【高校生/大学生対象】留学と国際派就職 ~採用支援担当者が語る留学の意義~

去る、11/8に国際協力に関わりたい、働きたいと考えている方にむけてのイベント「国際協力キャリアフェア」にて、国際舞台で活躍する人財と大学院留学の意義と題し、イベントを実施いたしました。

第一部:国際舞台で活躍する人財とは

私の国際教育の原点は、「同級生のいる国に爆弾を落とさないための人物交流」です。知らないものへの不安、恐怖というものは人間の本能として存在するので、まずは個のレベルで知り合う、触れ合うことから始めることを支援したいと思うようになりました。人物交流によって、争いの無い平和な社会に近づかせたい、と。

そして、私のミッションは、これをより多くの方に体験していただくこと。日本を内からだけではなく、外からも感じてほしい、そして世界の学生と学ぶことで、お互いのことを理解してほしい、こんな想いをこれから海外に出て行きたい皆さんに伝え、応援することです。

セミナーに参加されている皆さんにも、皆さんなりの国際協力に関するこだわりがあるはずです。今日は、国際舞台で求められる人財と大学院留学で求められる人財には共通点があること、そして将来国際協力の道で活躍したいという皆さんに、この重要性を理解してもらうきっかけになればと考えています。

国際舞台で求められる人財とは、民間/国際機関どこでも同じ
考えて→動く→やりきる、これが基本。

まず、多くの国際機関で求められる人財をイメージしてみましょう。多くの国際機関で発表されている人財像、大学院の入学審査で求められる人財像、そして大学院留学を通じて得られるものの一例をまとめてみました。 ここでは、代表例を説明しましょう。









Critical Thinking /Analytical Skills あなたの考えをクリアにすること

噛み砕いて言うと、熱い想いと冷静な考えの両立ということでしょう。Critical Thinkingは、海外の教育制度の特徴の1つとしてよく取り上げられるものです。 What do you think, and why?  この言葉に代表される 他の人ではなくあなたはどう思うか?そしてそれはなぜ?常にこれを求められます。

日本にいると、正しいといわれる意見を、さして疑いなく受け止める傾向がありますが、海外に出ると、その考えが正しいということだけでなく、まず「本当は、私はどのように思うのか?それはどうしてか?」を自分で一度考え、主張するということを何度となく訓練されます。 これは、Judgmentにもつながりますが、あなたはどんな視点で考え、判断するのかということを自分が決めるということであり、自己主張につながっていくのです。

Judgment

自分で考えて判断することです。自分がどうするかを考え、行動に起こす際には必ず使うスキルです。 多くの場合、100%正しい/正しくないと、はっきりと線引きできないことが多いものです。その中で、自分は何を優先させて、時には今はやらないという選択をすることもJudgment。何かを決めて主張する、譲る、やらない、行うはすべて皆さんの判断に委ねられます。優先順位のマネージメントといってもよいでしょう。

Management Skill

「私はやっていることは間違っていないと思うけれど、思ったように人が動いてくれない」こんなことをよく聞きます。つまり、自分が正しいと思うことと、他人にとって正しいと思うことは違うのです。

人がどうやって1つの目標に向かって、周囲の人と集い、語り、悩みながらものごとを進めていくのか?これを国際社会の多様性の環境の中で実践することで大きく成長していきます。留学中は、何度となくこの経験を積むことが可能であり、社会に出る前の大きな経験となるでしょう。 トライ&エラーを繰り返し、考えて、動く、そしてやりきるそれができれば、必ず結果がついてきます。その結果は、時には成功、あるときは失敗となりますが、成功や失敗という結果だけではなく、必ずフィードバックがついてきます。失敗したのであれば理由がある、それを次に活かせばよいのです。この経験を繰り返すことが重要です。

いろいろなことを考えている人は多いと思いますが、実際に動く人は少ないと思います。ぜひ、動くことを重視してください。

思う(考える) →動く(判断して行動する) →やりきる →結果を受け止める →次に活かす 

このサイクルが重要です。

私が教育に携わろうと思ったきっかけは、UCLA時代バスケットボール部のマネージャーになったことでした。 きっかけは、学生新聞でマネージャーの募集を知ったことからでしたが、当初は、有名コーチと一緒にいられるなんて、想像もしておらず受かると思ってもいませんでしたが、チャレンジしたいと思う気持ちで動いたのです。 そうしたら「ありえないこと」がおきました。そして、マネージャー経験を通じて多くのことを学び、スポーツコーチになりたいという思いで、日本に帰国しました。その後、結果的には現在の留学コーチというキャリアを歩むことになりましたが、マネージャー時代に経験した「人をサポートする」という原点は、今の国際舞台で活躍する人を応援するということにつながっています。自ら動くことは、この経験からも大きな影響を与えると言えます。

Leadership 

一言でいうと、あなたがいたから生まれた違いをどのように起こしたかです。 リーダーシップとは、何か大きなグループを引っ張ったというような特別な経験である必要は無く、特に若い世代においては、「自分から進んで動き、他人も巻き込み動かしたこと」を指しています。 日本人はこれに気付くのが下手だと思います。よく私は「自信と謙虚さのバランスが重要」と多くのセミナーで伝えていますが、自信を持つためには、まず「自分の行ってきたことと、それを行うことで周囲にどのような変化が起きたかを整理し、自分で認めること」が重要だと伝えています。 自信を持たないと、正しく謙虚になれません。日本の美徳としてよく謙虚さが挙げられますが、これにはバランスが重要。自分の行ってきたことをまずは認めることから始めてください。

Communication skills

コニュニケーションとは、発信する側が相手に分かるように伝える責任と、相手から発信されたメッセージを受け止める責任があります。

よく、伝えたのに、聞いていないよというような状況に出くわすことがあります。その際に「相手に分かるようにあなたは本当に伝えていただろうか?」を振り返ってみてください。伝わっていなければ、伝えていないのと同じ。それは発信側に責任がある。これは、様々な考え方をもつ多様性の文化の中では必須スキルです。 そして、相手に分かるまで、伝える努力をすること。トライ&エラーを繰り返すことで自分なりの伝え方を身につけていくもの。そして、相手から発信されたメッセージを正しく受け止めることも同様です。これらの両方が伴って、初めてコニュニケーションが成立するのです。これは、当事者意識にもつながります。

Diversity

まさに、人との交わりの中で、自分と他人が違うことを理解することです。留学中の環境は、自分と他者の違いを受けとめ、上記にあるトライ&エラーを繰り返すことで、お互いを理解していくことができるのです。そして、この経験を重ねることで、客観性を磨くことができるようになり、外から見た日本や、自分を見つめなおすことができる機会につながっていきます。

いくつかを紹介しましたが、これらは、国際舞台であろうと、民間/公的機関であろうと、大学院であろうと、社会であろうといつでも求められるスキルです。つまり、大学院を通じてキャリアを構築したいと考えている皆さんにとって、今から重視していただきたい項目なのです。

大学院を卒業して得られるものは学位 一生ものの資格ではない

大学院卒業後に得られるものは学位です。国際舞台で専門的なキャリアを積むための門戸が開かれるきっかけであり、これは皆さんに国際舞台での活躍を保証するものではありません。大切なのは、学び続けること、磨き続けることです。大学院は、そういった学ぶ姿勢を身につけ、卒業後に磨き続ける機会を取得するためのものだと言えるでしょう。

大学院留学適齢期について 

よく、将来大学院に行きたいが、いつ行くのが最適かという質問をうけます。私はよく、このような質問をします。皆さんも考えてみてください。

留学適齢期の考え方①

・あなたは何をしたいですか?今、それを説明できますか?
・では、なぜ、それを今できないと考えているのですか?

これを考えると、今の自分がやりたいこと、そのために自分に足りないもの、そして、タイミングなどを自分の中で理解できるようになります。その選択肢の中に、大学院というオプションが見える方は、ぜひ、挑戦してください。考えて→行動して→やりきることです。

そして、考えていくうちに、大学院で学ぶことが、自分のキャリアセットの1つであり、卒業後にも学び続け、磨き続けていく必要にも気付くはずです。

大学院留学には2つの意味があります。学ぶことと、海外で生活すること。これらの両方について考えてみてください。

留学適齢期の考え方②

やるべき v.s やりたい!

大学院留学をする際に、いつ行くべき、何を学ぶべきと外的環境を気にする方も多いと思います。ですが、自分で本当に狙ったもの、好きなものでないと、この先何十年続けることも難しくなるものです。能力の高い人は多いですが、その人が外的に与えられたやるべきことのみをやり続けていくことは難しいのです。

やりたい!その気持ちは紛れもない皆さんの想いです。それをどのように発展させていくのかを優先して考え、周囲からの意見に左右されすぎないことも重要です。 入学審査官のワークショップで出願者の能力を図るフレーズとして、下記のような行動レベルの話が出てきます。

① want to do(やりたいと思っている) → ② can do (できるだろう) → ③ will do (やるだろう)

国際舞台でのキャリア、大学院でも求められるのは③のwill do までのレベルです。Willには皆さんの意志があるはず。やりたい気持ちを大切に、なぜそれをやりたいのか?それを実現する方法は?と考えてほしいと思います。

今日のセミナーに参加いただいた皆さんは、国際協力のキャリアを目指したいと判断し、ここに来ていると思います。ぜひ、この行動を「次にどのように活かし、will do にどのようにつなげていくか」を考えてほしいと思います。

第二部:大学院合格までのロードマップ

大学院入試で求められるもの 将来の可能性を感じさせること

海外の大学院入試で求められるものは、「将来の成功を、学生として、卒業生として感じさせること」です。 そして何点取ったから合格というような決まったフォーミュラはありません。1人ひとりの特性を重視した入学審査となります。 第一部でお伝えした、多様性、リーダーシップ、専門スキル様々なものを磨く場所が大学院ですから、今までに経験してきたバックグラウンド、それをどのように獲得し、その経験から何を得たかという定量的以外の審査項目も非常に重視されます。

伝えること 伝えきることが重要

第一部のコニュニケーション力でもお伝えしましたが、多くのカルチャー、バックグランドの違う出願者の中で、いかに自分をアピールするかが重要です。そして、多くの日本人は、この伝えきるという部分が苦手です。 今までに自分の行動してきたことを振り返り、どのように伝えていくかを意識してください。

もちろんテストも重要なファクターであることは事実です。重要なのは優先順位をいかに自分でマネージするかです。

成功の秘訣は、考えて→行動して→やりきること 

第一部で、国際舞台で活躍する人財と大学院で求められる人財には相関があるとお伝えしました。合格に向けても全く同じです。現状とのギャップを認識し、考えて→行動して→やりきることです。 明日からどんな行動を起こしていくか、この積み重ねが必ず成功へとつながっていきます。

今日のフェアでは、進学、就職情報など様々な情報提供の機会が用意されています。

・あなたは何をしたいですか?今、それを説明できますか?
・では、なぜ、それを今できないと考えているのですか?

これらを、考え、気になるブースやセミナーに参加し情報収集を行ってください。これが皆さんの第一歩です。 今日イベントに参加した行動をぜひ、次につなげて、皆さんの目標実現につなげていただくことをぜひ心より応援しています。


アゴス・ジャパン代表取締役会長 横山 匡

1958年東京生まれ。14歳から2年間イタリア、16歳から約10年米国で過ごす。UCLA言語学部卒業。UCLA在学中は日本人初のNCAAバスケットボールチームヘッドマネージャーとして活躍するなど、ユニークな経験をもつ。1984年より語学教育・留学指導に携わり、海外における国際教育の学会などにおいても日本の留学事情についてのセミナー講師として招待されるなど、日本における留学進路指導の代表的存在。企業、大学、個々の生徒のニーズや入学審査官の視点を熟知、理解した上での留学指導やソリューション提供には、国際教育関係者からも絶大な信頼を置かれている。