「クロスボーダー案件に対応するたびに、より深い知見や国際的な視点の必要性を感じます」—これは、LL.M.への出願書類作成支援の過程で、アプリカントの方々からしばしば聞かれる声です。これまで積み上げてきた実務経験を基盤としつつ、学術的視座を国際的な環境で養成することは、プロフェッショナルとしての価値をさらに高める有効な手段です。今回の投稿では、アプリカントとの対話を通じて見えてきた、LL.M.留学の効用について考察します。
留学がもたらす主な価値
専門分野の深化
金融、知的財産、著作権、国際取引、労働法、税法、M&A、スタートアップ支援など、実務と親和性の高い領域を選択し、理論と実務を架橋する視座を養う。
多様な交流機会
教授陣、実務家、J.D.課程の学生との知的交流に加え、企業関係者との対話、業界関連イベントへの参加を通じて、教科書に依らない実践的知見を獲得できる。
トップスクールでの学修経験の信頼性
世界的に著名な教育機関での履修歴は、国際的キャリアを志向する上で、確かな信頼性と説得力を担保。
スキルセットの拡張
批判的思考力、プレゼンテーション能力、論理的文章構成力など、国際舞台で必要とされる汎用的能力の向上が期待される。
国際的人的ネットワークの構築
世界各国から集う法曹実務家との出会いは、帰国後も続く貴重な人的資産となり得る。
LL.M.修了後の進路としては、以下のようなオプションが挙げられます。
例)
国内外の法律事務所における専門性を生かした業務従事
多国籍企業、スタートアップ等における法務責任者としての参画
大学での教育・研究活動への従事
政府機関・国際機関への出向または転職
アプリカントとの対話を通じて印象的な点は、「キャリアの射程を広げる」という発想を有し、さらには中長期的な視点に立ち、グローバル社会で活躍できるリーガルプロフェッショナルを構想するその意欲的な姿勢です。