合格者の声

2011年度合格者からのメッセージ

Photo [MBA]
お名前:K.M.さん
合格校:Massachusetts Institute of Technology, Sloan
合格校:Manchester Business School
入学校:Massachusetts Institute of Technology, Sloan




1.留学を志したきっかけ

グローバルリーダーたるに不可欠な素養を修養し、社会への貢献度を高める為、MBAを志しました。

 将来の目標:グローバル金融という機能から新たなインパクトを生み出し、
       世界の持続的発展に貢献する。
 必要な素養:世界のビジネスリーダーと伍して戦える、高度な経営戦略眼、リーダーシップ、
       ネットワーク、アスピレーションを鍛造する必要あり。
 
主に以下2つの苦い経験が、自らの危機意識を、MBAへの断固たる決意へと実らせました。

◆外資金融機関との戦略提携を企画立案する部署に異動。経営判断を支える、グローバル戦略を企画立案する、新たな組織をデザインし運営管理する、全社リスクをマネジメントする等、経営全般に亘る実践力の乏しさを痛感。MBA及び卒業後のキャリアを通じ、経営者のマインドセット、不確実性の中でも合理的、且つM&A等のダイナミックな経営判断を下せる戦略眼と、地に足ついた実務スキルを磨きたいと考えました。

◆戦略アライアンスを両社で進めていく過程で、プロジェクトの進め方/管理方法、意思決定までのコンセンサス形成、意思決定後のプロジェクトクロージング等で多くの壁にぶつかり、Cross-Cultural Communicationの重要性を実感しました。多様な文化的背景の中でも、相手の主張を理解し、且つ自らの意見も表明し、イニシアチブをとって、プロジェクトを引っ張っていくリーダーシップ、アスピレーションを身につけたいと思いました。また、世界のフィールドでリスクをとって活躍するビジネスマインドとの交流を深め、将来に備え、幅と厚みのあるネットワークを構築したいと考えました。

2.なぜ海外の学校に行こうと思ったか

明治維新が何故おこったのか、何故必要だったのか、現状の日本の難局を考えれば、自明の理と考えます。直近の職務と、将来の目標、それ以上に大きな概念としては、日本として生き残るためには、世界に飛び出し海外で学ぶほかないと考えました。

3.留学先や志望校はどのように絞っていったか

数多あるスクールの中から、進学したいスクールを絞り込む上で、重要視する判断軸を確り定め、公募出願後から、早期に第一志望を設定することを強く勧めます。理由は主に2つです。1つは、第一志望を定めることで、スコアメイクに苦しむ期間を含め合格までの絶対的なモチベーションとなること。2つ目は、合格後、具体的に何を学ぶか、どう生活するか、どういう仲間と共に2年間過ごすかをイメージすることで、目的がより深く、明確になることです。学校の特徴を調べていく過程で、自分が貢献できる領域も見えてくるため、エッセイ、面接時のアッピールポイントにもなりますので、スコアメイクに疲れたら、憧れのスクールのホームページを気分転換程度に眺めることをお勧めします。主に以下の6つの判断軸を基に、志望校、出願校を絞り込んでいきました。

■ ランキング:トップスクール;世界トップクラスの同士と切磋琢磨する為    
■ 規模:小?中規模;生徒間の結びつきの強い環境を重視
■ カリキュラム:理論と実践プロジェクトのバランスを重視
■ ロケーション:米国東海岸;米人の質、歴史・風土・四季が好み
■ 卒業生ネットワーク:協力的、有機的、且つ一生涯のネットワーク
■  フィット感:人とのフィット感;合うか、合わないかの第六感

4.TOEFL(R)TEST/GMAT(R)/GRE(R)TEST等テスト対策について

2008年7月から、TOEFL(R)TEST Strategyコースを受講して以来、約3年に亘り、AGOSの講師陣、スタッフの方には大変お世話になりました。TOEFL(R)TESTの初回スコアが40点だった私が、MITに合格できたのも、Rex 蒲田先生、松園先生、中山先生、小柳さんを筆頭に、AGOSの皆さんのお陰だと実感しております。

◆TOEFL(R)TEST:合計50回受験しました。TOEFL(R)TESTの勉強を通じて、英語の基礎を徹底的に鍛え直すことができたと省察しています。なお、TOEFL(R)TESTのスコアメイクには時間を要するため(特に、私のように海外経験が無いケース)、まずGMAT(R)を短期決戦で仕上げる戦略を取られるとよいかと思います。自分なりに整理した、TOEFL(R)TEST攻略の鍵は以下の3つです。

■ 英語の筋力/瞬発力/短期記憶
■ 英語の持久力/読解力/長期記憶
■ スコアが出るまで受験し続ける忍耐力

ネイティブと同じ英語脳を作り上げるため、Rex蒲田先生には、通常コースに加え、適宜のタイミングでチューターをして頂き、克服すべきポイントを的確に分析、やるべきタスクを明確にして頂きました。また、TOEFL(R)TEST受験後に必ず自己省察をレポートし、次の受験までにすべきことを明確にして一週間を過ごすよう心がけました。

2008年来、Rex先生からはスコアが伸び悩んでいた時期に叱咤激励を毎回頂き、精神的に辛い時期も忍耐を貫く事ができました。また、松園先生には、社費選考基準の80点メイクの際、大変お世話になりました。社費選考直前、最後の試験にて、全セクション20点で80点をメイクできたときの興奮は今でも鳥肌が立ちます。これから挑戦される皆さんも、最後まで粘り強く取り組まれて下さい。結果は必ず出ます。

◆GMAT(R):もう2度と受けたくない試験です。ただし、GMAT(R)を攻略する過程で、自分の弱点の克服(単に英語ではなく)、及び勝負強さ・粘り強さに磨きをかけることができ、今後の人生における自信に繋がりました。なお、MITはTOEFL(R)TESTスコアを要求せず、GMAT(R)のVerbalと面接でアプリカントの英語力を判断する為、納得いく点数が出るまで諦めず、粘り強く取組まれることをお勧めします。繰り返しになりますが、努力している人に、必ず結果は出ます。以下、私の経験からのティップスです。

■ 短期決戦で目標スコアを達成する
■ Mathは満点を狙う
■ Verbalは、不正解選択肢の判断根拠を数秒で説明できるよう徹底する
■ 練習は本番通りに。本番は練習通りに。PC画面とデリバリーに慣れる事
■ 試験前、当日の体調管理に留意しながらも、常に頭をGMAT(R)モードに
  当日のウォームアップは確りと。GMAT(R)はスタート、立ち上がりが全て由

2010年1月から、中山先生のGMAT(R) Verbal Strategyコースを受講しました。 ポイントは、OG・過去問、White book、Prep問題を徹底して反復練習することです。この際、正解の選択肢の正解根拠をみて、次の問題にすぐ取りかかるのではなく、不正解の選択肢が何故不正解か、判断根拠はどこか、もっと素早い解法手順はなかったか等を整理することが、全て新出の問題となる本試験にて、揺るぎない自信をもって回答できるようになる唯一の道です。
加えて、Verbal全セクションに当てはめることができますが、深追いしない、という事です。1問に対し、回答時間が2分半を超過すると、他の問題へ影響を与えます。自分の納得のいくロジック、テクニックを当てはめても、選択肢を絞りきれない場合は深追いせず、ランダムクリックする勇気を養ってください。
また、本試験の環境に慣れるべく、PC上で問題を解く事を心がけて下さい。GMAT(R) Prep、左記をやり尽した後は、Manhattan GMAT(R)を徹底的につぶし込みました。

私のケースでは、最終回の5回目の受験までスコアが揃わず、個別にチューターを組み、最後の1ヶ月半、仕事以外の時間は、全てGMAT(R)、という極限状態まで自分を追い込みました(通勤中、夕飯、入浴中、就寝中)。中山先生とのマンツーマン授業で、SC正答率のバラツキ、どういう精神状態だと調子がよく、どういう状態だと判断力が冴えないか、といった心理学的な部分まで討論したことを思い出します。結論としては、自分なりの戦略、戦術を打ち立て、反射神経的に誤答を切れるレベルへ持って行く、その集中力を養う、それを本試験まで維持する、ということに重きを入れました。中山先生のアドバイスに従い、5回目の試験前日の深夜までプレップを解き、当日朝もプレップを受験し、一見「やり過ぎ、ヘトヘト」感がある状態で本試験に臨みました。苦しみながらも、無味乾燥なGMAT(R)の自動採点画面上に、目標としていた点数が表示されたときは、涙が滲みました。

5.出願準備について

私の出願上の弱点は、スコアの計数指標、および乏しい海外経験であることは明白でした。勝ち目は「四分六分」がいいところで、過去実績とトップスクールの足切りラインに基づけば、容易に全滅を想起できます。完全無欠の勝利は望めず、死力を尽くしてなんとか「六分四分」にもっていく、これを基本戦略としました。次に、どのように六分四分にもっていくかを、3つの項目に大別して行動を起こしました。
 
   1.活動の量と質、2.エッセイ勝負、3.米人を説伏せる熱意/想い

夏場から、TOEFL(R)TEST、GMAT(R)、Resume/Essayの三重苦に陥りましたが、上記の通り、Essayは合格獲得の生命線であった為、どんなにスコアメイクの勉強が苦しくとも手を抜きませんでした。31年間の人生、7年間の社会人生活を深く掘り下げ、「日本人/金融」という枠を超えた人間力/Identity、哲学を、多面的に伝えるEssayを、練り上げる事を意識しました。その為に、新たな活動及び初めて経験する業務に果敢に挑戦しました。

また、第一志望である、MITのEssay作成にあたっては、在校生・卒業生に添削をお願いし、Essay Topicに、明確に応えているか、Admissionが求める要素を漏れなく含んでいるか、オリジナリティはあるか等の観点をご指導頂きました。

MIT出願には、3本のEssay、及び Cover letterが求められます。私の受験時のEssay Topicは以下の通りでした。

■ Please describe a time when you went beyond what was defined, expected, ???
  established or popular.
■ Please describe a time when you convinced an individual or group to accept
  one of your ideas.
■ Please describe a time when you took responsibility for achieving an
  objective.

MITのEssayでは、単に達成事実を列挙するのではなく、STAR方式(Statement/Situation, Task, Action, Result)に則り、どんな問題に直面したか、その解決のプロセスについて、自らの役割と考え、チームをどのように鼓舞・説得し、目標を達成したか、といった思考プロセス、行動プロセスを500字以内に落とし込む必要があります。Admissionが一読しただけで、アプリカントの強み、コアコンピタンス、人間力が論理的に、具体的にイメージできるレベルのEssayが求められます。

また、Why MIT?を直接聞かれないため、Cover letterを使って何故MITがベストなのかをアッピールする必要があります。具体的には、Essayで述べるコアコンピタンスを使って、MITにどういう貢献ができるか、コミットできるかを表す必要があり、単にMITの魅力、美辞麗句を並べ連ねる一般的なWhy this school?の回答では及第点を獲得できませんので、学校側が期待する役割を自分なりに定義する、掘り下げる必要があります。

6.留学準備を振り返って、成功の秘訣とは?

ここで強調させて頂きたい点は、成功の秘訣は千差万別、という点です。
一人の受験体験記をそのまま鵜呑みにし、自らの受験プロセスにそっくりそのまま当てはめることは、くれぐれもなさらぬ様ご留意ください。受験プロセス、競争環境は、毎年変わっており、一人の成功体験を定石化、つまり「xxスクールは、GMAT(R)xxx点あれば受かる」「昨年、xx校は、TOEFL(R)TESTxx点のアプリカントでも受かった」という一事象に基づいて、同じスコア、あるいはそれを上回るスコアを有する自分は来年必ず受かるといった帰納法化をすることは厳に慎んでください。
これをふまえた上で、私のケースでは、自己を確り振り返り、強みと弱みを分析し、彼我(自己とスクールが求める人材像)の差を見極めた上で、地に足ついた、勝つための戦略・戦術を個々で打ち立て、最後の1秒まで諦めずに、自分に出来る事全てを断固実行した、という点が秘訣だったのではと省察しています。MITで授業を受けている姿を毎晩思い浮かべながら、床に着きました。

7.留学・留学後に向けての抱負

 「自分の一日の怠慢が、国家の進運を一日遅らせる」

                   出典 『坂の上の雲』 司馬遼太郎 第二巻 渡米

この言葉は、私の座右の書、『坂の上の雲』の主人公の一人である秋山真之が残した言葉とされています。明治30年6月26日 米国留学被仰付により、米国ワシントンD.C.への赴任が決まった真之は、この堂々たる想いを胸にして太平洋の大海原を渡り、大戦略・戦術家としての道を歩みはじめるのです。

翻って今の日本。
未曾有の震災を経験した我々こそ、真之の覚悟を一人一人が持たねばならないのではないでしょうか。然し乍、震災直後はそうした機運が高まりましたが、言うは易し行うは難し、もどかしい現実が続きます。

現在、私は、MIT SloanにてMBA取得に向け、世界中のビジネスマインドと切磋琢磨の日々を送っています。世界基準での己の足らざるに驚愕する毎日ですが、真之の言霊を体現しようと歯を食いしばって頑張っています。また、津波、放射能の影響により、未だ避難生活を余儀なくされている方のご心労を思うと、自らの研鑽に加え、一日本代表として、日本の復興、底力、文化、震災の教訓を世界に向けて発信していかなければならないと強く感じています。私も皆さんに負けないように精一杯頑張ります。

8.今後留学を目指す方へのメッセージ

これから海外留学に臨まれる方については、仕事と留学準備の両立で苦しい日々が続くものと思います。特に、世界で日本の相対的位置づけが停滞する中、第一志望のトップスクールから合格を勝ち取るのは至難の極みです。さらに、純ドメスティックのバックグラウンドをもつ受験生には、憂鬱で堪え難い日が続き、自分で決断して選んだ道にも拘らず、逃げ出したくなる日々に直面する事もあるかと思います。

ただし、道は必ず開けます。自分を最後まで信じてください。第一志望のスクールの教室で授業を受けている姿を想像して歯を食いしばって下さい。その苦悩、苦境を乗り越える努力、失敗を克服する意志、負けない戦をする将たる判断力、戦略立案力こそ、MBAなのです。受験の今その瞬間から、あなたのMBAは既に始まっているのです。

実際のビジネスを考えた時、自らの側に100%の好条件が揃った環境で、競合と競い、こちらの意図した通りに案件を成約、クローズできたことが過去何回あったでしょうか。恐らく、限りなく零に近いと思います。私がMITを受験している時、常に上記を胸に、挽回できる領域に時間、資金、熱意を注ぎ、協力頂ける方には目標とコミットをもって、助言をお願いしに全力で奔走してきました。まさに7年間の社会人経験で血を滲ませて会得したビジネスエッセンスを、いや31年間の人生哲学を、自分なりに再定義し戦術化し、熱意と想いをMITにぶつけてきました。そして、最後には幸運にも合格通知を勝ち取ることができました。

私の拙い受験経験が少しでも皆さんのお役に立てたのであれば誠に幸いです。ご不明点、ご質問があれば、可能な限り協力させて頂きますので、気軽にお問い合わせ下さい。いつでも応援しています。最後に、受験中、私の心を支えた言葉を引用して結びとさせて頂きます。

 「とにかくこの当時の日本人たちは精一杯の知恵と勇気と、そして幸運をすかさず  
  つかんで操作する外交能力のかぎりをつくしてそこまで漕ぎつけた」 

                   出典 『坂の上の雲』 司馬遼太郎 第一巻 真之

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