IR (Integrated Reasoning)の採点の仕組み – by 中山道生

アゴス・ジャパンGMAT講師の中山です。

2012年に AWA が1つに減り IR が導入された直後に、IRセクションで何問正解すれば何点になるかを当時の公式模擬試験 GMATPrepで検証したことがあります。

その時に作成したのが以下の表です。

スコア 正解数 スコア 正解数
8点 9~12問 4点 5問
7点 7~9問 3点 4問
6点 7~8問 2点 2~3問
5点 6~8問 1点 0~1問

ところが先日、授業後に「IRセクションに採点されない問題が3問あるにもかかわらず、正解数が4問と5問の場合だけ必ず3点または4点になるのは矛盾しているのではないでしょうか」という趣旨のご質問がありました。(上表の赤字部分)

実は、2012年にこの表を作成した当時は IR にダミー問題があることが明言されていなかったため、「問題の難易度によってスコアの重みが違うということだろう」と納得して不思議に思わなかったわけでした。

しかしその後の「IRにはダミー問題が3問含まれている」というGMACの発表を考慮に入れると、確かに「正解が5問の場合にはそれらのうち何問かが採点されてもされなくても必ず4点になる」というのはおかしなことです。

そこで、本当に上の表が正しいのか、現行の Official Practice Examsで再検証してみました。

いくつかパターンを変えて、12問のうち最初の方を間違えたり最後の方を間違えたりと正解・不正解問題を変えて試してみたところ、上の表と全く同じ結果になりました。(IRセクションは Computer Adaptiveではないため、公式模擬試験では何度受験しても全く同じ問題が順序を変えて出題されます。)

つまり、現行の本試験でも、GMATPrep 時代と採点アルゴリズムには変更がないようです。

どうやら、正解数が5問以下だった場合は「ダミー問題」は存在せず全問題を採点していて、6問以上正解した場合のみダミー問題を計算に入れるという仕組みになっているようです。

「採点されない問題が含まれている」および「難問の方が易しい問題よりも重みが大きい」という公式発表と、今回の再検証結果を踏まえると、結論として、IR の採点の仕組みは以下のようになっているようです。

・正解数3問以下・・・1問あたり0〜1点

・正解数4〜6問・・・1問1点

・正解数7〜12問・・・1問あたり0〜1点

以上、IR 採点の仕組み再検証結果のご報告でした。

採点の仕組みを踏まえた上での目標スコア別の最適な試験戦略については、IR Strategy クラスの中で具体的に解説しています。

Official Guide 2020 は4月末に発売されます – by 中山道生

アゴス・ジャパンの中山です。

2015年以来、年に1回改訂されている GMAT Official Guide ですが、今年は今までよりも2か月早く、4月に発売されることになりました。

2019版同様、電子書籍版と紙の書籍版が選択できます。

どちらのフォーマットを購入した場合でも、全収録問題をインターネット上で解くことができます。

また、2020版から新しく追加されるサービスとして、モバイルアプリをスマホやタブレットPCにインストールしてオフラインでも( IR 以外の)全問題を解くことができるようになります。

さらに、OG 2020 は 2019 よりも100問以上問題数が多く、Verbal / Quantitative Review は、それぞれ約50問ずつ 2019よりも問題数が増えるようです。

4月末に発売されましたら、新規導入のモバイルアプリの使い勝手等も含めて、さらに詳しい内容をレビューしていきたいと思います。

GMAT対策に必要な学習時間の目安 – by 中山道生

アゴス・ジャパンGMAT講師の中山です。

これからGMAT学習を開始しようとする方からよくあるご質問の1つに「GMAT対策にはどのくらいの時間がかかりますか?」というものがあります。

以下、一問一答形式で、よくあるご質問にお答えします。

Q1. GMAT対策にかかる合計時間はどのくらいですか?

A1. 大雑把にいえば、300時間くらいになるのではないでしょうか。

数学が得意か苦手か、英語が最初から得意か勉強して伸ばすか等で、この時間は大きく変わります。少ない方で100時間以内、多い方で500時間くらいです。

Q2. 1週間の学習時間の目安は?

A2. 最低で3〜5時間、平均で5〜10時間くらいになると思います。

通学またはオンラインのクラス受講を開始した後、授業の復習と宿題をこなすのに3〜5時間かかります。それ以外に、単語を覚えたり読解の訓練をしたり、数学であれば公式や解法等の必要事項を自分で学習したりするのに2〜5時間かける方が多いようです。

平日の平均学習時間は1時間程度で、週末にまとめて学習するというパターンが最も多いです。

Q3. GMAT対策を開始してから目標達成までの期間は?

A3. 3〜6か月くらいが目安です。

試験結果のご報告をお送りいただいた方のデータのうち、最終的に目標スコアを達成できた方の統計を取ると、GMAT Verbalクラス初回授業の受講開始から目標スコア達成した試験日までの平均期間は5.4か月です。

早い方で学習開始から3か月以内、仕事の都合で学習休止期間等も挟みながら対策をした場合等、遅い方で2年くらいです。


以上は、アゴスのクラスを受講した場合の一般的な日本人の方の学習時間の目安です。数学・英語に得意・不得意の差が大きい場合は、上記の目安が当てはまらないケースも多いです。

また、学習期間について上記以外のご質問がありましたら、回答を追記しますので、お知らせください。

Exams 3 to 6 は追加購入しても2回まで – by 中山道生

アゴス・ジャパンの中山です。

以下の記事で紹介している通り、有料の公式模擬試験である Exas 3 to 6 はリセットが1回しかできないため、最大2回しか受験できません。

しかし、何度も再購入すれば、何回でも受験できるのではないか? という疑問がありましたので、先日、GMACに問い合わせたところ、標記の事実が判明しました。

同じアカウントでは追加購入した Activation Codeを使用することができないため、有料公式模擬試験を追加購入しても結局使えず、意味がないことになります。

(ただし、、、有料公式模擬試験を購入するという目的のためだけに、mba.com に新規アカウントを作成し、Exams 3 to 6 を再購入して受験するという「抜け道」的な方法は依然として残されてはいます。その場合、くれぐれもGMAT Official Account は作成せず、mba.com への sign upするためだけのアカウント作成にとどめておく必要があります。もし、GMAT Official Accountを二重に作成してしまった場合、不正受験を疑われて後々、非常に面倒なことになる可能性があります。)

※ 以上は、2019年2月21日時点での情報です。今後、購入ルールやアカウント作成ルールが変更される可能性はあります。

GMAT Verbalスコアと正解率の不思議な関係 – by 中山道生

アゴス・ジャパンの中山です。

Verbal / Quantitative はご存知の通りCATでスコアが算出されます。具体的な計算方法については、「非常に複雑なアルゴリズムを使っている」とだけ公表されていて、正確な採点方法はわかっていません。

ただ、本試験の多くのESRを比較してみると、一般的なVerbal目標スコアを取るための必要正解率の目安を知ることができます。

目標スコアのための必要正解率の大雑把な目安は、以下の通りです。

  • V. 25点: 50%
  • V. 30点: 60%
  • V. 35点: 70%
  • V. 40点: 80%

すなわち、Verbalスコアを2倍した数字が大まかな目標正解率の目安になります。

ただし、上の数字は実は±10-15%くらいの誤差があります。実際の本試験はCATで採点されるため、難問の方が加点率が高く、易しい問題は加点率が低くなるからです。

易しい問題を間違えた場合は、高い正解率でも高得点が出ない場合があります。

たとえば、極端なケースとしては以下のような例があります。(右上の「Total」正解率は私の加筆です。)

上の2つの試験結果では、前半の正解率が全く同じだったにも関わらず、合計正解率が15%以上低い方が10点もスコアが高くなっています。

Verbalでは36問中6問(約17%)が採点されないダミー問題ですが、ダミー問題で正解だった場合と不正解だった場合との運・不運を考慮に入れたとしても、このような差が出るのは驚くべきことです。

おそらく、約67%の正解率で25点だったケースでは、低いレベル設定の問題を間違えた可能性が高く、60%以下の正解率で35点だったケースでは、ほとんど難問だけを間違えたという可能性が高いのではないかと推測しています。

本試験や模擬試験で、なかなか30点を超えられなかった受験者の方ほど、「本試験ではOfficial Guideのような易しい問題は出ないから、もっと難しい問題で訓練する必要がある」などと学習体験談に書いていたりすることがありますが、大きな誤解です。

Verbal 45点を目指したい場合は別ですが、一般的な目標スコアである30〜35点前後を取るためには、多くの難問に正解することよりも、平均レベル以下の基本問題を落とさないことの方がはるかに重要だと言えるのではないでしょうか。

単語帳アプリに「My List」を追加しました – by 中山道生

アゴス・ジャパンの中山です。

単語帳アプリに、自由に単語を追加したり削除したりできる「My List」機能を追加しました。

単語を入力して辞書ボタンを押すと意味が表示されますので、手軽な辞書アプリとしても使用することができます。

また、iPhone / iPad には「日本語⇔英語」だけでなく「英語⇔中国語」「英語⇔フランス語」など多くの言語の辞書をインストールすることができますので、学習したい言語に応じてお好みの辞書を利用できます。

アプリを最新版にアップデートしても、今までの学習記録はそのまま残ります。

今後も安心してアプリを常に最新の状態にしておかれることをお奨めします。

本当は怖い GMAT Verbal 採点法 – by 中山道生

アゴス・ジャパンGMAT講師の中山です。

本試験や模擬試験を何回か受験すると、実力はそれほど変わっていないのに、Verbalスコアが10点くらい変動するということは非常によくあります。

スコアが大きくブレる原因の1つに、GMAT独特の採点方法があります。

GMAT VerbalとQuantitativeセクションは、Computer Adaptive Test (CAT)と呼ばれる仕組みで採点されます。最初に平均レベルの問題が出題され、正解するとよりレベルの高い問題、間違えるとよりレベルの低い問題が出題され、最後に解いた問題のレベルによってスコアが決まります。

問題の重要度は最初の方が高く、最後の方に行くにしたがい徐々に問題の重要度が下がっていくことがわかっています。

ただし、CATである点はよいのですが、コワいのは、VerbalセクションでのReading問題の出題順序です。

下記の表は、本試験と同じプログラム / 採点アルゴリズムを使用しているGMAT Official Practice Examで起きた Verbal 3科目の出題順序(SC: Sentence Correction, CR: Critical Reasoning, RC: Reading Comprehension)です。

Exam 1 → 2 → 3 に行くにしたがって、Reading Comprehensionが最初の方に集中しています。

RCが苦手な一般的な日本人受験者にとっては、最初にRCが連続して出題されると体感的な難易度が大きく上昇するはずです。

実際、本試験や模擬試験でも、「最初の方のReadingで時間をかけすぎてしまい、途中からあせって集中できなかった」というような失敗談は多いです。

Verbal 3科目の順番は全くランダムだとされているため、Exam 3 のように偏った出題順序は十分にありえることだと覚悟しておく必要があります。

以上を踏まえた試験戦略としては、心構え的なことになりますが、「試験中にどこでRCに出会っても動揺しない」「序盤でRCが連続で出ても、中盤で出ても、RC戦略(何パッセージ目を捨てるか等)を変えない」ということが重要だと思います。

CATでは試験の最初の方の問題の方が重要度が高いとは言っても、普段の問題練習で正解率70%の実力の方が、最初の方の問題で時間をかければ80-90%以上正解できるということは期待できません。

第2パッセージが Verbal 5問目で出ても、15問目で出ても、試験会場で不運を嘆いてもしかたがありませんので、普段と同じテスト戦略で、最初から最後まで淡々と目の前の1問1問に集中するのがお奨めです。

GMAT(R)単語帳アプリに音声を追加しました – by 中山道生

アゴス・ジャパンの中山です。

「GMAT®単語帳4800」にアメリカ英語とイギリス英語を聴き比べることができる発音ボタンを追加しました。

フラッシュカードの画面でアメリカまたはイギリスの国旗をタップすると、それぞれの国の発音で音声を聞くことができます。

SC:「意味が不適切」な選択肢について – by 中山道生

アゴス・ジャパンGMAT講師の中山です。

Sentence Correction でよくある質問の1つに、「解説によると、この選択肢は『意味が不適切』とのことで不正解になっていますが、○○○○と考えれば意味が通じると思うのですが、いかがでしょうか?」というものがあります。

Official Guideの解説でも、アゴス教材の解説でも、「選択肢(C)は、○○の意味が不適切」という書き方をすることがありますが、これらはSCにおける意味判断は相対比較であるという大前提に基づいて書かれています。

この大前提はVerbal Strategyクラスの初日にお伝えしているのですが、何十問も問題練習を重ねる間に、アゴス受講生の方の中にも、それぞれ1つずつ選択肢の意味を考えて「こちらの選択肢も、これはこれで意味はおかしくないのではないか」と悩んでハマってしまう方は多いです。

GMAT Verbal Sentence Correction問題では、(他の4つが文法的に誤りである場合を除いて、)常に選択肢どうしを比較して「どちらがよりよいか」あるいは「どちらがマシか」を判断すべきです。

他の4つの選択肢が絶対的に誤りである理由を考えるのは、ふだんの学習においても時間の無駄であり非効率であることが多いです。

SC は、「絶対的に正しい文」を選ぶ問題ではなく、「相対的に正しい文」を選ぶ問題だという大前提を意識することで、解答が楽になり効率的になるはずです。

 

完璧な文章などといったものは存在しない完璧な絶望が存在しないようにね

村上春樹「風の歌を聴け」

 

GMAT学習体験談: 640→610→610→700点 – by 中山道生

アゴス・ジャパンの中山です。

4回目で700点を達成された方から学習体験談をいただきましたので、ご紹介します。(公開のご承諾をいただいています)

———— (引用ここから)————–

以下の通り、これまでの報告をさせていただきます。

4回目(11月29日):700 (V:37, Q49)
3回目(11月5日):610 (V:23, Q50)
2回目(9月25日):610 (V:25, Q49)
1回目(8月29日):640 (V:27, Q50)

4月下旬のアゴスの講座の開始日から本日まで、約7ヶ月間で約500時間を必要といたしました。何とか結果を出せて安堵しております。これまで何十回と質疑応答のメールにご対応いただきありがとうございました。

GMATのためだけに毎月80時間程度の時間が積みあがっていき、これで初回のスコアを更新できなかったらという損得勘定が働いたこと、前日に初めて解いたStarter Kit 3で690(1, 2は何度も700以上)を取ったことから、3回目は非常に緊張いたしました。もちろん4回目も緊張いたしましたが、3回目の精神的なダメージが残っていたこと、前日に初めて解いたStarter Kit 4で640を取ったことから、初めから半ば諦めムードであり、程よい緊張で臨めたことが功を奏したのかもしれません(15問目あたりでbothのイディオムだけで解ける問題、30問目あたりで二重所有格だけで解ける問題が現れ、途中からは負け戦の作業感覚で解きました)。

あるいはスコアが高かった1, 4回目は9時開始、2, 3回目は14, 11時開始と少し遅かったのですが、当日は朝起きてからすぐに緊張し始めるため、精神的に疲れ切らずに即臨めたことが頭の回転的に良かったのかもしれません。

これまでにStrategyのビデオは2回、Manualの冊子は約10回、そしてOfficial Guide, Problem Sets, Practice A&Bの問題は3周ずつを回しました。IELTS組であるためか、PC読解に慣れるまでも数十時間が必要でした。

現時点においてもVerbalの約半数の問題に対しては確固たる自信がなく、RCに至っては問題、設問ともに完全に理解できたのは1/4パッセージでしたが、以前にアドバイスをいただきました「完全に理解していなくとも正解できる力」という意味がようやく掴めた気がいたします。問題文をあまり理解できていなくとも選択肢は2, 3択に絞れますので、そこからStrategyおよびManualの知識やアゴスの講座の大量の問題で養ってきた勘で対応できたのだと思います。

8月に授業が終了してからも幾度となくメールの問い合わせにご対応いただきありがとうございました。GMATに留まらず、MBA受験についても良い報告ができるよう引き続き努力いたします。

———— (引用ここまで)————–

 

難関試験である GMAT 試験において、緊張感をどのように克服するかは多くの方にとって非常に大きな課題だと思います。

特に、今まで何百時間も試験対策のために費やしてきた場合は、なおさら1回1回の試験に対するプレッシャーも大きくなるものだと思います。

この方の場合は、前日の模擬試験スコアがそれほど高くなかったことで「半ば諦めムード」的な気分で試験に臨めたことと、朝一番の試験で雑念が蓄積しなかったことが大きな勝因となったようです。