Writingセクション攻略のために(その3):英文のタイピング練習!— by 米田

授業で教えていてよく受ける相談やお悩みの中に、「タイピングが遅いんです。どうしたらいいでしょうか?」というものがあります。
iBTでも、またIELTSであればCDIでも、スピーディーにタイピング出来る能力は非常に重要ですね。日本語であれば早く打ち込めるのに英語だとなかなか難しい、とか、暗記したはずのテンプレートがあるのにそれを設定時間内で打ち込みきれないなど、身に覚えのある方もいらっしゃるかと思います。ETSの”Official Guide”(TOEFL)にも、そのp. 669(6th Edition)で、”Using a Computer to Write”という項目があり、手書きよりもPC打ち込みで普段から練習するように勧められています。

因みに、TOEFLとは関係なく一般的なワープロタイピングの実力チェックには、大学生や社会人だと以下のウェブサイトがよく使用されているようです。ゲーム感覚でローマ字タイピングの能力チェック(速度と正確さのスコア判定)が出来るので、一度試してみて自分のタイピングレベルを把握しておくのもよいでしょう。
・例)https://www.e-typing.ne.jp

冒頭の質問に対する回答はと言えば、やはり練習するしかありませんよね。英文のタイピング練習が出来るウェブサイトも色々と存在しますので、そうしたものを活用するのも一案です。1分間に何単語打ち込めるか=WPMで速度を測ることが多いようですが、大体40WPMを超えると早いとみなされるようです。
・例)https://www.keybr.com

ただ、皆さんはスコアUPのために最短距離を行きたい訳で、“タイピングが速くなる”のはその為の通過点です。ですから、学習効果も踏まえて行うべきはやはり、「サンプルEssayのタイピング練習」に尽きると思います。

AGOSのWritingの授業で使用するManualには、高得点に繋がる多様な文構造やきらりと光る巧みな言い回し、ネイティブから見て自然な表現が散りばめられています。また、論理的で一貫性のある文の繋げ方、紡ぎ方も知ることが出来ます。そうしたEssayをよく分析した上で、タイピング練習の素材として自分の中に沁み込ませる過程を経ていくと、タイピングも勿論徐々に速くなっていきますし、Writing能力そのものが向上していきます。

「当たり前のこと」と思われるかもしれませんが、意外と皆が実践されているという訳ではなく、相談を受けた時にお尋ねすると、「…実はあまりやったことありません💦」という答えが返ってきたりします。

実際にやってみる方の為に、幾つかアドバイスを。
①音読しながらタイピングしましょうーそうすることで、ただ黙って打ち込むよりも表現や構文が記憶に定着し、口をついて出やすくなります。
②同じサンプルEssayをただ1回ではなく、“何回も”打ち込みの練習をし、その度に時間を測っておきましょう。また、午前中、午後、夕方、夜、といった感じで、色々な時間帯に行ってみましょう。そして必ず毎回時間を計測し、“速くなってきている”という手応えを掴みましょう。
③WritingのサンプルEssayの打ち込み演習がルーティーンになって軌道に乗ってきたら、ReadingのPassage、Listeningで学んだLectureのスクリプトなども折角ですから題材として“タイピング処理”しておきましょう。

「タイピングが遅くて、折角Essayに盛り込む考え・論点・アイディアは頭の中にあるのに、それが画面上で文字になっていかない…」というフラストレーションがなくなれば、より内容面に集中してEssayを書けるようになります。頑張りましょう!

英語リスニングの壁:リエゾン(その2)– by 加藤

今回は、英語のリエゾンに関する「こぼれ話」をご紹介します。

よく生徒さんから、「英語のリエゾンは『子音+母音』と並ぶと必ず起こるものなのでしょうか?」というご質問を受けることがあります。その答えは、「必ずではないものの、かなり頻繁に起こります」です。

こんな経験がありました。
今から数年前の2014年のことです。
アゴスの社命により、講師の土橋先生と私とで、TOEFL iBT対策の参考書を共著で執筆していました(河合出版さんより翌年刊行されましたので、ご興味のある方は調べてみてください)。

原稿の執筆と校正作業もほぼ終わり、付属CDの音声データをスタジオ録音することになりました。それに監修役として、土橋先生と私とが同席することになったのです。

場所は、東京某所のマンションにあるスタジオです。
あらかじめ手配していた米国人女性ナレーターと、英国人男性ナレーターがスタジオに現れました。事前に当方で完成し渡してあった英文原稿を読み上げてもらう、という作業を半日以上かけて行いました。

WritingセクションのIntegrated task用に、講義を録音してもらう段になりました。台本の中には次の文がありました:

First, girls do not do better at all-girl schools.

当然ながら、その米国人女性ナレーターは、後半のat allの部分を「アトール」とばっちりリエゾンを利かせて発音します。心地よい響きです。
ですがそこで、加藤が手を上げてガラスの向こう(録音室)にいる彼女にお願いをします。
次のようなやり取りがありました:

加藤: 「今回は高校生用の教材なので、少し易しめにし、あえて若干聞き取りやすい音声にしたいと思います。そこの部分をリエゾンせず(繋げず)に発音して頂けますか?」

米国人女性ナレーター: 「I can’t! (できません!)」
(その後のやり取りで分かったのは、「やりたくない」という意味ではなく、「そういう発音は普通文中でしないので、やろうと思ってもできない」ということです。)

加藤&土橋先生:「え!?」 (2人で顔を見合わせ、驚きで目と目が合う。)
(心の声:「僕らは日本人だけど、atとallを離してat all-girl schoolsと発音できるよね! 僕らの方が偉いじゃん!」(爆))

というやり取りがありました。
もちろん、最後の加藤&土橋の(  )の部分は心の声であり、実際に声に出したやり取りはありませんでした(当然ですが)。

どちらにしても、ここで分かったことは、ネイティブスピーカーは、「子音+母音」と並ぶと、少なくとも自然な話し方ではその子音と母音を文中で分けて発音することができない、ということです。言い換えれば、それくらい頻繁に、ほぼ必ずと言っていいほど、「子音+母音」の並びではリエゾンが生じると考えていた方が無難である、ということです。

皆さんが英語を聞き取る際には、そのことを念頭に置いて聞きましょう。
以上、リエゾンについて、ちょっとした参考になれば幸いです。

英語リスニングの壁:リエゾン(その1) – by 加藤

日本人英語学習者にとって、ネイティブがナチュラルスピードで話す英語を聞き取りにくくしている要因の一つに、「リエゾン」という現象があります。

このリエゾンとは、もともとフランス語における連音の一種のことらしいのですが、英語でも頻繁に起こります。別々の2単語が並んでいても、「子音+母音」が並ぶと音が結合してしまう現象のことです。

分かりやすい例で言えば、Let it go.(懐かしい!ですね)が「レリゴー」のように発音されることですね。この場合は、letの最後の子音である「t」の音と、itの最初の母音である「i」が結合し「ティ」のような音に変化します。「レティ(ト)ゴー」でも良いのですが、米音の場合は、さらにtの音が日本語でいえばラ行に近い音になりますので、結局「レリゴー」に近い発音となります。

Let it go.「レリゴー」のように、非常になじみのある言葉なら良いのですが、そうでない場合、このリエゾンという現象は、ネイティブが話す英語を我々日本人が聞き取る上でしばしば壁となり得ます。

たとえば、Dictation練習をしている日本人英語学習者(初級)が、スクリプトを見ずに音声だけを2,3度聞いて、次のように書き取ったとします。どうしても分からない部分はカタカナで書きとりました:

Iシュダブstayダゥドブtrouble.

(勘の良い方ならば、またはDictationに慣れている方ならば、ここから自分が知っている英文に組み立てられるかもしれません。)しかし、この英語学習者がスクリプトを見たら、次のように書いてあり、愕然とします:

I should have stayed out of trouble.

すべて馴染みのある簡単な単語ばかりが並んでいます。なぜ、この英文が上記のような音に聞こえてしまったのでしょうか?

まず、ネイティブはhの音を弱化または無音化させる傾向にあるので、should haveの部分はまるでshould ofであるかのように発音します。さらに、このshouldの「d」とofの「o」がリエゾンを起こし、「ド」か「(米音では)ダ」のように発音します。
stayed out はステイダウドのようになります。out ofの部分も同様に、「t」と「o」がくっついて「ト」か「ド」に近い音になります。
やはり、リエゾンが英語を聞き取りにくくしていたのですね。

これらの法則は、アゴス・ジャパンのTOEFLやIELTSの特にリスニング初級(Foundation / Base)クラスで学習します。また、Dictationと音マネをすることによって、時間はかかりますが、これをマスターすることができます。
頑張ってください!

TOEFL Essentialsテスト、無料受験キャンペーン!

掲題について、TOEFLテスト日本事務局のETS Japan、TOEFL事業部から先程下記のご連絡を頂きました。“特典内容”を青字に、皆さんに関係する部分を赤字にしています。関心をお持ちの方にとってはなかなか魅力的な機会ですね。「一度受けてみようかな」とお考えの方は是非、お早めに!

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本日は、TOEFL Essentialsテスト無料受験キャンペーン(第一回)開催について、ご案内させていただきます。

2021年にETSからリリースされた自宅受験型の新しい英語4技能テスト「TOEFL Essentialsテスト」は、多段階アダプティブ方式(受験者の正答率によって後に続く設問の難易度が自動調整される技術)を用いた、即答式タスクが特徴です。
TOEFLテストに馴染みがある方にとっては「アカデミック英語のみ出題」「試験時間が長い」「受験料が高額」等のイメージが強いかと思いますが、TOEFL Essentialsテストは「アカデミック英語+一般英語が約50%ずつ出題」「試験時間90分」「日本国内での受験料は$110」です。また、CEFR A1からC2まで、あらゆるレベルの英語力を測定することができ、海外留学の出願においては、すでに利用が開始されています。
現在130を超える世界の大学・大学院入試でスコア採用が始まっており、その数はどんどん増えていくことが予測されます。
https://www.ets.org/s/toefl-essentials/test-takers/scores/acceptance/

本テストは、8月21日に世界中で一斉に実施開始となり、受験者・受験予定者も増えております。
日本国内ではまだ実態を知る人が少ない今、TOEFL Essentialsテストの魅力をいち早く体感してみませんか。

▼本キャンペーンに応募して、3つの特典をゲットしよう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
特典① TOEFL Essentialsテストの無料受験(通常申込の受験料 US $110分が実質無料)
特典② 当選者限定!受験前オンライン説明会への無料参加
特典③ 受験いただいた方限定!The Official Guide to the TOEFL iBT Test Volume 1 (DVD-ROM版) を無償提供
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

テストが開発された目的を鑑み、以下いずれかに当てはまる方を対象とさせていただきます。

応募対象:
・高校や大学の英語教員、国際系学部の教職員、入試課の職員の方
・留学志願者や英語学習者の英語試験スコアアップやサポートを職業とされている方
・海外留学、進学、自身のレベルチェックのために英語テストを受験したい方

当選人数: 10名

応募条件:
・9月28日(火) 〜30日(木)の間にETSアカウント新規作成(TOEFLテスト未受験の場合のみ)、受験申込、受験料 US $110の立替支払いを行えること 
・立て替えていただいた受験費用は、受験日から1ヶ月以内にAmazonギフト券(E-mailタイプ)でお返しします 
・受験前説明会に欠席された方への録画データ配信はございません。質問はメールでお受けします 
・TOEFL Essentialsテストは「自宅/個室」で受験するテストです(会場受験はできません)。受験に必要な機器・環境はご自身でご用意いただきます。
https://www.toefl-ibt.jp/test_takers/toefl-essentials/take.html#pagelink01

募集期間:
9月21日(火)〜27日(月) 正午まで

当選者発表:
9月27日(月) 18:00  ※当選者のメールアドレス宛にご連絡いたします。

応募方法:
以下フォームから必要事項をご入力の上、ご提出ください。
https://reg31.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=mfm-ldqhof-bf216ffbf332ef1c32555db8510553d8

日頃から英語教育・英語学習に関心の高い皆様からのご応募を心よりお待ちしております。

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Writingセクション攻略のために(その2):英“借”文を意識して書いていく— by 米田

皆さんは“英作文”を学校の授業などで習ったことがありますか? 日本語で〇〇という内容が指定されていて、それを習った文法に基づいて、与えられている英単語を使って順序正しい英文にしなさい、的な問題を通して学習してきたと思います。お手本となる英文があって、そして部品となる十分な英単語が与えられていれば、練習を積んでコツを掴めば書きやすくなったのではないでしょうか。つまり、TOEFLにしてもIELTSにしても、自分の中で思い浮かんだ内容を自在に英文にしていけるようになる前段階として、「書きたい内容」を自然な英文に落とし込むためには、“パーツ”である単語の知識に加えて、“フレーム”とも言える自然な英語構文を十分自分の中に蓄えておく必要がある、ということです。その為に、アゴスの受講生の皆さんが熱心に取り組むのが“英借”です。

例えば、TOEFLのIndependent Taskではよく自分の体験談を用いて理由を説明する、ということがありますね。そういう時には場面設定の文から書き始めることが多いかもしれません。


・サンプル元;During my freshman year at Osaka University in 2012, I took an English literature class.


上記の文を言わば“ネタ元”として、“パーツ”を状況に応じて、また自分の書きたいこと
に応じて書き換えていくこと、その練習をするのが「英借文」です。


・英借文の例;During my junior year at Nagoya University in 2009, I took a Japanese art history class. 

*赤字部分が書き換えた“パーツ”です。

仕組みは単純ですが、この調子で良質なサンプル英文、つまりネイティブにとって自然
な英文の構造を自分の中に蓄え、それをサンプリング(=英借)して様々なアレンジを加
えていく練習を積むこと、これが英語として自然なEssay作成の素地を養うことにな
ります。アゴスのライティングの授業では、TOEFLでもIELTSでも、この“英借”演習
を非常に重視しており、しっかり取り組んだ方は、出題されるトピックが様々でも、落
ち着いて対応出来るようになり、「書きたいことが書ける」ようになってきた、と仰い
ます。

何となく「暗記勝負」というイメージを持たれるかもしれませんね。でも実は、単に英文を丸暗記する訳ではなく、サンプル元となる英文を構造を意識しながら暗記はしますが、それに基づいて自分なりの“パーツ”で書き換えていくので、ネイティブにとって自然な表現や構文を自分のものにしつつ、オリジナルな内容を書けるようになります。そして、元になる英文がしっかりしていれば、英借の範囲内で書くことによりミスが減り、シンプルでクリアな印象を与える文が書けるようになっていきます。
では、折角なのでもう一文。


・サンプル元;How much and how deeply you can sleep differs depending on your age.

「〇〇は■■によって変わってくる、次第である」という意味合いの文です。青字部分を基盤として、それ以外を自分の“パーツ”つまり“書きたい内容・表現”で書き換えます。
授業で上記の文から、以下のように英借して下さった方がおられました。


・例;How much money you are able to earn differs depending on your job title.

皆さんもご自分なりに一文、英借なさってみて下さい。

TOEFL Essentialsテスト(ETSの新しい英語能力評価テスト)が始まりました

掲題について、TOEFLテスト日本事務局のETS Japan、TOEFL事業部から下記のご連絡を頂きました:

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米国の非営利教育団体であるETS(本社:米国ニュージャージー州プリンストン)は、2021年8月21日に新しい英語能力評価テストであるTOEFL Essentialsテストの実施を開始いたしました。

ETS Japanでは、日本国内の英語学習者の皆様を対象にした日本語のWebサイトを公開しております。



TOEFL Essentialsテスト受験者向け日本語Webサイト トップページ

https://r31.smp.ne.jp/u/No/6793387/i35l2aH7ci0D_0/toeflessentials.html



テストの特徴、受験料金、申込方法、受験当日の流れ、スコアスケールなどから、他の主要な国際基準の英語テストとの違いや教育機関での採用状況なども掲載しています。

既に公開されている英語のTest Takersサイトに加え母語での情報収集により、テスト詳細の理解促進にお役立ていただければ幸いです。



TOEFL Essentialsテスト 受験者向け日本語Webサイト公開のリリース

https://www.toefl-ibt.jp/release/20210811.html

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スピーキング攻略 (TOEFL iBT®/IELTS):徹底的に準備をしよう! — 柳澤洋美

Speaking Sectionでは、聞かれたことに自由に答えられて、相手に納得してもらうこと…それが理想です。大した準備もせずにTOEFL iBT®で20点、あるいはIELTSで6.5以上を取れるような帰国生の方などは別として、純ジャパにとって、自由に意見を言って高得点を狙えるまでには、かなりの道のりがあります。

スピーキングの試験対策の王道は、TOEFLであれIELTSであれ、過去問を使って準備するのが最も効率的な勉強方法となります。

その効率的な勉強とは…

①トピックのリストアップ:過去問を見て、どんな内容が良く出るのか研究してみましょう。「教育」、「健康」、「テクノロジー」、「経済」…あたりは一般的です。IELTSでは「犯罪」系の問題も多いです。

②スクリプト化:トピック1つに対して過去問5~8つを選んで書いてみます。文字数にすると120語(1分間)※が目安です。

○さて、スクリプトを書くコツとして、まずは主張のポイントを述べて、それをサポートする具体的な話を入れる。日本語的に考えると、ポイントをズバッと言わないことが多いので、話が分かりにくいと判断されて(低いスコア)しまいます。

○ピカッと光る単語を2,3個を書き入れる。例えば、高齢化社会についての問題で、barrier-free(バリアフリーの)、 feel isolated from society(社会から孤独していると感じる)、average lifespan(平均寿命)などを入れて、採点官に語彙力のアピールをします。

自分が得意としないトピックでは徹底的にスクリプト化をしましょう。準備したお題が出る可能性は低いとしても、きちんと準備すれば、そのトピックに関する一通りの英語表現が出てくると思われます。同じネタや表現を使って答えられるはずです。

※河合出版:『かなり詳しく学べるTOEFL iBT®テスト スピーキング・ライティング 演習編』より

Writingセクション攻略のために(その1):日本語で思いついたことを整理し直す — by 米田

TOEFLにしてもIELTSにしても、高スコア獲得のためには作文力即ちWriting力を高めなければいけませんよね。高得点につながるWriting力には幾つもの要素があります。語彙力や文法力、説得力のある論理展開、IELTSであれば図表の正確な解釈(Task1)、TOEFLであれば高精度なListening理解力(Integrated Task)などなど・・・。
両方の試験でWritingセクションを教えていると、異なる部分も勿論ありますが、根底にある、地力を成す力は同じなんだな〜と感じさせられますし、求められる技能の普遍性を痛感します。

さて、お題を与えられて考えて、「こういうことを書こう」と頭に思い描き、タイピングをし始める、または鉛筆を走らせます。そうして自分で書いたものを添削してもらった経験がある方ならよく分かる通り、頭の中で考えた時には全く違和感のなかった文でも、それをネイティブグレーダー的な視点で見ると不自然な英語、説明不足な英文だったりすることがよくあります。

その原因はどこにあるんだろう?・・・と考えてみると、一つは我々が頭の中で思いつく日本語の文がある意味高度で、また端折るのがデフォルトになっていることに気付かされます。日本語ってそういう意味では抽象的で動詞がメイン、対して英語はより具体的かつ説明的であり、名詞がメインと言えるかもしれません。

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。」・・・とまで抽象的(かつ詩的で美しい)な和文は流石に考えないかもしれませんが、「都会に住んでいるとなかなか緑に接する機会がない」といった文、違和感なく思いつきます。

でもこれを自然な英文にするとなると、なかなか難しいかもしれません。そういう時に役立つのが、敢えて“説明調”に“和文和訳”する、という考え方です。勿論実力を上げるにつれて、英語でイメージして書いていくことを目指しますが、その前段階として、です。先程の文で言うと、

「都会に住んでいるとなかなか緑に接する機会がない」
→和文和訳:「都会にはあまり緑がないので、都会で緑を見ることはとても難しい」
It is very difficult to see green places because there aren’t many in the city.

趣は損なわれるかもしれませんが、一旦“和文和訳”を経由すると、自然な英語にしやすくなります。因みに上記の元々の和文をGoogle翻訳にかけると・・・。是非確認してみて下さい。

IELTS Reading & Listeningの「大文字 or 小文字」問題 ― by 土橋

「IELTS ReadingとListeningの空欄補充問題は、解答内容やスペルが正しくても、すべて小文字で書くと不正解になりますか?」

先日実施したIELTSのセミナーで、参加者のお一人からいただいたご質問です。セミナーで扱ったListening問題の一つに人名を書き取るものがあり、正解の「Angela」を「angela」と書いたのだそうです。

解答内容も綴りも正しいのですが、これは不正解なのでしょうか?

このご質問に対する答えは、「IELTS ReadingとListeningの空欄補充問題では、解答内容とスペルに誤りがなければ、すべて大文字もしくは小文字で書いても正解となります」です。つまり、ある問題の答えが「Angela」だったとして、以下はすべて正解です。

・Angela
・ANGELA
・angela

このように、すべて大文字もしくは小文字で解答しても、採点に影響はないわけです。答えが人名や地名などの固有名詞であっても、これは同じです。

当校では授業初日にお伝えする内容の一つですが、IELTS初学者の中にはご存知ない方も多いかもしれません。これからIELTSを初めて受験される方は、心に留めておきましょう。

これから留学準備をしたいという皆さんへ。「いきなり長文はダメ!」の話 — by 柳澤洋美

英語の勉強には順番があります。

まず1つ目は「英単語の暗記」です。まずは1カ月かけて、とにかく単語集を1冊それだけやる。文法は? 長文読解は?と焦る気持ちを抑えて、単語の暗記に専念しましょう。

その次は「英文法の習得」です。これも1カ月かけて、中高の文法問題集を1冊やってみましょう。忘れていた文法を思い出しましょう。文法に自信がないと言う方は中学の英文法問題集1冊を2週間でやる。そして、少し難易度が上がった高校の英文法問題集1冊を2週間で解く。これで1カ月です。

いきなり長文を解いたところで、単語も分からない、文法がしっかり入っていないので訳せない…それでは長文をやってもあまり意味がないし、第一、見直しするのに辞書を引きながら、文法書を見ながらでは効率が悪すぎます。まずは単語と文法をこなして英語の基礎力をつけましょう。

ただし、アゴスにも「時間がないんです!」という生徒さんがたくさんいらっしゃいます。そうすると、単語・文法・長文と並行して学ぶしかないですね。特にお時間のない社会人の皆さんにとっては仕方ないかもしれません。そういう「時間ないんです」という皆さんへのカリキュラムでクラスを進めていきます。確かに大変ですが、宿題などをこなしていただければ、志望校の合格も勝ち取れる自慢のカリキュラムです!

でも~、もし今、このブログを読んでいただいている方で、留学までの時間が比較的ある方…。並行して学ぶ方法はスーパー大変です。同時進行で3つをやるよりは、1つずつ丁寧にこなしていった方が絶対に頭に入っていきます。そして、学習の定着もいいです。「単語→文法→長文」…これが理想の英語の勉強の順番です。