【高校生・大学生】イエール大学 vs ウイリアムズカレッジ アイビーリーグとリベラルアーツカレッジ徹底比較

世界の名門大学、アイビーリーグ校のイエール大学とリベラルアーツトップランキングのウイリアムズカレッジ在校生による体験談です。

パネリストプロフィール:

田口 厚志さん  イエール大学 2年
・ 筑波大学附属駒場高校 2011年卒業


佐久間 美帆さん ウイリアムズカレッジ 2年 
・ 東京大学 2011年 4月~8月
・ 東京学芸大学附属高校 2011年卒業
・ グルー・バンクロフト基金奨学生
 佐久間の留学レポートはこちら /news/report/sakuma/
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ファシリテーター:
横山 匡(アゴス・ジャパン 代表取締役)

<以下敬称略 ■…横山>


■まずは大学のご説明をお願いします。


(田口) こんにちは、まずはイェール大学の基本的な説明からしたいと思います。 イェール大学は創立が1701年と全米で3番目に古い大学です。場所はコネチカット州のニューヘブンでニューヨークから90分程度かかります。
学生数は5279人で1学年あたり1300人ほどになります。留学生の割合は大体全体の10%程度(560人が留学生、うち日本人は9名)です。
イェール大学はリベラルアーツ教育を採用していて、2000を超える授業の中から毎学期4~6の授業を選ぶことになります。75以上の専攻があり、52言語以上学べます。これ以外の言語も提携大学で学ぶことができます。
授業は少人数の授業が多く面倒見が良いです。割合は79%が20人以下、32%が10人以下、100人を超えるような授業は40のみです。

リベラルアーツとは多分野を学ぶものですので、必修科目も幅が広いです。人文科学、社会科学、理科系からそれぞれ2単位、外国語、ライティング、論理的推論からそれぞれ2単位取ることになります。卒業には4年間で36単位必要です。

専攻を決めるのは2年生の春学期です。が、専攻は3年生になっても変えることが可能です。 イェールの図書館には1億2700万冊以上の蔵書があります。他のアイビーリーグから本を取り寄せることも可能です。オンライン資料も充実していて、通常有料のはずの各種論文やオンライン記事を無料で閲覧できます。また、各寮には24時間空いている図書館があります。

(佐久間) はじめまして、現在ウィリアムカレッジの2年生の佐久間です。
私は東京大学で1年すごした後留学をしましたので今回はウィリアムカレッジと東京大学の比較を交えて説明をしたいと思います。
ウィリアムカレッジの授業についてですが、まず予習が必須で自分で考えてどれだけ知識をつけられたかを議論を通じて試すという感じです。
週2~3回程度授業が行われて、勉強をするのは授業外のほうが多いです。
必ず原書を読んでくるように言われます。それについて次回の授業でディスカッションをするという形をとっています。しかも課題は読んでくるだけではダメで、自分なりにどうやって解釈するかというところが重要です。それをしないと、授業のディスカッションに参加すらできないという状況になります。課題は原書以外にも映画を見てくる課題がでたりします。

一般教養(東大)の授業は予習をせずに何も持たず参加して聞く形です。 学ぶものは既にきまっていて1週間ギッチリスケジュールが決まっています。 なので教室に缶詰状態で講義がすべて。成績はほぼテストで成績が決まります。

ウィリアムカレッジの授業はほとんどセミナーです。 教授1人に対して2人~20人といった感じです。 チュートリアルという授業があり、これは先生が1人生徒が2人で行う授業です。先生がまずリーディングを出します。それを生徒の一人が7~8枚程度で解釈を書きます。そしてもう一人がその生徒が書いた解釈に対してレスポンスペーパーを書きます。授業では元のリーディングとその解釈、レスポンスペーパーがそろった状態で行われます。
授業ではそれに基づいて話し合いをします。

課題についてです。 授業は予習がほとんどというお話をしましたが、成績はほとんどペーパーで決まります。 ペーパーにも種類があって、Response paper(2 枚)、Short paper(5~7 枚)Research paper(10~15枚)の3種類があります。
Respons paperはReadingに対しての解釈。Short paperは学期中に2回程度今まで学んだことのまとめを書きます。Research paperは学期中に学んだことに対して何でもよいのでリサーチをしてくるといったものです。

このように結構やることの多いリベラルアーツですが安心してください、ウィリアムカレッジはサポートがとても充実しています。各授業にはかならずTAとTutorがついてますし、なんでも相談に乗ってくれるサポートセンターも充実しています。なかでも数学や化学専門のサポートやライティング専門のサポートセンターもあります。この二つは学生が運営をしているものです。
またOffice Hourというものがあり、1週間~2週間の間で教授が3時間~4時間程オフィスに待機している期間があります。その間は授業や課題の相談をするもよし、人生相談をするもよしで様々な相談に乗ってくれます。

クラブ活動についてお話します。クラブにはVarsity/Junior Varsity、Club、Intramuralといった区分けがあります。
ウィリアムズは芸術のクラブ活動が盛んで、絵画や音楽、ダンスなど様々な活動をしています。

またイベントがとても多いです。朝から夜遅くまで様々なイベントを行っています。
ワークショップなどもやっています。 クラブ活動をやめたり、授業を落とした理由などのディスカッションなどもおこなっています。
Mountain Dayというイベントが毎年ありまして、紅葉がきれいなので山登りをして、みんなでドーナツを食べようという謎な企画があったり、Hate Crimeという、議論のイベントで、毎年悲しいことにキャンパスで人種差別的な問題が起こることがあるんですが、自分のときは寮の壁に「すべての黒人は死ぬべき」といった過激な落書きが描かれました。
メールで注意を促す文が流れましたが、それではだめだということになりまして、全授業を中止して生徒を集め、議論をすることになりました。
その際は人種差別は存在するという再認識とこれに対してどうしたらよいか?ということを議論しました。


■このメンバーでセミナーをするのは3回目です。
毎回やるたびに大学生ってこんなに成長するんだなと感じます。 せっかく生でインタビューできるのでいろいろなことを聞いていきたいと思います。


■受験対策についてはどうでしたか?


(佐久間) 高校三年生になる前の春休みに受験勉強を開始しました。 受験をするのに周りが塾に行く中、自分は塾に行くのが嫌で留学を決めました。

東大の授業を聞いてみて、教授が見えない、生徒も聞く気がなかったりで留学のほうがよいのではないかと感じました。 海外経験はあったが、TOEFL(R)TESTは最初かなり惨敗な状態だったが、何とかあげました。 SAT(R)は最後まで上がらなかったが、海外の大学はいいところは点数だけを見ないところだと思います。 もし点数に自信がないのなら、学生時代の課外授業での活動や、授業に対する姿勢などをエッセイや推薦状でアピールすることができます。

高3の5月からでも私は間に合ったので、もし今からでは無理だと思っていたらチャレンジしてほしいです。

(田口) 私は帰国子女なのですが、高2に留学を決めました。高校は筑波にいたのですが、周りが東大とかを目指すなかで留学を決めました。高校の途中で文系から理系にシフトしたりいろいろありましたが、早めに意思決定をしたので余裕をもって準備できました。
東大とイエール大学を合格して合格したので、出国までのんびりしていました。


■留学は目指せば届きます。最後までやりきった人は結果が出ています。留学に際してお金が足りないといったことも起こりますがそういったときには奨学金を利用するという手段もあります。


(佐久間) 奨学金の話がでましたので、少しお話させてください。 私は親が大反対で学費を出してくれないとまで言われました。なので、グルー・バンクロフト基金の奨学金制度を利用して留学しました。 奨学金制度を利用して留学することは、合格に対して有利だと思えるくらいなので積極的に利用するとよいと思います。奨学生同士のつながりもできます。

グルー・バンクロフト基金の奨学生になるにはSAT(R)のテストや、英語のテストなどが2次まで、3次試験で面接があります。それに合格して奨学生となれるので、留学ではマイナスどころかプラスの評価になることが多いです。


■1年半現地で生活してみて、向こうで生活したからこそ分かったことなどありますか?


(田口) そとから日本を見るということはとても大事だと思います。友達からも政治に対する話を受けたりもしました。高校まで日本にいて感じたことと留学して外から日本を見ることは違うと思います。国内にいる人は日本の中から日本をみていると感じます。

(佐久間) あっちでは国籍や人種で歴史の見方が違いますね。原爆と真珠湾攻撃に対しても日本人とアメリカ人では驚くほど認識自体が違います。 そういった体験から、若い世代には歴史を知る義務があると感じました。 印象的だったのが、今年あったHate Crimeで「メキシコ系の人間はすべて死ぬべきだ」と落書きが書かれた事についてディスカッションをしたときに自分たちがよく知らない内容の為か全く発言がありませんでした。
そんな中一人のメキシコ人女性が「話しづらい内容でも自分がこの問題について知らないということも大事であるし、それをオープンにすることが大事である」と発言したことです。

日本の大学ではお互いを傷つけない術を学ぶように見えますが、海外では多様性を認め傷つけるリスクもわかったうえで議論をします。そういったところに魅力を感じますね。

(田口) 海外では同性愛など、タブーと思われるような話でも議論をします。今回のコネチカットの銃乱射事件でも銃規制の話について、いろいろな話が出ます。


■答えを探すことよりも質問を考え出すことのほうが大事です。エッセイなどでも行いますが、自分を掘り起こすことがとても重要です。

■あっちで圧倒的に通用しなかったことはありますか?逆に思いのほかよくできたことはありますか?


(田口) 理系だったのでライティングの授業がとても苦手でした。中高と文章について学んでいるアメリカ人と同じ舞台でやるというのはとても差を感じてショックでしたね。
時間の使い方という点で比較的日本人はうまいと感じます。

(佐久間) ディスカッションをするときに、一言いうだけではなくて、その一言に対して質問が来るので答えを返さなければならない。それがとても難しかったです。 海外だと尖った人が多い、飛びぬけてできる分野があるけれどほかの分野ができなかったりする。私は点を取る勉強が得意だったのでバランスよく試験がよくとれましたね。


■最後の一言ずつお願いします。


(佐久間) 将来日本で働くとしても、留学は良い経験になると思います。価値観がものすごい変わります。私も高校で留学しようと思うまではすごく権威主義的な考えで、親の影響もあるんですが、いい大学にいっていい企業に入ってそこそこの人生を送る。それくらいしか見えていなかった私が、いまでは歴史を学ぶことがすごく面白くて、人が変わったようでした。今少しでも留学しようかなと思ってる人はそのまま突き進んで頂きたいと思います

(田口) 留学をして二年目になりますが充実したといえばあれですが、すごい楽しい学校生活を送っています。楽しいというのはただ遊んで楽しいというのではなくて、勉強もして課外活動もして研究もしてもちろんパーティにもいって楽しいという意味で、オールラウンドに充実している。やっぱりそういう生活をやらないまま決められた道を進んでいくというのはすごいもったいないことだと思うので、とにかく出願してみるという第一歩が大事だと思います。本日はありがとうございました。

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