自分なりに準備し、どんな質問がきても応用の幅が出せるようにすること。そして、その中でもWhy this School? Why MBA? については、どんな状況下でも伝えられるぐらいに繰り返し練習しました。 また、LBSはプレゼンテーションも必要とされます。これについても想定問答を用意するとともに、回答については旬な時事ネタを用意し、プレゼンできるように特訓しました。インタビューの質問の中には、確かに答えづらいものもありましたが、相手も質問の内容を見ているよりは、どのようにリアクションするかを見ていると思いますので、最終的には学校に入りたいというトーンを伝えるようにしたのがよかったと思っています。

五:HECでは最初からプレゼンテーションがあることは分かっていました。他の準備項目に苦労した経験を踏まえて、英語力に自信のある私にとっては「インタビューこそ自分のアピールポイント」と決め、注力しました。 プレゼンテーションの内容としては、エッセイに書き切れていないことで、自分らしいネタを調べて行いましたが、事前にHECのOBに連絡をし、インタビューにむけての注意事項やアドバイスを聞きながら、自分なりのアプローチを行いました。また、インタビューの中で、同じフランスにあるINSEADに受かったらあなたはどうするか?という質問を受けましたが、事前に何度もOBとコンタクトを取っていたおかげで、HECのよいところ、自分にフィットしているところを自分なりの言葉で説明できたのは、非常に効果的でした。

■今後に向けての抱負とこれから留学を目指す方へのメッセージ 

◇抱負

大:留学に期待していることとしては、今までに得てこなかったInternational Networkです。ビジネス/それ以外の垣根のないInternationalなNetworkがほしいと思います。

五:まず、私のMBAの目的であるビジネスでの視野を広げたいと思います。そして、よい意味で少し余裕を持つこと、ネットワークを広げることを目標としたいと思います。

◇これから留学を目指す方へのメッセージ

大:1年前は、こういったイベントの参加者だった自分が、今こうして皆さんの前にいるのは感慨深いものがあります。皆さんには、必ずできるということを今日のセミナーを通じて感じていただければとてもうれしいです。頑張ってください。

五:苦しい時期が多くありましたが、今振り返ると、チャレンジすることの重要性、周囲へのサポートの感謝を感じるプロセスだったと思います。このプロセスがあったからこそ、合格したときの達成感は何者にも変えられません。頑張ってください。

最後に、これからMBAを目指される方に、具体的に経験を踏まえた体験談を語っていただいた3名に心から感謝いたします。パネルディスカッションを通して見えたことは、一人ひとりのキャリアとMBA留学の決め手はそれぞれであり、それぞれのこだわりの思いを「やりきること」が合格につながる鍵になるということです。これからのご活躍を心からエールを送りたいと思います。 また、お忙しい中、多数ご参加いただきました方々に心よりお礼申し上げます。


大塚 知己 氏
勤務先: JT
業務内容:国内事業戦略
合格校:London Business School、Manchester Business School、Royal Holloway University of London、Purdue University
進学先:London Business School
五味 順子 氏
業界: 化粧品メーカー
職種: 海外営業、国際営業企画
合格校:HEC School of Management
進学先:HEC School of Management