GMAT学習体験記:720点(HBS合格)by 中山道生

今年、Harvard Business School に合格された方から受験体験記を頂きましたので、ご紹介します。
(公開のご承諾をいただいています)

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1回目 (2018.06.18) :620 (V 27/Q 49/IR 4/AWA unknown) ⇒ キャンセル
2回目 (2018.10.09) :690 (V 32/Q 50/IR 7/AWA unknown) ⇒ キャンセル
3回目 (2018.10.28) :620 (V 28/Q 47/IR 7/AWA unknown) ⇒ キャンセル
4回目 (2018.11.18) :640 (V 30/Q 48/IR 5/AWA unknown) ⇒ キャンセル
5回目 (2019.06.09) :720 (V 38/Q 49/IR 7/AWA 5.5) ⇒ 出願スコア

上記の通り、私はGMATのスコアメイクに約1年間を要しました。4回目のスコアが出た後、当年度の出願を断念し、翌年度の1st Round出願へ切り替えるというプロセスを辿りました。スランプに陥っていた私は、4回目の受験後、藁にもすがる思いで「GMAT Verbal 35点突破プライベートレッスン」にて中山先生のご指導を仰ぎました。そこから半年間、腰を据えて徹底的に基礎からVerbalの復習を行ない、5回目の受験でようやく目標を達成することができました。少し長くて恐縮ですが、以下の自身の反省と、最後の半年で見出した自分なりの勉強法が、受験生の皆さまの一助になりましたら幸いです。

< 各セクションの勉強法:Quant >
1. 高難易度問題に日頃からチャレンジ
マスアカやOfficial Guide等で基礎力を固め、Practice Examでも50-51点が安定して出る状態になってから初回を受験しましたが、本番の点数は49点。本番の難易度の高さに愕然としました。以降は巷で高難易度とされる問題集でCATテストを繰り返し、日々コテンパンに打ちのめされながら(30点台や20点台後半はザラ)、本番でもくじけないメンタリティと、難問が続いてもペースを崩さず31問やり抜くタイムマネジメント力を養いました。

2. 間違えた問題の反復演習
間違えた問題はノートに書き出し、「なぜ間違えたのか」「次に同様の問題が出たときに2分半以内に回答するにはどうしたらよいか」を手書きで徹底的に分析しました。定期的にそのノートの問題を解き直し、時間内に回答できるようになるまで反復しました。この勉強法は弱点の克服だけでなく、自身の得意・不得意の理解にも役立ちました。そのおかげで、得意問題で勝負し、不得意問題は潔く回答して先に進むといった、冷静に問題を取捨選択する実践的な姿勢を身に着けることに繋がりました。

< 各セクションの勉強法:Verbal >
1. 英文に心から興味を持って読む
RC/CR/SCいずれのパートも苦労しましたが、最も苦手意識が強かったのはRCです。RC攻略法は身に着けていると自負していたにも関わらず、点数が安定せず暗中模索状態でした。中山先生に自身の弱点と改善法をご指導頂き、「どのように正答を導き出すか」ではなく、「どのように英文を読むか」ということに集中して練習を重ねたところ、RCだけでなくCRでも点数が安定するようになりました。驚くべきことに、私にとっては正答を導き出すことを戦略的に考えるのではなく、「どんなに面白いことが書いてあるのだろうか」と心から興味を持って読解に臨むメンタリティが点数UPへの最大の攻略法だったようです。

2. 正解した問題も徹底的に復習する
点数が低迷していた頃は、なんとなく正解できた問題に対し「なぜ正解だったのか」を問わず、一貫しない思考でその場しのぎの解答を繰り返していました。この為、身に着けるべき基礎知識の定着がまばらになり、Verbalの点数安定に苦しんだと反省しています。当初は「毎日何問」とノルマを設定して勉強していた結果、数をこなすことが目標化し、質より量を重視してしまっていたことも、上記のような勉強に陥っていた要因だったのではないかと感じます。
後半の勉強では、1パート1日1-2問という日すらあるほど、徹底して量より質にこだわり、自身の正解・不正解に関係なく、少しでも疑問に思ったことはその場でとことん究明する姿勢を貫きました。その為、自力で解決が難しい多くの場面で、中山先生に大変お世話になりました。数は少なくても各パート毎日欠かさず問題に触れるようにし、解答の感触をキープしていたことも大切だったと感じています。

< 本番の攻略法 >
1. タイムマネジメント
4回目の受験までは深入りする癖が治らず、難易度の高い問題で時間を浪費したことが後半の焦りの要因となっていました。結果、後半に難易度の低い問題を落としたり、時間切れになる等の失敗を繰り返していました。5回目の受験では、時間内に全設問に触れる為に3分以内で解けそうに無いものに対して深入りせず、「はい、次~」とランダムクリックして先に進むことを大切にしました。結果、後半も一問一問丁寧に向き合う事ができ、正解すべき設問を確実に取れたことが重要だったと痛感しています。

2. 適度な開き直りの精神
どんなに上手く行かなくても途中で諦めたり、逆に焦って空回りしたりせず、目の前の問題に淡々と取り組むメンタリティが成功に繋がりました。いつもQuant → Verbal → IR → AWA の順に受験していたのですが、5回目の受験の際、冒頭のQuantが大変難しく、分からない問題が10問、ランダムクリックが5問と危機的状態でした。「しくじったかな…」とも思いましたが、半ば開き直って淡々とVerbalを解くことにより、Quantから続いたタイムマネジメントのリズムを維持し、練習通りのパフォーマンスを発揮できたように思います。4回目までの私は、Quantの失敗を引きずってVerbalの集中力を欠いたり、RCの文章が頭に入ってこないなど、負のスパイラルに陥っていたと思います。適度に開き直り、前だけを見て、落ち着いて目の前の問題に取り組むのみ、です。

< スコアメイク期間の振り返り >
TOEFLから数えれば約2年という、大変長いスコアメイク期間を過ごしてしまいました。短期決戦を目指して鼻息荒く勉強を開始した自分が懐かしいです(笑)。昔から試験が得意ではなく、トップスクールの合格者の中でも決して点数が高い方ではありませんが、時間が掛かっても結果にこだわって受験を続けてよかったと心から感じています。正直、「GMATのテクニックを身に着けてこの先何の役に立つのだろう」と思うことさえありました。ですが、その過程を乗り越えた「自信」や、その過程で得た「自分自身への理解 (自分のダメなところ、思考の癖、マインドコントロール方法など)」は、一生モノの学びだったと感じています。

中山先生にはラスト半年、最も辛いところで根気強く背中を押して頂き、細やかにご指導頂きましたことを心から感謝しております。AGOSのアドバイザーの皆さまにも、長い受験期間を通して大変お世話になりました。最後に、受験生の皆さまが、今は苦しくても最後に一生モノの成果を掴み取れるような、充実した受験生活を過ごされることを切に願っています。

コロナウイルスのGMAT試験への影響 by 中山道生

アゴス・ジャパンの中山です。

昨日3月19日、コロナウィルス蔓延に対する暫定措置として、GMAT受験日程の変更手数料を免除することが公表されました。(通常は、変更日が試験の何日前かによって50〜150ドルの予約変更料がかかります。)

キャンセル料については、会場の都合で試験中止になった場合は免除されますが、自分の都合でキャンセルする場合には、手数料がかかります。(追記:4月20日時点で、自分の都合でキャンセルする場合も無料になることが明記されました。)

3月中は、世界の多くの国でGMAT試験中止の措置が採られていますが、日本では今のところ3月中も試験が行われています。

<現在の空席状況>

3月19日現在、新宿会場で2日、受験可能日があります。

4月には、東京会場で千代田区、新宿区それぞれ7日、大阪に1日受験可能日があり、名古屋と福岡では今のところ4月の空席はありません。

受験日程の変更料免除も含めて、今後、状況に応じて頻繁に方針が変更される可能性はありますので、試験ルールについては、ぜひGMAT公式ページでもご確認ください。

GMATのコロナウィルス 対策の特集ページは、以下のリンクから参照できます。

https://www.mba.com/articles-and-announcements/announcements/update-on-coronavirus

GMAT学習体験記:570 → 580 → 660 → 740点 – by 中山道生

GMAT 740点を達成してトップ校に合格された方から学習体験記を頂きましたので、ご紹介します。

(ESRも含めて、公開のご承諾をいただいています)

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以下私のGMAT体験をお送りいたします。

私費で30代と厳しい状況でしたが、Dream校(○○○)に奇跡的に合格できたのは、中山先生のおかげです。

改めて本当にありがとうございました。

GMATは英語(特に読解力)を徹底的に鍛えるいい機会だったと思っています。MBA校から出される課題図書も、昔では読めなかったような難解な英文がスラスラ読めるので、中山先生の指導のもとGMATを頑張ってよかったと今でも思っております。

ご参考になるかわかりませんが、以下記します。 

570580660740点

1回目(2018年10月28日) 570(V22,Q47,IR,AWA5)

2回目(2018年11月25日) 580(V25,Q45,IR,AWA4)

3回目(2019年1月6日) 660(V35,Q47,IR,AWA5)

4回目(2019年4月7日) 740(V42,Q49,IR,AWA.5)

 

TOEFLが100点近くまで取れたため、9月からGMATの勉強をスタートしました。アゴスの中山先生のビデオクラスを取りました。

また、1月には中山先生の個別授業も1度受けさせていただきました。

 

RC

RCはとにかくまず単語力だと思いました。

1回目と2回目満足のいくスコアが取れなかったのですが、中山先生にメールで相談したところ、「ボキャブラリーが大事だ」とアドバイスいただいたため、単語帳を増やしました。

TOEFLの際Rank4まで覚えた3800英単語に加えて、TOEFLテスト英単語4000(河野太一氏)を丸暗記しました。暗記のポイントは、前日やった単語を次の日必ず再確認することです。毎朝必ず再確認するようになってから単語の定着が劇的に進みました。

また、単語の暗記は隙間時間にできるので、単語帳はどこに行くにも常に持ち歩くようにしていました。タクシーの中、人を待つ時など、少しずつ覚えました。

また、読解力はリスニングと同じく、毎日続けないとすぐ衰えてしまうと気づいたため、毎日どんなに忙しくても必ず時間を計ってRCを一問以上解くようにしました。OG、昔のOGPrepのほか、マンハッタンなどのいわゆる似ている問題でいいので、とにかく量をこなすことが大事だと思います。

そして解き終わった問題のわからなかった表現、単語は調べて、ワードに全て残しておきました。ワードメモは、定期的に目を通すと、知らない単語が定着していきます。

また、問題の傾向をつかむため、問題は必ず数週間後に再度解きました。これを繰り返していくと、ある時RCがスラスラ読めるようになっています。

 

CR

CRRCと同様に読解力、単語力だと思います。

RCと同様、とにかく多くの問題に触れることが大事だと思います。ただ、パターンを丸暗記しても意味ないので解くのは1回限りです。

 

SC

巷には多くの解法が転がっていますが、中山先生のメソッド以上のものはないと思います。私は何度も中山先生にしつこくメールで質問してしまいましたが、納得いかなかった解法は一つもありませんでした。

 

ビデオクラスを受講した後、OGWHITE BOOKPractice ABを4周しました。

1周目は全問解き、2周目で

(完璧に理解)

(正解したが完璧ではない)

×(間違えた)の印をつけ、

3周目からは×のみ解きました。

とにかく全ての問題で、「正解はこういう理由でこれだ」と完璧に説明できるまで理解するようにしました。理解できたものにはをつけて、次は一切ときません。

わからなかったポイントについて、中山先生に数日に一回まとめてメールで聞けたのが本当に助かりました。何度もしつこくメールしてしまい、本当に迷惑おかけしたと思いますが、あのご指導があったからこそSCは最後にはほとんどわかるようになりました。

 

SCは短時間でそれぞれ解けるので、iPhoneに問題を写真で撮って保存し、隙間時間で解いていきました。3周目からは、ほとんどの問題が自分で説明できるくらい頭に入ってきました。また、「これは重要」というポイントは、ワードにメモで残して、テスト前日に緑色のテキストと一緒に一気に見るということをやりました。

 

Math

Mathは正直あまりスコアが伸びなかったのですが、マスアカとジェイマスを2周した後、RCと同様で、とにかく問題を集めて解きまくりました。「このパターンの問題解いたことあるな」と思うようになってきたところで、49点に達したと思います。

 

テスト本番

時間配分が大事なので、テストスタートと同時に以下の時間表をメモの右端に記してペースメイキングしました。

 

V 65-36

60 3

55 7

50 10

40 16

30 22

20 28

10 34

5 36

 

math 62-31

60分 3問

50 8

40 13

30 18

20 23

10 28

5 31

 

解き方について

740点という自分でも信じられないスコアが取れたのは、1月に660点を取った後、中山先生の個別授業を受講させていただいたおかげです。

その時は、2問目のRCを解かないという戦略を取っていたのですが、中山先生から「今のボキャブラリー力があったら全問解ける」とおっしゃっていただいて、そこから戦略を変えました。

そうは言っても、最初は全く時間内に解けなかったのですが、1週間も演習を続けているうちにだんだん時間内に解けるようになってきて、Prepでも730点などを連発するようになってきました。慣れてくるとペース配分がわかってきました。

また、個別授業でもう一つ非常に印象的だったアドバイスが、RCCRでは「中途半端に6割の理解で解かず、時間をかけて8割の理解になってから解く」ということです。自分では気がつかなかったポイントなのですが、RCCRはわかった気になってなんとなく解いていた問題が多かったのです。全ての問題について「こういう意味だからこれが正解」としっかり理解して解くように心がけるようになりました。この方法も、最初は時間がかかりましたが、演習問題を何度も解くごとに慣れてきて、スピードが増していくのがわかりました。

 

以上乱文で失礼いたしました。

本当にありがとうございました。

———-(引用ここまで)——————————————————

上記の体験記を頂いた後に、以下の補足を頂きました。

「ちなみに、特に3回目と4回目の受験の間で、間隔が大きく(3ヶ月)開いていますが、実はその時期仕事が非常に忙しくて、数週間GMATにほとんど手をつけられない時期もあったため、3回目から4回目の間に投じた時間は見かけほど多くはなかったです。
ただ、その時期も、10分でもいいので毎日英文を読解するようにはしました。」

ESR公開のご承諾もいただきましたので、以下に要点を抜粋いたします。

まず、前半でしっかり正解率を上げ、最後に残った時間でさらに正解率を大きく向上させたことが Verbal で「ホームラン・スコア」を出せた原因となったようです。

4th quarter には1問平均1分弱しかかけていないにもかかわらず88%の正解率は素晴らしいです!

1st quarter 100%, 2nd 88%の正解率であるにもかかわらず、最後までHighには届かずMedium-Highになっていますが、40点以上の高得点が出る場合になぜかよく起こる現象です。(Mathでも同様の現象がよく起こります)

科目別でも、CR, RC, SC全て Verbal スコア40点相当以上の評価が出ています。

Verbal 1問あたりの平均解答時間は全受験者の平均と同様だったようです。CRは平均よりも長く時間をかけ、SCは4th quarterでの即答もあったためか平均解答時間が非常に短くなっています。

Verbal Strategy/ Practiceビデオを繰り返しご覧いただき、非常に多くの時間をGMAT学習に費やしながらも、最初の2回は習得したGMAT知識やスキルを試験で発揮しきれずに伸び悩んでいらっしゃいましたが、、、その後、語彙力を徹底的に強化して読解力が大きく向上したことでブレイクスルーが訪れ、3回目以降の飛躍的なスコアの伸びにつながったようです。

GMAT試験会場が新宿に増設されました – by 中山道生

アゴス・ジャパンの中山です。

10月から、日本でのGMAT試験会場が1つ追加され、新宿区西新宿の会場でも受験できるようになりました。

丸の内線「西新宿」駅から徒歩1分の場所にあるようです。

2019年10月29日現在、11月は火・水のみ、12月と1月は月曜日のみ受験可能です。

新宿会場の追加により、現在、日本でのGMAT試験会場は、東京2か所、大阪、名古屋、福岡の合計5か所になりました。

受験者数がピークになる11月〜1月に会場が増設されて選択肢が増えるのは、ありがたいですね。

最新の空席情報は、以下のページで確認できます。

https://www.mba.com/exams/gmat/before-the-exam/register-for-the-gmat-exam/find-a-test-center

 

GMAT Official Guide 2019/2020 オンライン問題 (IR, Verbal, Math) へのアクセス方法 – by 中山道生

以下、OG 2019 / 2020 版オンライン問題(IR, Verbal, Quantitative共通)へのアクセス方法を解説します。

1.gmat.wiley.com (www.なし) にアクセス

2.OG出版社 Wileyのアカウントを作成した後、ログインします。

3. 上の画像の赤丸 “Activate PIN”をクリックして、アクセスコードを入力します。

本の表紙の袋の中の「ISBN番号」が書かれた紙の裏側に「Access Code」が記載されていますので、それがPIN番号になります。

4. ログインした後、Official Guide 2019 または 2020 の「Launch」ボタンをクリックします。

5. ページ下の方の「Go to Practice Set Builder」をクリックすると、練習問題の画面に移動します。

6. 各科目の左側にある三角ボタン(上の画像の赤丸)をクリックすると、詳細な科目選択ができます。

7. ページ下の方の「Number of Questions」で練習したい問題数を選択して学習を開始します。

8. “Study Mode”を選択すると解答後すぐに正解と解説が表示され、”Exam Mode”を選択すると 選んだ問題数のセットが終了した後に正解と解説を確認できます。

 

GMAT Official Advanced Questions が発売されました – by 中山道生

アゴス・ジャパンの中山です。

GMATでは初の公式「難問」集: “GMAT Official Advanced Questions” が9月に発売されました。

Verbal / Quantitativeの過去問のうち、Easy, Medium, Hard の3段階で、Hardレベルに分類されるものだけが合計約300問収録されています。

現行の Official Guide との問題の重複はありません。

従来の Official Guide同様、オンライン問題にアクセスしてネット上で問題を解くこともでき、本の代わりに VitalSource の e-Book を購入することもできます。

Wiley Efficient Learning オンライン問題のメニュー選択画面は従来の OG と同じ外観です。

唯一、従来のOGと異なる点としては、”Easy”, “Medium”だけを選択して解こうとすると以下のようなエラーメッセージが出てしまうことです。

収録されている過去問の出典としては現行のOG以上に、10年以上前のOG 8〜10th edition等に収録されていた頃の問題の割合が高くなっています。

(ちなみに、「今のGMATは昔の試験より難度が上がっているから、ペーパー試験の頃の過去問で訓練しても意味がない」などと体験談で書いている方も時々いらっしゃいますが、全くの誤解です。1997年以前の過去問にも難問はもちろん多いです。今回の問題集のように現在の問題とミックスして過半数がペーパー試験の問題になっていても、どちらが昔の問題か気づける方はほとんどいないはずです。)

いずれにしましても、こちらは「Adavanced」という名の通り、平均以上のレベルの問題のみが収録されている問題集ですので、GMAT 初級〜中級の方にはあまりお奨めできません。

Math 部分については、現時点でQ 45 以上くらいであれば、この問題集を使って練習する学習効果が高いのではないでしょうか。

Verbalについては、すでに 30点前後を取れていて、もっと難しい問題が欲しいという方にはお薦めの教材です。(現時点で Verbal 25以下の方は、これらの難問が解けないことがスコアが伸びない原因なのではなく、平均レベル以下の基本問題をミスしていることが最大の敗因である可能性が高いです。GMAT試験では前半でどんどん正解しないと難問には出会えないからです。)


アゴスでは、無料の「35点突破難問チャレンジセミナー」を定期的に実施しています。すでに独学または他の予備校で学習し Verbal 25点以上をお持ちの方は、ぜひご参加ください。

また、GMAT Verbal の基本から上級レベルの知識やスキルまで網羅する Verbal Strategy コースの体験授業 も定期的に実施していますので、こちらも合わせて、ぜひご参加ください。

GMATでおすすめの受験科目の順序 – by 中山道生

アゴス・ジャパンGMAT講師の中山です。

「GMATはどの順番で受けたらいいですか?」という質問をよく受けるので、以下に一般的な回答を書いておきたいと思います。

2017年から、GMATは以下の3つから好きな受験順序を選択できるようになりました。

「順序1」がおすすめなタイプ

「順序1」は、1997年にGMATがコンピュータ化されて以来2017年まで20年間続いた伝統的な受験順序です。2017年以前に受験した人は100%この順序で受験していました。

3つの順序を選択できるようになった現在、「順序1」は最も人気がない受験順序になってしまい、おそらくこの順序で受験する人は10%以内くらいだろうと思われます。(現在では、ほとんどの方が重要科目であるVerbalかMathを最初に受験する「順序2」または「順序3」を選んでいるようです。)

「順序1」は、本試験会場で極度に緊張してしまいがちな、いわゆる「スロー・スターター」に向いているのではないでしょうか。

比較的重要度が低いAWA, IRを最初に取り組んで少しずつ緊張をほぐし、脳を活性化させてから、メインの科目であるMathとVerbalに進むことができます。

試験の最後に難関であるVerbalが来ることでスタミナ切れが心配になることがこの順番の最大の欠点ですが、「疲労感よりも緊張感の方が心配」という方には、おすすめできる受験順序です。

また、スタミナ切れが心配な方は、GMATでは休憩時間中にロッカーにしまっておいた栄養ドリンクなどを補給することもできます。

「順序2」がおすすめなタイプ

「順序2」は、以下のような方に向いているのではないでしょうか。

・数学があまり得意でないため、最初に数学でミスをした場合に動揺してしまう可能性がある

・試験中のスタミナ切れが激しいため、疲れていないうちに難関のVerbalを片付けておきたい

・数学が超得意で、「GMATはVerbalだけが勝負」(Verbal以外の科目は消化試合的に解いても高得点を出せる自信がある)という受験者。

「順序3」がおすすめなタイプ

おそらく、最も人気があるのがこの「順序3」ではないでしょうか。(とはいえ、「順序2:順序3=4 : 6 or 3 : 7」くらいかもしれません。)

ほとんどの日本人受験者は数学で高得点を狙うことから、

1. まずは得意のMathで頭脳を活性化させる。

2. エンジンがかかったところで勝負どころの Verbal に挑む。

3. 残りの2科目は、最悪の場合Verbalで燃え尽きてスタミナが切れてもそれほど支障はない。

というイメージです。

緊張感とスタミナ不足との両方のリスク管理のバランスが最適というのも、この順序の人気の理由かもしれません。


以上はあくまで一般論であり、私自身の個人的な見解でもあります。

公式模擬試験を使って何度かいくつかの受験順序を試して、ご自分にとって最適な受験順序を事前に十分に探究したうえで出した結論こそ、「最もおすすめの受験順序」ということになると思います。

 

GMAT学習体験談:610 → 660 → 640 → 710点 – by 中山道生

今年、複数のトップ校に合格された方から、ESR 付きの非常に詳細なGMAT学習体験談および受験結果の自己分析をいただきましたので、ご紹介します。(公開のご承諾をいただいています)

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<スコア>

1回目(8月19日):610点(V28,Q45,IR8,AWA5)

2回目(9月9日):660点(V34,Q47,IR8,AWA4.5)

3回目(11月5日):640点(V29,Q48,IR7,AWAキャンセル)

4回目(11月25日):710点(V36,Q49,IR5,AWA5)⇒出願スコア

 

<1度目の受験前>

2018年4月から土日のコースで中山先生のVerbalの授業を受講開始しました。真剣にMBA対策を始めたのもこの時期です。同時にQuant、IR、AWAのクラスもAGOSで受講し、GMATの全体感を把握することが出来ました。

私費留学の為、出願できる奨学金は全て出願していたこともあり5月~8月はほとんど奨学金のエッセーに時間と労力を費やしていました。その為、土日はAGOSでGMATの勉強をしていましたが、自習する時間はありませんでした。

一方で、2017年末頃から、毎日かかさず朝30分・夜30分は単語の勉強に充てていました。単語は本で対策する方が多いですが、私は個人的に本やカバンを持ち歩くのが好きではないので、気軽にどこでも隙間時間で勉強出来る携帯アプリを活用しました。iKnow及び中山先生のGMAT英単語アプリは重宝しました。3,000単語は暗記したと思います。海外経験が長いこともありTOEFLは特に対策せずに108点を出すことが出来ましたが、初回の103点から出願スコアの108点まで上がったのは、慣れだけでなく英単語の暗記による部分が大きいと思います。

数学は得意ではなく、最初の受験では45点、最終的に49点まで上がりましたが、Verbalと同じくらい対策に時間を割いてしまいました。Quantは不得意でも対策すればPrepで安定して49-50点は出せるようになるので、苦手な方はVerbalと並行してどれだけ時間をうまく割けるかだと思います。

 

<1度目受験>

あわよくば1st Roundでの出願を狙っていた為、8月末に奨学金に出願し終わってすぐ、1週間程度みっちりVerbalとQuantを対策して1度目のGMATを受験しました。年5回までという制限がある中、無駄打ちはよくないというアドバイスも頂きましたが、まずは自分の実力がどの程度なのかを図る上でも、躊躇せずにまずは一度受けてみる判断をしました。

結果、610点(V28,Q45)と惨敗。早速ESRを購入し、分析を試みました。

SCの正答率は非常に高く、CRは悪くなかったものの、RCが大きく足を引っ張っていました。

また、最も大事とされる最初の方のパート(FIRST)の正答率が5割と非常に低い正答率でした。SECONDのパートでは正答率が9割近かったのですが、難しい問題を数問落としてしまったことで、THIRD,LASTのパートでもスコアが上がりませんでした。

1度目の受験で得た教訓は「FIRSTパート(最初の10数問)」と「難問」の重要さでした。また、この際、中山先生に個人カウンセリングをお願いし、私の分析が正しいかどうかに加え、2度目の受験に向けた対策をご相談させて頂きました。

カウンセリングでは、中山先生が選んだ問題を目の前で解き、私の得手・不得手を把握した上で、各問題に費やした時間からも私の課題を読み解き、細かく指摘して下さり有難う御座いました。特に「単語力と読解力はあるものの、CRとRCは、焦ってしまった際に問題文と解答の選択肢を表面的にしか読んでおらず、深い部分まで読み取れていない。問題文と選択肢の内容を焦らずに集中して読んで意図を汲み取ればスコアは上がる」というアドバイスは、自分では認識していなかった部分で目に鱗でした。

カウンセリング後、2週間後の2度目の受験に向け、AGOSのテキスト(Strategy, Practice A&B)を繰り返し使用してSCは難易度が高い問題を解き続けました。克服が必要であったCRとRCは先生のアドバイスに従い、多くの問題を解きました(AGOSだけでなく、オフィシャルガイドやインターネットで共有されている問題も非常に役に立ちました)。感覚としてはRCに半分以上の時間を費やしました。

 

<2度目受験>

1st Round出願の為にはこの回で700点超えを出す必要があったものの、660点(V34,Q47)。しかし確実に実力が身についていることが確認できた為それほど落ち込みませんでした。再度、ESRを購入しました。

1度目の受験とは全く異なる結果に驚きましたが、前回の受験の失敗を見事に克服していて安心しました。

CRは壊滅的でしたがRCに関しては非常に高い正答率で、先生のアドバイスがかなり効きました。

FIRST Partは正答率100%という結果でした。難易度が急上昇したSECOND Partでは正答率3割と低い結果でしたが、それほどスコアは下がらず、THIRD Partでそれなりの正答率を出して着地したというイメージです。SECOND、LASTでこれだけ低い正答率であるにも関わらず34点を出せるということは、やはりそれだけFIRST Partで正答率を上げることが重要であるということかと思います。

1st Round出願は諦め、気晴らしに10月に米国のトップスクールをキャンパスビジットし、その後はCRに重きを置きつつ、前回と同様の対策を進めました。また、2度目の受験では最後に時間がかなり足りなくなってしまったため、Prepの有料パッケージを購入し、各問題一度ずつ模擬試験を実施しました。

また、3度目の試験は11月頭、4度目は11月に予約していたこともあり、これを落としてしまうと今年中の出願が危ぶまれる為、空き時間を100%GMATのみに割くようにしました。CRはAGOSのテキストで答えを覚えてしまうほど対策してしまった為、RCと同様、インターネット上にある問題を解くと共に、隙間時間が1分でもあればGMAT Toolkitというスマホアプリで対策しました。平日は朝6時起床で8時半まで勉強、夜は19時から24時まで勉強という毎日でした。しかしQuantが一向に伸びないため、Quantにはその半分以上の時間を割いており、Verbalには中々完全に集中出来ていませんでした(Quantは最後の最後まで足を引っ張りました)。

 

<3度目受験>

Prepでは安定して700点前後が出るようになったところで3度目の受験でした。本番中、Class of 2021に出願するには後がなくなってきたことで緊張してしまい、最初の方のパートで焦りながら解答を選んで進めてしまっていたことを実感しつつも解き終え、結果640点(V29,Q48)。Quantはなんとか目を当てられるスコアになってきたものの、Verbalは初回受験と変わらないスコアを出してさすがに落ち込みました。当然ESRを購入しました。

CR,RC,SCと初めてそれなりにバランスの良い結果となったものの、案の定FIRST Partでの正答率が50%と、初回の受験と同じ過ちを繰り返してしまいました。SECOND, THIRDで取り戻すべく9割~10割の正答率を出したものの出題難度(スコア)へのインパクトは少なく、また、最後は6問ほどランダムクリックとなってしまい、結果29点でした。

各セクションで実力が付いたことは実感できた為、あとは時間配分とプレッシャーへの慣れであると考え、4度目の受験に向けては単語・読解力・SCの知識ではなく、ひたすら模擬試験を行うことにしました。

オフィシャルPREPに加え、ManhattanのPREPも購入(ManhattanではVerbalパートのみ繰り返し実施)し、全てを使い切りました。

すると、高得点が出るのはやはりFIRST Partで10割、SECOND Partで7-8割の正答率が出たときであり、THIRD,LAST Partでどんなに正答率が下がってもVerbalで高得点(40点前後)を出すことが出来ることがわかりました。GMAT本番の時間配分は人それぞれですが、私は「FIRST Partには時間をかけすぎと思うほどかけ、答えを絞った後にも再度10~20秒かけて他の選択肢をもう一度読み直す」「SECONDで難易度が高い問題が出たら3分を超えても何としても正解する」ことで、THIRDとLASTの正答率を下げることとなったとしても、FIRST, SECONDパートの正答率を上げることを戦略としました。

結果、模擬試験では安定して750±20点が出るようになり、自信を持って4度目の受験に臨みました。

 

<4度目受験

本番中、FIRST,SECOND Partだけで時間の2/3程度を使いましたが明らかに問題の難度が高くなっており、手ごたえがある状態でスコアを見たら710点(V36,Q49)。PREPではVerbal40点前後を出せていたこともあり、また、本番も同様の手ごたえはあったものの36点と期待よりは下回りましたが、取り合えず出願スコアを手に入れました。嬉しさよりも安心感の方が強かったです。記念にESRを購入。

各セクションの正答率だけ見るとパッとしませんが、その次のグラフを見て頂けるとわかる通り、作戦通りFIRSTでは88%正解、難易度が急激に上がったSECONDでも9割正解することが出来ました。RCの正答率が低いのは、後半に問題文を丸々一つランダムクリックしたからだと思います。

半分を解き終えた時点で時間が1/3しか残っていなかったこともあり、THIRDでは難問を落としてしまいましたが、出題難度はそれほど大きく下がることなく、LAST Partでも正答率は4割と低いですが最終的に36点に着地しました。序盤・難問の重要性がこれほどハッキリとわかるESRは中々珍しいのではと思います。

 

<結論>

CRとRCは読解力が全てだと思います。読解力は単語力を身に着けた上で、確りと内容を理解するようにする癖をつけたらスコアが上がりました。中山先生から頂いたアドバイスは本当に有難かったです。GMATで700点を超えるためには最低でもTOEFLの難しい単語及びGMAT対策に必要な単語合計で3,000単語は覚える必要があると思います。私は携帯アプリの学習を習慣づけて乗り越えました(一気に量を詰め込むようにはせず、2017年末から1年間弱、隙間時間で一日30-60分間の勉強を継続しました)。CRに関しては未だに答えに納得のいかない問題もありますが、GMATの傾向を掴むしかないのではと思います。私は最後まで掴みきれませんでした。

SCに関してはAGOS以外の塾も通いましたが、基礎と小手先の技術を身に着けた上でひたすら問題を解く以外に方法はないと思います。やはり本番の問題は過去の問題と似た傾向の問題が大半を占めます(一部カバーしきれていない問題もありましたが)。私は、SC用のノートを作り、問題を間違えた際に、その傾向を纏め、試験前に読み直していましたがこれは試験前に頭を活性化させるのに非常に役に立ちました。

各セクションの対策をしっかりと行って実力を身に着けた上で、最後に非常に重要になるのは「時間配分の感覚と慣れ」だと思います。中山先生も授業で何度も繰り返して仰っていましたが、序盤の正答率を上げることは本当に重要です。ペーパーテストとは異なり、CATを用いたGMATは非常に癖があるので、私は4度目の受験の前に何度も何度も模擬試験を行い、高得点が出る時間配分を身に染み込ませました。

また、テキストやインターネットで調べてもわからない問題が出た際、中山先生にメールで質問させて頂きましたが、すぐに返答を頂くことが出来て有難かったです。答えて頂いた内容がそのまま本番に出題されたこともありました。AGOS受講生の皆さまは、答えに納得がいかない問題を見つけた際や、勉強・対策方法に悩んだ際にはメールやカウンセリングで中山先生に相談頂くことをお勧め致します。本当に有難う御座いました。

———— (引用ここまで)————–

ESR を存分に活用して1回1回の試験戦略やパフォーマンスの成否を具体的に分析し、次の試験に役立てることで着実に目標スコアを達成された典型的な成功例と言えると思います。

語彙力・読解力が高いレベルに達しているにも関わらず、試験中に少しだけ急いで解いてしまうと全科目を通じてやや粗い読み方・解き方になってしまうという方は多いです。そのような場合は、この方のように模擬試験や ESR で納得のいく時間配分や試験戦略を研究し、どこで100%本来の解答力を発揮すべきかを確認しておくことでベスト・パフォーマンスを発揮できるものだと思います。

※  体験談の中の「カウンセリング」は、「GMAT Verbal Tutor」のことを指しています。

GMAT Official Guide 公式モバイル・アプリ – by 中山道生

アゴス・ジャパンGMAT講師の中山です。

OG 2019 / 2020 の問題をオフラインでも練習できるGMAT公式モバイル・アプリが登場しましたので、ご紹介します。

(※ Official Guide Books はアゴスのクラスで配布しますので、クラスを受講予定の方は購入される必要はありません。)

 

iPhone / iPadをお使いの方は、以下のリンクからダウンロードできます。

App Store でWiley Efficient Learning ™ アプリをダウンロード

Androidスマホ / タブレットをお使いの方は、以下のリンクからダウンロードできます。

Google Play でWiley Efficient Learning ™ アプリをダウンロード

Wiley.comのオンライン問題同様、科目や問題数を選んで学習を開始します。

 

選べる科目は Verbal SC, CRとQuantitativeのみで、IR と Verbal RC問題は収録されていません。

問題の見え方は以下のような感じです。

 

ちなみにiPadでは以下のような感じで、タブレットでもスマホと視野が同じ仕様になっています。

 

オンライン問題の “Study Mode” 同様、選択肢をタップするとすぐに正解・不正解と解説が表示されます。

 

指定した問題数を終えると、回答結果のレビュー画面を見てパフォーマンスを分析することができます。

 

フラッグを付けた問題だけレビューしたり、間違えた問題だけをレビューすることもできます。

しかし、この復習する段階での解説の配色デザインには、賛否両論があるかもしれません・・・正解問題は背景が緑色、不正解問題は背景が赤色になり、白い文字で解説が表示されます。

学習者の立場としては、正解・不正解はすでにわかっていることなので、ここでは「あなたは正解でした!(緑!)」「あなたは不正解でした!(赤!)」と強調されるよりも、目が疲れないような背景色と文字色で、じっくりと解説を読み込みたいところなのではないでしょうか。最初に選択肢をタップした時に表示される解説画面のように、白の背景に黒の文字という配色の方がよかったのではないかと個人的には思います。

この最後の解説画面の奇抜な背景色には少し驚かされましたが、全体的には、オフラインでサクサクと問題演習をできる公式アプリということで、非常に有用な学習教材であると言えると思います。

同じくオフラインで OG 問題を参照できる VitalSourceのe-Bookモバイル・アプリでは、問題を解いた後、正解を確認するためにたくさんスクロールする必要があって不便に感じていた人もいたかと思います。

今回紹介した Wiley Efficient Learning アプリGMAT OG問題では、問題を解いた後すぐに正解と解説を確認することができるので、効率よく学習を進めることができます。

また、アプリでの正解・不正解の学習記録は Wiley.comサイトのオンライン問題と自動的に同期するので、外でスマホ等で学習した成果を帰宅してからパソコン上でじっくりと分析することも可能です。

通勤中に地下鉄等でオフライン環境になる時間が長いGMAT学習者にとっては、たいへん便利な学習アプリです。

IR (Integrated Reasoning)の採点の仕組み – by 中山道生

アゴス・ジャパンGMAT講師の中山です。

2012年に AWA が1つに減り IR が導入された直後に、IRセクションで何問正解すれば何点になるかを当時の公式模擬試験 GMATPrepで検証したことがあります。

その時に作成したのが以下の表です。

スコア 正解数 スコア 正解数
8点 9~12問 4点 5問
7点 7~9問 3点 4問
6点 7~8問 2点 2~3問
5点 6~8問 1点 0~1問

ところが先日、授業後に「IRセクションに採点されない問題が3問あるにもかかわらず、正解数が4問と5問の場合だけ必ず3点または4点になるのは矛盾しているのではないでしょうか」という趣旨のご質問がありました。(上表の赤字部分)

実は、2012年にこの表を作成した当時は IR にダミー問題があることが明言されていなかったため、「問題の難易度によってスコアの重みが違うということだろう」と納得して不思議に思わなかったわけでした。

しかしその後の「IRにはダミー問題が3問含まれている」というGMACの発表を考慮に入れると、確かに「正解が5問の場合にはそれらのうち何問かが採点されてもされなくても必ず4点になる」というのはおかしなことです。

そこで、本当に上の表が正しいのか、現行の Official Practice Examsで再検証してみました。

いくつかパターンを変えて、12問のうち最初の方を間違えたり最後の方を間違えたりと正解・不正解問題を変えて試してみたところ、上の表と全く同じ結果になりました。(IRセクションは Computer Adaptiveではないため、公式模擬試験では何度受験しても全く同じ問題が順序を変えて出題されます。)

つまり、現行の本試験でも、GMATPrep 時代と採点アルゴリズムには変更がないようです。

どうやら、正解数が5問以下だった場合は「ダミー問題」は存在せず全問題を採点していて、6問以上正解した場合のみダミー問題を計算に入れるという仕組みになっているようです。

「採点されない問題が含まれている」および「難問の方が易しい問題よりも重みが大きい」という公式発表と、今回の再検証結果を踏まえると、結論として、IR の採点の仕組みは以下のようになっているようです。

・正解数3問以下・・・1問あたり0〜1点

・正解数4〜6問・・・1問1点

・正解数7〜12問・・・1問あたり0〜1点

以上、IR 採点の仕組み再検証結果のご報告でした。

採点の仕組みを踏まえた上での目標スコア別の最適な試験戦略については、IR Strategy クラスの中で具体的に解説しています。