【MBA特別セミナー】スタンフォード卒業生による体験談 ~スタンフォードMBA卒業生が語る留学の意義と価値~

パネリストプロフィール:

小池 昌洋(こいけ まさひろ)氏

Stanford GSB MBA, Class of 2004
1971年生まれ。幼少の頃を米国サンフランシスコで過ごす。帰国後、福岡県泰星学園高等学校(現:上智大学付属福岡高等学校)を経て慶応義塾大学法学部政治学科へ進学。大学時代は体育会バレーボール部に所属。卒業後東京海上日動火災保険株式会社に入社。1997年に英蘭ロイヤルダッチシェルへ半年間の短期派遣を経験。2002年に企業派遣でStanford GSBへ入学、MBAを取得後、引き続き同社で勤務。現在は航空宇宙関連産業向けの保険商品の開発・企画・販売戦略を統括。
 
ファシリテーター:
アゴス・ジャパン代表取締役 横山 匡

以下イベント抜粋です。

MBAをめざしたきっかけ
勤務先や取引先の企業で、色々なリーダーに出会う中で、組織内での利益を
極大化するためにどうしたらよいかということを考えるようになった。
ただ、仕事も忙しいし、土日は実業団のチームのほうでも活動していたので、
じっくり考える時間がなかった。MBAにいけばそういったリーダーシップについて
向き合うことができると考えてMBAを目指す決心をした。

■MBAに行ってみて
リーダーシップについてじっくり考える時間ができたことは、とても良かった。視野が広がったと思う。
一方でMBAというと魔法の箱のように色々な事が分かるようになるんじゃないか、という期待を何の根拠もなく持っていたが、必ずしもそうではなかった。日本の企業で働いて勉強していても、自然と身についてくることが多々ある。
MBAに行った方がそういう能力を身に着けられる、というのはダウトであると思う。

■英語力・テストについて
小さいころにサンフランシスコにはいたが、TOEFL(R)TESTのスコアは大して高くなかった。
会社では英語を使うが、かなり限定されたボキャブラリーが増えていた。
GMAT(R)は割とスムーズに勉強ができたと思う。

■スタンフォード大学を目指した理由
スタンフォードのMBAは枠にはめない、自由なところがある。
堅実な会社のきちんとした上下関係の中で働いていた自分には良いチャレンジになると思った。

■留学を終えて
日本がどうやって世界と勝負するのか、とさらに意識するようになって、日本のここは勝負できる、ここは遅れているというところを考えるようになった。日本の平均の高さは素晴らしい。しかし、能力が秀でた人をさらにとびぬけた存在にするような環境は整っていない。それは日本の良くない所。
海外では能力の高い人間が飛び抜けて優秀になれる環境が整っている。逆にフォローしたり、平均を上げていくという環境は整っていない。
日本人は平均点の高さが強みである。平均を保ちつつどうやって上にあげていくかというのが課題であると思う。

 

Q&A

Q:スタンフォードに入るために社会人としてどんな経験を積んだらよいですか?
これについての答えは「ない」です。どんな経験であれ、”気づき”が重要です。
一見なにげない経験からも”気づき”ができる人間はいます。どんな”気づき”ができるかが重要です。

Q:リーダーシップとはなんでしょうか?
リーダーシップがどういうものかということについては、今も勉強中です。
一つのキーワードは多様性。組織が大きくなって自分の部下が増えるほど自分で仕事ができなくなります。
組織ではみんなが同じ方向を見つつ、気持ちよく仕事をしてもらうことが大切です。でもそこに向かうプロセスはいくらでもある。組織は生き物なので時々刻々と変わっていく、柔軟性も求められる。組織のメンバーがどういったことを考えて動いているかといったことも把握する必要もある。MBAではその答えの多様さに気づけたということがよかったですね。

Q:2年間の中でスタンフォードでなければ気づけなかったことはありますか?
アメリカ人でMBAに行く人の優秀さは、やはり学校のランクに比例するように思いました。スタンフォードでは優秀な人が多く、良い影響を受けました。

 

■これからのキャリアビジョンも含めて最後に一言お願いします。

これから先を考える上で、自分の中ではリーダーシップという軸はぶれていないと思います。
多くの優秀な人材を輩出できるようなリーダーになりたいと思っています。
それを通じて、今の会社を世界で戦えるような、世界指折りの会社にしていきたい。
ひいてはそれが、日本の競争力を上げるということに貢献していきたい。
これがかっこよくいえば自分のビジョンです(笑)

みなさんには自信を持っていただきたいです。間違いなく日本のハイパフォーマーは世界で戦えるはずです。日本のクォリティの高さになるべく多くの人に気付いてほしい。
これは私の勝手な意見ではありますが、その力を日本という国に還元して、日本を引き続き世界で戦っていける国にしていけるようにしてほしいと思っています。
私も皆さんに負けないように、与えられた立場で頑張っていきたいと思っています。
本日はありがとうございました。