合格受講生の声

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お名前:M.F.さん
プロフィール:
日本国内の国公立大学文学部在学中(4年次)に、アゴス・ジャパンにてIELTS対策および大学院出願対策を開始。
約10カ月間の交換留学から帰国直後、IELTS OA6.5の状態から学習をスタートし、アゴスの講座受講を通じて、約4カ月でOA7.5までスコアアップを達成。
その後、アゴス・ジャパンで出願準備を進め、米国有名大学院への合格を実現。

























インタビュアー
片倉 梨香(アゴス・ジャパン 留学アドバイザー)

   <以下敬称略 ──…片倉>

大学4年の夏、就職活動の真っただ中で海外大学院への留学を決意し、わずか4ヶ月の短期集中でIELTS対策と出願準備を完遂したM.F.さん。リーディングは6.5から8.5へと劇的にスコアを伸ばし、アートマネジメント分野の大学院合格を勝ち取りました。
合格までの濃密な日々を、留学アドバイザーの片倉とともに振り返ります。留学準備に一歩を踏み出せずにいる方にこそ読んでほしい、リアルな体験談です。

● 留学を決意するまで――英語力の自己認識と半々の覚悟

──まず、これまでの海外経験について教えてください。交換留学以外にも海外に住まれたことはありますか?

ないです。厳密に言うと中学生のときに3週間ぐらいサマーキャンプに行ったぐらいですね。

──英語はご自身の中で得意とか好きという意識はありましたか?

大学受験の科目としては得意だし好きだったんですけど、帰国子女みたいな感じでもないですし。大学に入ってからは全く英語を喋らなかったので、そんなに得意でもないかなという感じでした。

──なるほど、受験英語は得意だけど実践的な英語力にはそこまで自信がなかったと。そんな中でアゴスの個別相談にお越しいただいたわけですが、あの時点ではもう留学はご自身の中で決めていたんですか?

半々ぐらいという感じだったと思います。今年のアメリカ国内の大学院入試に間に合うのか、プロに聞いてみて、間に合うのであれば就活と並行してちょっとやってみようかなぐらいの温度感でした。

──半々の状態から、「やろう」と踏み切れたのには何か理由があったのでしょうか?

まず一つには片倉さんと話していて、ギリギリ頑張れば間に合うかもしれないと思えたことです。明確な勉強量を提示されて、「この夏何とかいけるかもしれない」と。あと就職活動を進めていく中で、両親や志望していた業界内外の先輩方ともいろいろ喋ったりして、これだと思うものがあまりにも見つからなかったというのがあります。

──明確な数字があったからこそ決断できたというのは大きいですよね。そういったサポート面も含めて、講座の受講を決めた理由を教えていただけますか?

テキストなんて別に世の中にいくらでも出回っているので、基本的には、独学でやろうかなと思っていました。ただ、この短期間で成し遂げるには、相当サポートしてくれる人、信頼できる情報を確実にくれる人、やめようかなと思ったときに確実に支えてくれる人がいなきゃ到底無理だろうなと感じました。そこにぴったり片倉さんがその全てをやってくださって、それが決め手でもありました。今振り返ってみて、学生にしたらとても高いお金でしたけど、やって本当によかったなと思っています。

──それだけの覚悟を持って決断されたのですね。ちなみに受講費用はご自身で出されたのですか?

はい、自分で払いました。親に言ったらそもそも留学自体を止められそうな感じだったので、払ったことも言わずに自分で出しました。授業中も「今のこの5分に数千円が溶けている」なんて思いながら受けていました(笑)。

● 週40時間超の短期集中――4ヶ月間の学習スケジュールと生活

──最初の面談でかなり大変な勉強量のスケジュールをお伝えしたと思いますが、もうちょっとかかったなとか、意外と短かったなとか、何か感覚はありますか?

週40時間っていうのはわかりやすい指標として出していただいたと思うんですけど、実際は週40時間以上やっていたかなと思います。多分40時間は机に向かってがっつり問題を解く時間で、それ以外にも洗濯物をしながらスピーキングしたり、スキマ時間の中でいろんな勉強をしていたので、机に向き合う時間が週40時間だったという感じです。ただ、「下回ってはいけないラインとして週40時間」と言われたのがずっと頭にありました。

──隙間時間では具体的にどういった時間を活用されていたのですか?

朝起きたらとにかく前日にできなかった単語をばーっと見てから日常を始めるようにしていました。家事をやる時間はずっとスピーキングの音声を聞いて、自分が回答できるようになるまで言うとか。移動中は絶対に単語帳をやっていましたし、お風呂に入っている間もリーディングで解けなかった問題の根拠を考えるみたいな感じで、だんだんやりすぎるようになってしまって……。多分7月8月は起きている時間のうち食事と就活以外の時間はほとんど全て勉強に充てていたように思います。

──起きている時間のほぼ全てですか!短期決戦で4ヶ月間でしたが、その4ヶ月間は本当に勉強と就活しかしていないという感じですか?

そうですね、ただ、大学での研究活動もあって9月はずっと福島県にいたりしました。最終的に10月22日にスコアを取ったんですけど、10月1日からはほとんど勉強できていなくて…。逆に7月、8月はかなり勉強しました。でも8月中にカナダ旅行に1週間行ったので、その間は英語は聞いてはいましたけど、そんなにがっつりIELTS対策をやっていたわけではなかったですね。

● リーディング6.5→8.5の飛躍――「字面で読んでいた」自覚と精読の力

──最初の面談の際に、リスニングは比較的得意でいらっしゃるということで、私とご相談のうえ、パッケージに含まれていたListening対策講座の代わりにReading対策を強化する形で受講内容をカスタマイズいたしましたよね。

そうです。総合パッケージに含まれる講座のうち、リスニングの枠を精読徹底コースへ変更したことが、すごく良かったなと、のちのち感じました。

──それは大きな判断でしたね。精読徹底コースを受講してみて、受講効果やスコアが伸びるきっかけになったと感じたことがあれば教えてください。

まず、自分は文章が読めると思っていたのに、実は字面を追っているだけで、きちんと文章を読めていなかったということに気づいたのが大きかったです。二つ目に、精読徹底コースできちんと文構造を意識しながら読む癖が自然に身についたということです。リーディングをやっているとわからない単語があって悔しいので、単語帳をたいへん熱心にやるようになるという副次的な効果もありました(笑)。単語帳は受講期間中に何周もやりました。いただいた教材に関しても、自分で解くだけだと数を解いて終わってしまうところを、他の受講生から刺激を受けたり講師の方に叱咤激励していただいたりしながら、しっかり復習できたのが良かったです。

──「字面を追っているだけだった」というのは、なかなか衝撃的な気づきですよね。リーディングセクションで既に6.5が取得できている状態でも、Reading Baseコース(対象受講スコア:リーディング5.5程度の方)を受講した際に、わからない文章はありましたか?

いっぱいありました。周りの受講生よりは、高い正解率が出せることも多かったんですけど、自分が回答理由として挙げたことが全然正しくないのにたまたま合っていたとか、文章の中にわからない文法、単語があったりしました。改めていろいろ学んでいく中で、出てくる単語の印象だけで文章を読んでいるんだなと実感しましたね。「私」「歩く」「場所」みたいに三つの単語をなんとなく頭の中に詰めて文章を読んでいたんだと気づきました。だから比喩表現やちょっと抽象的な表現が出てきた瞬間にわからなくなるのはそういうことだと。これは駄目だと思いました。

──リーディングセクションで既に6.5が取得できている状況で、精読徹底コースを受けようと思った理由は何でしたか?

授業の中で正解を出せても回答根拠や精読を求められると正しく答えられないことがすごく多くて、Reading Baseコースを担当していた先生から「それじゃ全然駄目だよ」みたいなことを言われて、自分自身でもそう感じました。あと、精読徹底コースを受講するか悩んでいた際に、片倉さんに「この文章を読める?」と言われた文章がすごく難しくて、本当に全然わからなかったんです。英語を読めているようで実は全く精読できていないことに結構自分でもびっくりして、精読徹底を受けることにしました。

──ご自身の中で明確に「明らかに読めるようになってきたかも」と感じたのは、どのあたりのタイミングでしたか?

Reading Coreコースと精読徹底コースを並行して受講していたのですが、双方のコースのDay3とDay4の間に最終復習として、精読徹底コースとReading Baseコースで取り扱ったパッセージをすべて解き直し、さらにReading CoreコースのDay1~Day3も復習して、すごい気合を入れてReading CoreコースのDay4に臨みました。そこでしっかり点数を取ってやるという気持ちで挑んだら、8.0相当のスコアが授業中の実力テストで出せて、そのときに一番伸びを感じました。ちょっと狂ったようにやりました(笑)。

──リーディングに関して、受講された講座は、Reading Base、精読徹底、Reading Coreですよね。この三つの教材と公式問題集3冊をとにかくやったという感じですか?

そうですね。公式問題集は、学習の最後の方で本当に自分が何点取れるのか不安になってきてやったという感じです。講座を受けている途中は全くと言っていいほど教材の復習以外のことには手を付けていないです。1日の中にリーディングの勉強時間枠を取っていて、あまりにやることがなくて時間が余ったら気晴らしに解くみたいなことはしましたけど、テキストの表紙に、講師の方から言われた伸びるルール「ほかのこととはやらずに教材を復習しつくす!」ってすごく大きく書いてあったので、その文字を見るたびに復習に戻っていました。

──講師は基本的に「まずは授業内容の定着・復習を徹底的に行うこと」とお伝えしていると思いますが、正直最初は「本当?」と思いませんでしたか?もっといろんな文章を読んだ方がいいんじゃないかとか。

度々スコアアップを焦る気持ちから他の教材に手を出したくなるのですが、まずは先生に言われたものをやり尽くすのが先決だと自分に言い聞かせていました。例えば、リーディングに関しては、完全に第三者に説明できるぐらい、自分が講師になって説明できるくらいまで徹底的に内容を理解するまで文章を何回も何回も読んでいく中で、文構造のパターンが見えてきました。文構造ってそんなに無限にあるわけではないので、大体「一般論を述べた後に否定するんだろう」みたいな全体の構図や、一つの文章を徹底的に読み込んだことで、別の文章を読んだ際にも同じような構文パターンが見えるようになりました。その結果、初見の文章に対しても対応できる力が身についたと感じています。

● 教材を"空で言えるまで"――徹底復習の方法論

──Reading Baseを担当していた加藤講師にまずは復習徹底するようにとの指示を受けて、教材を徹底的に読み込んだとのことですが、それによって本番ではどのような変化がありましたか?

とにかく加藤先生に「復習しろ、復習しろ」とずっと言われて、本当に教材の中で扱った文章を空で言えるんじゃないかっていうぐらい読みました。そしたら本番でどんな文章が来ても、「はいはいはい」という感じで、新しい文章でもすらすらと読めるようになりました。

──それはすごい変化ですね。何回ぐらい読みましたか?

例えば、一つのパッセージに関して、いろいろ書き込んで、5回読んだら一応完了とするんですけど、1ヶ月後ぐらいに再度そのパッセージをさらで一から解いてみて、1ミリでも間違ったりしたら、その5回のサイクルにもう一度戻されるというのをやっていました。意外と忘れているんですよね。

──5回で終わりじゃなくて、さらにチェックを入れていたんですね。復習で解き直すとき、答えを覚えてしまってたりしませんでしたか?

何回もやりこんだものに対しては、正直回答を覚えてしまっているものもありましたね。でも、どういう理屈でその答えになるのかを全部復元できたら合格、というルールでやっていました。そうじゃないと意味がないという感じで。書き込みもたくさんして、ごちゃごちゃになるぐらい書き込んでいました(笑)。文構造や文法の例示として挙げられた短い本文に関しては、何を言っているかを自分の言葉で書き直せたら一応その文章は卒業、という形でやっていました。

──根拠まで復元できるかどうかを基準にしていたんですね。まさに講師が推奨する最高レベルの復習をやっていたと思いますが、リーディングの授業を取っていなかったとしたらどうなっていたと思いますか?

私はノートを作るのが好きなタイプで、間違えた問題を綺麗に書き出したりするのが好きなんです。自分で解いた模試もすごい復習ノートみたいなのを作り始めちゃって、結局ノートを作ったら満足して復習しないということになっていたと思います。授業では必要な情報が既に書いてあって自分でまとめ直す必要がないので、必要な部分を集中して復習できるというのがよかったですね。もう一つ良かった点は、授業の中で先生からのフィードバックが直接得られることですね。私は、誰かに見られるとすごいやる気が出るタイプなので、授業中のZoom上での会話や宿題のドキュメントでは双方向のやり取りがあり、先生から直接フィードバックをもらえることにすごく励まされていました。その2点が授業を取って良かったところです。

──やるべきことが明確に示されていたからこそ、復習だけに集中できたということですね。

はい、過不足なくこの情報を知っておくべきだというのが明確だったというイメージです。

──リーディングは好きになりましたか?

だいぶ嫌ではなくなりました(笑)。

● 授業のインタラクティブさとモチベーション維持の仕組み

──授業では、単語テストや実力テストに取り組む機会もありましたが、講師から点数や結果について確認されることにプレッシャーを感じる方もいらっしゃると思います。ご自身はいかがでしたか。

そうですね、多分そのときの私のリーディングの能力より若干下のクラスを受けていたおかげで、割と平均より上にいられたので、上位を保つことがいい意味でのモチベーションになっていました。これが多分毎回最下位とかだったら嫌になって休んでいたんだろうなと思います(笑)。

──なるほど、ちょうどいいポジションにいられたことが良い方向に働いたんですね。精読徹底コースは最大6人の少人数制で、皆さん順番にあてられるじゃないですか。あれがプレッシャーに感じる人もいますが、どうでしたか?

結構楽しかったです。回答した後にすぐ先生が解説してくださるので、「なぜ間違えたのか」「どう考えればよかったのか」をその場で理解できるのが良かったですね。また、先生が文構造を説明してくださる際には、教材に直接コメントやマークを書き込みながら解説してくださるのですが、そのドキュメントがどんどんカラフルになっていくのを見ると、自分の理解が深まっていく過程が可視化されているようで、とても楽しかったです。さらに、一緒に受講していたメンバーにも恵まれました。アゴスの講座を受講する方は、社会人の方が多いと思いますが、私が精読徹底コースを受講したときは、たまたま元気な高校生や大学生の方々が多かったんです。そうした学生の皆さんと学ぶ時間は良い刺激にもなり、自分にとっては息抜きにもなっていました。

──それは意外ですね、息抜きになっていたとは(笑)。Zoomの授業がインタラクティブなのかイメージがつかないという方もいますが、実際どうでしたか?

本当にインタラクティブでしたね。

──そのインタラクティブさがご自身にとってモチベーションにつながった感じですか?

つながったと思います。ただやっぱり、その相互交流な授業をしっかり体験するためにはちゃんと家でWi-Fiが安定していて、パソコンのほかにモニターとタブレットが一台ずつあるという環境は必要かなと思います。Zoom画面とは別に自分でドキュメントに書き込みながら授業を受けるので、モニターがないとライティングは無理だなと思いました。画面が小さいとあまり見えないですし、画面を見ながら自分が書かなきゃいけないので。私は家にあるモニターとパソコンとiPad、そして紙のテキストをフル活用して勉強していました。

● スピーキング対策――留学英語からIELTSの"構造化された話し方"へ

──こちらのインタビューを実施する前の事前アンケートでは、「留学帰国後だったのである程度話すことには慣れていたけれど、IELTSらしく文法や語彙を修正していくことに苦戦した」とご記載いただいておりましたよね。具体的にどこを意識して取り組みましたか?

本試験の中では、必ず1回は仮定法過去完了などを使うようにという指導があって、何を喋るにしても、過去の話と比べたり、そういった語彙を使うということをやっていました。

──文法的な"武器"を意識的に組み込んでいくわけですね。語彙の面ではどうでしたか?

普段喋っているときに「on top of that」とか絶対言わないじゃないですか。特に私はアメリカの大学生から英語を学んだので、多分すごく軽い喋り方をしていて(笑)。まさに教養がある海外大学院受験者になりきるような感じで、声色も全部変えるぞぐらいの勢いで、インテリちっくな、教養がある感じの喋り方をするよう意識しました。

──アメリカの大学生仕込みの英語からの大転換ですね(笑)。留学経験がある方ほどスピーキングのクラスを受けると「今まで自分が話してきた英語と全然違う…」と感じる方が多いのですが、IELTS的な喋り方と今までの英会話では何が一番違うと感じましたか?

まず喋り方のところだと、時間内に収めるというのが一つです。時間内に収めるために、主張を言って、例を1個だけ挙げて、そこから内容を拡大して、サポート・エクスパンドの構造を10秒ずつやるといった形で構造面を相当意識しないといけません。実際に友人と喋っているときはジョークも言っちゃうし、例も5個も7個も出してしまうし、最初の結論と全然違うことを言うクセがあって…。自分自身のしゃべり方の癖を強制することが課題でしたね。

──確かに、日常会話では脱線しても問題ないですけど、IELTSでは構造が評価されますからね。テキストに載っている文章はどのくらい復習しましたか?

テキストに載っている設問の例に対する自分の回答を全部空で完璧な文法で言えるぐらいまでやりました。スピーキングは喋ったら復習できるので、書いたりタイピングしたりせずとも口で話したらすごく効率的に勉強が進んでいく実感がありました。割とどんな話題が来ても自分の持っている手札でいけるぞというレベルまで勉強しましたね。

──リーディングと同じく、ここでも"空で言えるまで"の徹底復習ですね。メモの取り方についても特訓されたとのことですが、具体的にはどういうことですか?

話し始めてしまうと、内容を十分に構造化しないまま時間が過ぎてしまうことが多かったので、例えば2分間スピーチのパートでは、最初に四つのボックスを書いて、それぞれのボックスに話す内容を整理してから話すようにしていました。話す内容そのものは覚えていることが多いのですが、その際に使いたいフレーズや比喩表現などは意識しないと出てこないので、事前にメモしておくよう指導を受けました。 自分の中から自然に出てくる表現は何も見なくても話せるのですが、授業や教材で学んだ表現は、とっさには出てこないことが多かったんです。そのため、各ボックスにキーワードを書いたり、「ここでは仮定法を使う」「ここではこの表現を使う」といったメモを残しておくことで、学んだ表現を実際のスピーキングの中で使えるようになりました。

──メモは内容を思い出すためではなく、"高得点につながる表現"を確実に使うためのものなんですね。本番のスピーキングはどうでしたか?

本番ではすごい変なことを聞かれた上に、あまり相性が合わない面接官で、これまで習ってきたテクニックをすべて捨てて、そのお題に対して自分が思ったことを表明しました。それでも何とかなるぐらい、幅広い時制を使おうとか、ダラダラ喋るんじゃなくて構造化された喋り方をしようという意識は、想定外の質問が来ていつもの話し方の型を使えなくなっても保てるぐらいにはちゃんと復習をやっていたという感じです。

──想定外の状況でも"構造化して話す"という意識が崩れなかったのは、まさに徹底した練習の賜物ですね。本番は何が起こるかわからないからこそ、体に染み込ませるレベルまでやっておくことが大事なんだと改めて感じます。

● ライティングの苦戦と反省――スケジュールとの闘い

──リーディングのスコアが上がると、それと同時にライティングのスコアも上がる人が多いと言われていますが、どうでしたか?

正直なところ、私のスケジュール感も良くなくて、ライティングに関しては、若干消化不良のまま本試験に突入しまいました。授業の最初の方に習う内容なら完璧に書ける自信があったんですけど、最後の方に習うちょっとトリッキーなタイプの設問の型は正直不安な状態で、本番ではそのトリッキーなダブルクエスチョンタイプの問題が出てしまったんです。ライティングはちょっと今後の人生で受け直したいぐらい後悔しています。

──それは悔しいですね……。ただ、消化不良になってしまったのは、スケジュール的に致し方ない部分もありましたよね。

そうですね。9月は月の半分自宅を離れて福島県に研究に行っていて、朝から晩までプログラムが組まれていたので、その間は本当に隙間時間で勉強していました。全然追いついていなくて、添削もできていないけど、とりあえずテキストを何とか読み上げて準備して授業に出席するという状態でした。残りの2週間は家にいられたので、ひたすら復習はしたんですけど、全然追いついていなかったです。

──本来であればライティングのクラスを受けた後、本試験までもう少し期間を空けて練り込んだ方が良かったですよね。

はい。すでに提出済みのエッセイに対して、フィードバックを踏まえて再作成し、そちらを再度添削してもらうサポートや、必須ではないけれども推奨されている練習問題があったとおもいますが、そちらのエッセイを多分一つも提出できないまま本試験に臨んでしまいました。

──それでもライティングセクションで6.5を取れているので、しっかりやっていたらもっと取れていたでしょうね。スケジュールの組み方として、スピーキングを先にしてライティングを後にしていましたが、逆の方が良かったかもしれないですよね。

そう思います。

──IELTSはコンピュータで受験されていましたよね。授業で学んだ内容は本試験と形式的に一緒でしたか?

はい、コンピュータの形式の面では全く一緒でした。ただ、キーボードの感触や画面のレイアウトは異なるので全部で3回試験を受ける間にテストセンターの機材に慣れていったように感じます。テストセンターと全く同じキーボードを購入しようかと迷ったこともありましたが、迷っている暇をライティングの勉強に使えばよかったと反省しています。私が本試験を受験した際に出題された設問が、たまたまライティングコースの最後の方に習うトリッキーなタイプのものでした。なので、そちらの内容をあまり定着できていない状態で本試験では不安になりながらエッセイを書いたなという感じでした。

──ライティングは運もありますよね。マップの問題とか全然出ないと言われているのに出たりしますし…。とはいえ、消化不良のまま本番を迎えてしまったという反省は、短期集中で挑む方にとって大事な教訓になりそうですね。

はい。振り返ってみると、スピーキングは留学経験があった分ある程度下地があったので、WritingとSpeakingの受講時期を逆転させて、新たに覚えるべき、量が多いライティングの授業を早めに受講した方がよかったなと思います。

● 出願書類対策――自己表明から"選ばれるエッセイ"への転換

──出願書類対策では、まず出願コンサルタントの林コンサルタントとエッセイの骨子を固めたと伺っています。最初に「エッセイの中で二つの軸が並走してしまっている」と指摘されたそうですが、その二つの軸というのは具体的にどういう内容だったんですか?

一つ目は、東日本大震災のような大きな災害に対して、演劇がこれまでやってこなかったような方法で復興に携われるんじゃないかという話です。もう一つは、アートマネジメントのプログラムに行くので劇場の経営の話ですね。学生時代から劇団の運営やIT会社でのインターンをやってきた中で、お金をきちんと生み出す方法を学ばないと何も始まらないということ、日本の劇場の歴史を見ても資金の部分が弱すぎるという話です。

──どちらもご自身にとっては大切なテーマだったんですね。林コンサルタントはどちらの方向にまとめるべきだとおっしゃっていたんですか?

アートマネジメントのプログラムだからこそ、マネジメントの話に一本化した方がよいだろうというアドバイスだったと思います。

──ただ、どちらかというとご自身としては災害復興の方を書きたかったし、周囲の方からもそちらの方がいいんじゃないかというお声があったと伺いました。最終的にはどうされたんですか?

最終的には、アゴス内の別のコンサルタントであるマーカスコンサルタントにもセカンドオピニオンをいただきました。そのうえで、学校に提出した最終版のエッセイには、双方の要素を取り入れる形で仕上げました。

──なるほど、両方の要素を盛り込む形に落ち着いたんですね。林コンサルタントと意見を討論したこと自体は、振り返ってみて役に立ちましたか?

とても役立ったと思います。私が思っていたことを全部肯定してくれるわけではなかったので、確かに難しい会話が生まれたこともありました。ただし、その会話を通して、明確にこれは自分が気持ちのいい人生の物語の表明のためのエッセイではなくて、学校側に自分自身を選んでもらうためのエッセイなんだという意識がすごく身に付いたという意味ですごく良かったなと思います。

──エッセイ作成の際には、コンサルタントと必ずしも意見が一致しない瞬間もありますよね。だからこそ自分自身の意見が否定されているように感じる瞬間もあると思うんですが、自分自身とコンサルタント、どちらを信じていいんだろうと迷うこともありましたか?

そうですね。なまじこれまで経験してきた日本での面接では、本当の気持ちを全部面接官に打ち明けたら全部受かっちゃったという経験があって、自分自身の本音を伝えれば通るだろうという意識が自分の中に相当あったんです。ただそれをかなりバッサリと、コンサルタントの方から、「この内容では入学審査官には伝わらないし響かないよ」と指摘されて…。ただ、自分の進学理由をほかの形でうまく説明する方法がなかなか見つからなかったんです。かといって、無難な内容にまとめてしまうと、「それなら別にこの学校でなくてもいいのではないか」となってしまいます。そのバランスを見つけるのに、かなり苦労した記憶があります。

──その葛藤はかなり大きかったんですね。林コンサルタントとのセッションで特に良かった点を改めて教えていただけますか?

まず、自分自身で書き出した大量のエピソードの中から、「どのエピソードを使い、どのような順番で配置し、どのように見せていくか」というエッセイ全体の骨格を一緒に作ってくださったことが、私にとっては最も大きなサポートだったと思っています。当時の私には、どのエピソードも同じくらい価値のあるものに見えていました。しかし、海外大学院受験という観点から、どのエピソードを残し、どのエピソードを削るべきかを整理できたのは、間違いなく林コンサルタントとのセッションのおかげです。また、その過程を通じて、「エッセイは自分の気持ちを表明するための文章ではなく、合格を勝ち取るための文章である」ということを強く学びました。

──「気持ち表明ではない」というのは大きな転換ですね。続いて、マーカスコンサルタントとのセッションはいかがでしたか?

マーカスコンサルタントは、既に選ばれたエピソードの中から、私が書いて出したものを「これは要らないね」という感じで削っていく作業をやってくださいました。個人的に特に良かったと感じているのは、マーカスコンサルタントご自身が過去に演劇の道を志されていたご経験をお持ちで、その分野への理解が非常に深かったことです。そのため、私が感覚的に伝えた内容や、芸術分野の人間特有の表現意図についてもすぐに理解してくださり、それを大学院の入学審査官に伝わる形へと落とし込んでくださいました。単にアーティスティックで個性的な文章を書くのではなく、「この人であれば将来活躍してくれそうだ」「この人に投資する価値がある」と審査官に感じてもらえるような、説得力のある文章へとブラッシュアップしていただけたことが非常に印象に残っています。

● アドバイザー面談の支え――数字・信頼・進路相談

──アゴスの特徴として留学アドバイザーとの面談がありますが、私との面談は役に立ちましたか(笑)?どの辺が良かったか、あるいは逆にどうだったか、率直に教えていただけますか?

まず一つ目は、とにかく明確な数字を出して「ここまで勉強できたらこれぐらいの合格可能性があります、逆にできなかったら厳しいです」と言ってくださったことです。それも適当に言っているのではなく、これまでの他の受講生の例や実績、片倉さんご自身の経験から打ち出された数字なので、本当に信じてこのひと夏をかけてもいいと思える信頼感がありました。特に「週40時間」は呪いのように頭に残っていて、部屋の机の前で「絶対に週40時間を超える、つまりどんな予定が入ろうとも平均で毎日8時間以上は勉強する」ということを徹底しました。

──「呪い」というのはすごい表現ですね(笑)。実際、週40時間の学習を管理するために、具体的にどんな工夫をされていたんですか?

8時間以上勉強できた日には、カレンダーにシールを1枚貼るということをずっと続けていました。最後にはなんか恐ろしい怨念の紙みたいになっていましたけど(笑)。そこまでやれたのは、やっぱり片倉さんが「週40時間を確保できなかったら難しいよ」と明確に言ってくださったからだなと思っています。

──自分の努力や成長が可視化されるのは、モチベーション維持にもつながりますよね。出願手続きに関するアドバイスはいかがでしたか?

それも相当助かりました。何もわからないところから始めたので、成績証明書の認定機関を通じた提出方法、両親の職業の説明、奨学金の応募戦略、合格できなかった時の計画立て、アゴスの講師やコンサルタントのサポートをどういう風に活用して勉強を進めていくかなど、なんでも聞かせていただきましたね。志望理由のエッセイに関しては大学の指導教官さえも「留学アドバイザーの方がそう言うならそうした方がいいと思う」という形で、片倉さんに聞いた通りにやっていました。というのも、私が知りうる人の中で片倉さんが一番アメリカの大学院受験に詳しかったので。

──そこまで信頼していただけたのはありがたいです。その学習を続ける中で、ご家族の反応はどうでしたか?

久しぶりに実家暮らしをしていたこともあって、親からの反発とまではいかないけれども、新卒で就職をしないことへの心配・懸念はかなりありました。自分も就職活動をしていて、内定をいただいたり、業務への理解が深まったりする中で、何度も「やっぱり海外大学院への出願は諦めようかな」と感じる瞬間がありました。だからある意味、片倉さんにはすごく相談相手になっていただいて、進路において、親や友人といった自分自身の身近な人とは別の、すごく信頼できる方としていっぱいメールもさせていただきました。

──就活と留学準備の並行は精神的にもかなり大変だったと思います。ご両親は最終的に留学を応援してくれるようになったんですか?

根詰めて勉強する私をみて、ずっと「そんなに英語を頑張らなくていいのでは、それより就職したほうがいいんでは?」みたいなことはずっと言っていたんですけど、最終的な合格もあって、夏からずっと勉強していたのも全部含めて、今はアートマネジメントと災害支援の道を志して留学をすることを応援してくれているかなという感じです。

● IELTSで得た英語力と留学への展望――後輩へのメッセージ

──IELTSの授業で学んだことは、今後の留学生活にどう活かせそうですか?英語力そのものが上がった実感はありますか?

一番はやっぱりアカデミックリーディングへの対応力がかなり身についたということですね。交換留学中も相当論文を読んでいたんですけど、多分出てきた単語から湧き出るイメージだけで論文を読んでいたので、全然内容がわからないままだったなというのが一つあります。精読徹底コースをはじめとするリーディングコースを受講したことで、かなり文章が読みやすくなり、今後の留学生活で論文が非常に読みやすくなるだろうなという実感があります。ライティングに関しては、修士論文を書き上げることが目的ではない実践的なプログラムなので、そんなにライティング力が試される場所がないかもというのは、正直ありますが、普段の事務連絡のなかでメールを作成する際に、文法間違いがなくなりました。スピーキングに関しては、友達とのコミュニケーションは留学のときの英語力を維持するのに役立ったぐらいだと思いますが、フォーマルな場面、面接官と喋るとか学会の時に求められる英語スピーキング力という意味ではIELTSの勉強を通して格段に上がったなと思っています。

──リーディング・ライティング・スピーキングそれぞれで変化があったんですね。ちなみに、IELTSの勉強自体が英語力の向上に生きてくると思いますか?

何を英語力の向上とするかによりますけど、フォーマルな英語力は非常に向上するというイメージです。そうじゃない会話の部分とかは、もはや人間性の話だろという感じですね。道具としての能力は上がると思います。

──「道具としての能力」という表現はすごくしっくりきますね。それでは、この4ヶ月間を振り返ってみて、大学4年生の後半を留学準備と就活準備にフルコミットした経験はどうでしたか?留学準備を目指す後輩の方々に何か一言あればお願いします。

やってすごく良かったなと思いますし、やっぱり同じものをやるんだったらプロに頼って効率的にやった方がいいし、一緒にやった方が助けてもらえるし、楽しいし。あとこうやって今振り返られるわけじゃないですか。人によって英語の勉強に使える予算はいろいろだと思うんですけど、やっぱりプロに伴走してもらって進めた方がいいよって思います。

──最後に、留学準備を粘りきったご自身に一言どうぞ。

なんかちょっと狂ったように勉強してたかなって思って(笑)。あまり「頑張った、偉いな」とかいうんじゃなくて、ちょっと狂ってたよなあのときは、って感じですね。

──4ヶ月で合計500~600時間くらいやっていましたもんね!やらないと不安になるような境地にもなりましたか?

そうですね、あともう1週間でも続いたら本当に息切れしていたと思います(笑)。短期決戦でよかったです。

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