【高校生・大学生対象】スワースモアカレッジ在校生が語る留学の意義と魅力

去る2010年1月8日(金)に、アメリカの名門リベラルアーツカレッジ、スワースモアカレッジに2008年日本の高校から見事合格を果たし、数少ない日本人学部生として活躍されている佐久間真紀さんをお招きし、1年間を振り返って今だからこそ語れる体験談をお話いただきました。
セミナーは、当校の横山のファシリテートで行われました。以下抜粋です。


横山:では自己紹介と、なぜ留学を目指そうと思ったのかを教えてください。

佐久間:こんにちは。佐久間です。日本の大学は入るのは難しいけど入ったらあまり勉強しない。逆にアメリカは入ってからしっかり勉強すると聞いていて、私はそのほうがいいかと思い留学の道を選びました。私は日本の大学受験もして、幸いにも東京大学にも合格することができましたので、日米の大学を比較するのも面白いかと思い、9月に留学するまでは東大に通いました。 実際に比較してみると、スワースモアカレッジは全寮制の大学で、図書館も朝方までやっていて友達ともいつも一緒に勉強もできますし、そのおかげで大変仲良くなることができます。一方、東大は図書館も10時ころ閉まってしまうし、キャンパスも大きすぎて自分にとっては勉強する環境の雰囲気をあまり感じませんでした。私は、自分を律する気持ちがない人が日本の大学に行ってしまうとやはり遊んでしまうことになると思います。でもアメリカの大学は、たとえ勉強する気がなくても、まわりがそれを許さないという雰囲気があり、やらざるを得ない環境だと感じます。

横山:アメリカで何に驚きましたか?

佐久間:スワースモアはクラスの人数が少ないのが驚きでした。5人以下のクラスも多かったですし、2~3人、もしくは学生が一人でも開講されることがあります。それで運営していけるのがすごいなと思いました。

横山:リベラルアーツカレッジについて詳しくお話していただけますか?

佐久間:とにかく「書く力」が非常に大切だと思います。
また、まったく知らないところに置いていかれたときに、そこからどの道をどう進んでいくのかという力をつけるというのがリベラルアーツカレッジの真髄だと思います。何か問題がおきたときに、どういうところに聞けばいいか、どのように解決していけばいいかという問題解決能力が徹底的に求められます。難題を与えられて、それを解決しないと単位がもらえない感じです。

横山:スワースモアの何がトップスクールと評価されているポイントだと感じましたか?

佐久間:とにかく教授がすごく熱心だと思います。未来のリーダーを育てたいという感覚がしっかりしています。また、学生たちがそれに応えて、双方向の信頼関係がしっかり成り立っているところがすごいなと感じています。

横山:勉学のことについてお話いただけますか?

佐久間:スワースモアはとにかく勉強が大変ですので私もそれについていけるよう、一生懸命がんばっています! 人文科学、社会科学、自然科学など幅広い分野の授業をとっていかなければなりません。
私の履修した一年秋には、「ロシアの歴史」という授業をとりましたが、これはもう読む分量が多いのもさることながら、ライティングコースだったので、書く分量も非常に多く、書いても書いても終わらないという感じでした。教授にお願いして締め切りを延ばしてもらったりもしました。でも、「ロシアの歴史」で書く力が伸びたような気がしましたので、一年春にはライティングのクラスを増やしてみました。二年目の秋には、生物学や心理学などのクラスをとりました。理科系統のクラスはメディカルスクールを目指している人とかもいて人数は多めでした。

横山:勉強が大変だと思いますが、ちなみに朝何時に起きていますか?

佐久間:実は、ルームメイトが起きる時間が午前11時頃と遅く、彼女の眠りが浅いので先に起きて音をたてて迷惑はかけたくないと思い、それならばということで朝4時くらいまで勉強して私も遅く起きるようにしています。

横山:出願した当時を振り返ってちょっとお話いただけますか?
佐久間:実はあまり覚えていないんです・・・(笑)。
今だから言えることだと思いますが、とにかく大学名なんて関係ありません!とにかく入ってしまうことだと思います。当時は、いい大学に入らなきゃいけないっていう意識が非常に高かったと思いますが、小さいリベラルアーツカレッジであればサポートもしっかりしていますし、勉強がしっかりできる環境も整っていて、とにかく入ってしまえばどこであっても勉強はできると思います。

横山:留学のための試験対策勉強はどうでしたか?

佐久間:私は、TOEFL(R)TESTはともかく、SAT(R)は単語力がなかったので大変でしたが、今考えればSAT(R)なんて関係なかったと思います。そんなので学生の良し悪しが測れるとは思いません(笑)!

横山:何が評価されて合格できたと思いますか?

佐久間:高校の成績だったのではないかと思います。他に不合格だった学校もあって、なんで落ちたのかなと考えましたが、結局エッセイは多分評価されたポイントではなかった気がします。

横山:留学に関して両親の反対とか資金面の心配とかはありませんでしたか?

佐久間:せっかく受かったんだからと東大に進学するよう言われましたが、両親も色々と調べてスワースモアもいい大学だと理解し、奨学金も得られましたので親も納得してくれました。

横山:アメリカの大学の授業料は決して安くありませんし、奨学金を含め資金面のことは皆さんの大きな関心事だと思います。本日は、グルー・バンクロフト基金の松本さんがいらっしゃっていますので、せっかくですので少しお話いただきたいと思います。

松本:皆さんこんにちは。先日の新聞にも出ていましたが、去年の日本からアメリカの大学院・大学に入学した日本人はついに3万人をわりました。韓国・中国・インドとみんな留学生数が上がっているのに、日本だけ下がっている状況です。でも皆さん、これはチャンスなのです。アメリカの大学は日本人を欲しがっています。まさに佐久間さんも大歓迎されていると思います!

日本では留学に対してネガティブになっていると思います。実際のところ、高校の先生方に留学の話をすると、優秀な高校ほど、うちでは生徒も両親も国内の有名大学進学を志望しているので、誰も留学を望まないと言われます。

佐久間さんの、大学名にこだわらないで、良いリベラルアーツカレッジを選んだほうがいいという意見には大賛成です。付け加えるとすれば、リベラルアーツ教育というのは、人間が生きていくエンジン、つまり勇気やエネルギーを獲得するということです。小さな良いリベラルアーツカレッジを卒業した学生は、みんな一生その大学とつながりがあります。大学もずっと卒業生と関わりを続けようとします。

もう一点重要なことは、良いリベラルアーツカレッジでは、勉強や研究のやり方、プレゼンのやり方などを徹底的に指導してくれます。私は、一年半くらい前の佐久間さんのプレゼンテーションも拝見していますが、本日はすばらしく上達されていたことを確認できました。

すぐれたリベラルアーツカレッジに行くことによって、人のために何ができるのか、何の貢献ができるのかを真剣に考えることができ、それを生き方の中で意識していくことができるようになると思います。

横山:ここからは、会場の皆さんからの質問をお受けしたいと思います。

質問:スワースモアカレッジは、まわりの大学と提携していると聞いていますが、学生はそれを利用していますか?

佐久間:私は利用していませんが、他の学生はスワースモアにない科目や弱い科目などで利用しているようです。ちなみに、ペンシルバニア大学とも提携しています。

質問:東京大学の学生とアメリカの学生の違いは何か感じられましたか?

佐久間:いくつかありますが、向学心はアメリカの学生のほうが高いと思います。また、全寮制というのもあると思いますが、アメリカは優しい人が多い感じがします。落ち込んでいるときなど必ず誰かが励ましてくれますが、日本では、みんな家から通っているせいもあるかもしれませんが、学生同士でそこまでのつながりが感じられたことはありませんでした。あとは、アメリカでは大学院を目指している学生が多いのでとにかくみんな成績を気にしているということでしょうか。日本の大学の学生はそうではなかったと思います。

質問:少人数のクラスとのことでしたが、教授と話す機会は多かったですか?

はいそうです。教授と話ができるオフィスアワーもあり、週に一回は必ず行っていました。私の場合、提出物が締め切りに間に合わないことが多いので、自分は一生懸命やっているのにできないということをいつも必死でアピールしていました。アメリカの大学では、結果もさることながら、努力している姿勢が評価されますので、とにかく一生懸命アピールしました。そうすることで、今度は教授と一緒に食事に行く機会ができたりして、最終的には良いコミュニケーションが図れたと思います。

質問:日本人で良かったと思ったことがありますか?

日本人の方が気遣いができると思います。アメリカ人は人の立場にたって物事を考えるということをあまりせず、自分が良いと思うことを突き詰めていく人々だと思います。私のルームメイトはその典型的な人で、同じ部屋で過ごしていて、疲れることも多かったです。その方が迷いがなくて良いのかもしれませんが、私が日本人でよかったと思うのは、自分が気づかないうちに人に嫌な思いをさせるより、人に気づかれずに自分が嫌な思いをすることを選ぶことができるからです。

質問:まだ中3なのでわかっていないことが多いと思いますが、日本とアメリカでは勉強の内容とかやり方も全然違うでしょうし、そんなフラフラになるまで勉強しなければついていけないものなのですか?

佐久間:確かに日米の勉強の違いはありますが、私は日本の受験勉強というのは実はいいと思います。そしてその後は、高校での勉強をしっかりやっておけばいいです。英語はあくまでも手段なので、日本の高校の勉強とそれを活かす英語がしっかりできていればアメリカの大学で置いてきぼりになることはないと思います。アメリカの大学生の中には、「こんなこと高校でやってこなかったの?」と思いたくなるような学生も結構いたりしますので。(笑)

質問:大学時代に行く留学と社会人になってから行く留学がありますが、大学のうちにいく意義は何でしょうか? 交換留学で行こうとは考えませんでしたか?

佐久間:交換留学も考えはしました・・・。ですがやはり一年生のときが大切だと思い、最初から留学することにしました。そこで友達もできますし、その後もその関係が大切だと思ったからです。交換留学だとやはりそれが難しいのではないかと思いました。 大学のうちに留学する意義ですが、私は最初、人間形成は高校でされるものだと思っていましたが、やはり大学でもまだまだ鍛えられるものだと思います。大学は、学問ではない人間形成の部分を学べる最後のチャンスだと思いますので、それを海外留学で過ごす意義は大きいと思います。

横山:最後に今後のことをお聞かせください。

実際のところ、スワースモアに入った後、何をやりたいのかがわからなくなってしまう人もいます。でも、一度専攻を決めたとしてもそれは変えられるわけですし、今はとにかく自分ができることをひたすら勉強して、これがやりたいとわかったときに阻むものがないようにしておきたいと思います。

皆さんもがんばってください!

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