定冠詞にはわけが「アリ」ます。(その1) — by 加藤

英語の話に絡めて、映画鑑賞や音楽鑑賞が私の趣味であると、これまでお話ししてきました。

実は私のもう一つの趣味に、格闘技観戦があります。

これまた皆さんのほとんどがお生まれになる前のお話で恐縮です。(私の話はほぼすべてが古い時代のものですので、あしからずご承知おきください。)

時は1976年、私がまだ中学生だった頃です。テレビで「格闘技世界一決定戦」が放映されました。歴史に残る一戦なので、格闘技ファンなら若い方でも聞いたことがあると思います。「アントニオ猪木vs.モハメド・アリ」の異種格闘技戦(ヤラセなしのリアルファイト)@武道館でした。猪木はプロレスラー、アリは米国のボクシング世界チャンピオンです。大の格闘技ファンである父と私はテレビにかじりついて観戦したものです。

この大イベントはそれまでの宣伝が非常に華々しく、また、事前の調印式や記者会見なども日米で大々的に放送されて、世界中の注目を浴びていた世紀の一戦でした。(後付けの知識ですが、その試合はなんと世界34か国で放映されたそうです。)

それで、結局その試合の内容と結果は、、、と言うと、多くのファンをがっかりさせる内容でした。ハードパンチを避けるため、猪木は15ラウンドのほとんどでリングの床に背をつけ寝転がったままの姿勢でアリの足をキックするだけ。アリはパンチをほとんど出せずで、お互いの良さがまったく出ない試合でした。結果は引き分けでしたが、私も随分がっかりして見終わったのを憶えています。

さて、こんな格闘技のお話が、英語の定冠詞と一体どういう関係があるのでしょうか? そのわけは、同タイトル記事の『その2』でお話ししたいと思います(※1週間以内にアップ予定です)。

コンピューターで受験するIELTS【京都会場新規開設】

一般財団法人 日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF)より、本日標題のお知らせを頂きました。*JSAFはIELTS共同所有者のIDP:IELTS Australia認定のIELTS公式テストセンターです。

これまで2019年に東京、2020年に大阪と相次いでテストセンターを開設して来られましたが、今年3月には“コンピューターで受験するIELTS 京都会場”を新規開設されるそうです。以下、頂いたお知らせを掲載致します。

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<会場案内>
◆京都で新たにスタートする「コンピューターで受験するIELTS」第一回 2022年3月27日(日)スタート
会場:京都大学吉田キャンパス南構内国際⾼等教育院棟B1F(〒606-8501 京都府京都市左京区吉田二本松町)
試験申込はウェブサイト上で本日2月17日(木)より開始します。
※特設ウェブサイトはこちら https://jsaf-ieltsjapan.com/kyoto-computer-delivered-ielts/

<JSAF-IELTS公式テスト 京都会場 実施スケジュール>
※下記日程は変更が出る場合があります。最新情報、追加日程は上記ウェブサイトにてご確認ください。
コンピューター受験
3月27日(日)、4月2日(土)、4月17日(日)、5月14日(土)、5月22日(日)
5月28日(土)、6月11日(土)、6月18日(土)

ペーパー試験
3月26日(土)、6月4日(土)、10月8日(土)、11月26日(土)

ペーパー試験は、紙ベースの参考書などで本番を想定した準備がしやすいため、多くの受験生に好まれる受験形式ですが、2019年よりスタートしたコンピューターで受験するIELTSをきっかけに、「一日でも早く結果を知りたい」「タイピングの方がライティングに取り組みやすい」など、コンピューターで受験する学生も増加傾向にあります。今回、コンピューターで受験するIELTS新設により、京都会場でも、ペーパーかコンピューターかを選んで、JSAFのIELTSを受験できるようになります。
プレスリリースはこちら→ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000021417.html

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近辺の方は是非ご活用なさってみて下さい。

 

紅茶と一緒にスコーン?– by 加藤

私が日本で大学3年生だった頃のお話です。

当時私はESS(英語部)部員であり、また、他大学とのESS連盟(十数の大学の英語部からなる連合組織)の委員でもありました。

その日は、大学対抗英語弁論大会が開催され、私はその実行委員の一人でした。

10人ほどのコンテスタント(Speakers)による英語スピーチがすべて終わりました。審査員控え室では、3人の審査員(米国人教授、英国人教授、米国で博士号を取った日本人教授)が真剣な表情で入賞者を厳選していました。

なんとか審査が終了し、結果発表の時刻までには少し時間が余りました。

そこで、私は3人の審査員の先生方に向けて、

Please have some tea and cookies, and wait for another 15 minutes or so.

と言いました。

そうすると、おもむろに英国人教授が持ち前の強いイギリス訛で言いました。

Those are not cookies. Those are biscuits!

ちょっと不機嫌そうな表情に見えました。

私は一瞬何が起こったのかが分かりませんでしたが、一拍の沈黙を置いて、残り2名の審査員(米国人教授と米国で博士号を取った日本人教授)が、

Ah! Oh, yes.

と合点が行ったという様子でした。2人とも笑っています。英国人教授も笑顔になっています。

私もすぐに状況が飲み込めました。そこにあったお茶菓子は、アメリカ英語ではcookiesだが、イギリス英語ではbiscuitsである、ということですね。「日本語でもビスケットという言い方もあるしな」と、私も心の中で合点が行っていました。(加えて、英国人の方は一般的に、イギリス英語こそが本家本元の正統派であるという誇りを抱いているので、その点もほのめかしているようでもありましたが。)

どちらにしても、その後は3人の教授たちはその話題も含めて和やかに談笑をしてくれ、私も大変ホッとしたものでした。

ちなみに、アメリカ英語でbiscuitと言えば、一般に日本語のスコーン(私はあれを食べると必ず喉が詰まります(笑))のことを指します。

(※アゴスでは、たとえば、IELTS ReadingとListeningのクラスで、一部、イギリス英語をアメリカ英語と比較しながら学ぶこともできます。)

“卵の提出期限”? — by 加藤

私が20歳台前半で、米国西海岸の大学院に留学していたころのお話です。

私の親友にロサンゼルス出身の日系米国人であるスティーブンがいました。

彼は両親とも日系3世で彼自身も見た目は100パーセント日本人でした。しかし、両親とも日本語を話せなかったせいで、彼も一言も日本語を話せませんでした。当然ながら私との会話はすべて英語です。

ある日、スティーブンと私で、両方の友人である日本人留学生のヨウコさんのアパートに遊びに行ったときのことです。

ヨウコさんの冷蔵庫の扉の上にはカレンダーが貼ってあり、その〇月△日のところに、「Eggs deadline」と書いてありました。

皆さんはこれが何を意味するか、分かりますよね?

そうです。

「その日に卵の賞味期限が切れる」という意味でしょう。

ヨウコさんはしっかり屋の倹約家で、食材は一つたりとも腐らせて捨てることがないよう、買ってある卵はそれまでにすべて消費しようと思って記したメモ書きでした。私にはその意味がしっかりと分かったのですが、それを見たスティーブンが、

What do you mean by this, Yoko? Eggs deadline???

と訝し気に聞いていました。どんな意味かまったく分からない様子です。

そこで、私から英語で、「これこれこういう意味のつもりなんだよ。これって通じないの(It doesn’t make sense?)?」と言ったところ、スティーブンが、

Oh! You mean, “Eggs expire”!

と、初めて合点が行ったという声を上げました。

そこで、ヨウコさんと私は、「あぁ~!」となった訳です。

このexpireは自動詞で、「期限が切れる」という意味で、Eggs expire.はSVという第一文型です。メモ書きをする際も、彼(ネイティブ)だったらそのように書くとのことです。

ヨウコさんと私は、目から鱗が「ポロリ」と落ちた音を聞いた気がしました。

ちなみに、食品の賞味期限は、expiration date、または、best-before date(「その日までに消費するのが最も味が良い」から)などと言います。上記の経験の後で勉強して知りました。

映画で英語のイディオムを学ぼう!(その2) — by 加藤

(以下は前回の私のブログ記事『映画で英語のイディオムを学ぼう!(その1)』の続編(完結編)です。)

もう2セット、私が観てきた映画の中に出てきたイディオムとその日本語字幕での意味、その場面と、解説を挙げてみます。

(2)

What’s in it for me?

「見返りは?」

【場面】

どの映画かは忘れましたが、刑事ものの一つです。ある刑事が既に収監されている刑務者に、司法取引の一環で捜査協力を依頼します。それに対する刑務者のセリフです。

【解説】

What’s in it for me?は直訳すると、「それには(= in it)、私にとって得になる(= for me)ことは何かあるのか?」となります。字幕には字数制限があるので、上記の、これもとても引き締まった訳になっています。この日本語訳にもちょっと感心しました。

 

(3)

Scotch drinker? That’s my kind of guy.

「スコッチ派かい? 仲間じゃないか」

【場面】

たしか、ロビン・ウィリアムズ主演の「ミセス・ダウト」の一場面です。ウィリアムズが扮する男ともう一人の男とのバーでの会話に出てきたセリフです。

【解説】

セリフの前者は、(Are you a) Scotch drinker?の( )の部分が省略されたもので、意味は、「君は(バーボンなど他の種類のウイスキーではなく)スコッチ・ウイスキーを好んで飲むタイプかい?」です。That’s my kind of guy.は、「僕と同種の輩だね。同じ好みだね」くらいの意味です。友人として親しくなりたい、という話者の意図が感じられる表現です。

 

さて、今改めて今回のブログ記事の『その1』と『その2』で挙げたイディオム3セットを見返してみると、どれも犯罪がらみだったり、お酒に関わる内容なので、TOEFL iBT®やIELTSのリスニングには、どう逆立ちしても出てきそうにありませんね(爆)。

今回はたまたまそういうイディオムでしたが、TOEFL iBT®やIELTSのリスニングにも役立ちそうなイディオムもたくさん洋画には出てきます。

総じて、米国映画を観るなどして、「英語は楽しみながら学ぶと、学習が長続きしますよ!」というメッセージでした。